《労務なコラム》AI&SNS時代、御社の労働環境はどう見える?
企画屋プレスの代表・山口=私は、外部顧問として複数の企業でアドバイザーを務めています。そのうちの1つが「社会保険労務士法人AAO」です。
私は「経済格差を教育格差にしない」をテーマに民間人校長・市教委・区長と仕事をしてきました。教育を受けたゴールの1つとして「仕事」があり、若者一人ひとりがやりがいのある仕事と正当な報酬、そして働きやすい環境に出会ってほしいと願っています。
一方、雇う側からの嘆きもよく聞こえます。
「求人を出しても応募が来ない」「やっと採用できたのに、すぐ辞めてしまった」――中小企業の経営者の方から、こんな声が以前より切実に聞かれるようになりました。
人手不足は深刻です。でも、「人がいない」のは、本当に世の中に人材がいないからでしょうか? みなさんの会社が「選ばれていない」だけでは?……と、少し厳しい指摘をさせてもらうこともあります。
「働いてほしい」「働きたい」がマッチしていないのは、お互いに不幸です。まず、若い人たちがどのように就職先を探しているか、情報共有しているかをのぞいてみましょう。
求職者は、あなたの会社を「調べて」いる
いまの求職者、とくにZ世代と呼ばれる20代の若者たちの就職活動は、アナログが主流だった世代とはまったく違います。
SNSで会社名を検索するのは当たり前。Instagram、X(旧Twitter)、TikTokで社名を入れて、社員の雰囲気や社風を探ります。就活生の9割以上が企業のSNSで「社員の雰囲気」を重視しているというデータもあるほどです。
採用のSNS戦略を行う会社のレポートです↓
さらに急速に一般化した生成AIを、就活生の7割が就職活動に活用しているというデータもあります。
ChatGPTやGeminiなどのAIに「〇〇会社の評判は?」「この労働条件は問題ない?」と聞く時代なのです。AIは口コミサイトの情報や、企業の公開データをもとに、冷静で容赦のない回答を返します。就活生になったつもりで、みなさんの会社の情報をAIに尋ねてみてください。受けるよう言われましたか?
就活生は、採用されるためにエントリーシートや面接の練習にも生成AIを使っていますので、企業側も見極める力が必要になります。未だにAIの導入をしていない企業や勉強していないリーダー層は、すぐに学んでほしいところです。
問題は「求人の出し方」ではなく「労働環境」
多くの経営者は「求人広告の書き方が悪いのか」「もっと給与を上げないとダメか」と考えがちです。もちろん、条件は大切です。ですが、まずは根本的なところに目を向ける必要があります。
それは、就業規則や労働環境そのものが、今の時代に合っているかどうかです。
たとえば、こんなことに心当たりはありませんか?
◎就業規則を作ったのは10年以上前で、一度も見直していない
◎副業やフレックスタイムの規定がない
◎育児・介護休業の制度が法改正に対応できていない
◎ハラスメント防止の方針や相談窓口が形だけになっている
◎「うちは昔からこうだから」が口癖になっている
こうした状態は、社内の人にとっては「何年も同じ当たり前」「ウチには関係ない話」と諦めモードか惰性で慣れてしまっているかもしれません。でも、あらゆる情報が瞬時に手に入る若者から見たら、「この会社、大丈夫?」という大きな不安材料になっているのです。
「選ばれる会社」になるための3つのステップ
では、具体的にどうすればいいのか。ここでは、私が顧問を務める社会保険労務士法人AAOでもお勧めしている改善ステップをご紹介します。
ステップ1:まず、現状を把握する
自社の就業規則や労働環境がどんな状態にあるのか、客観的にチェックすることが第一歩です。
「就業規則は法改正に対応しているか」「残業時間の管理は適切か」「ハラスメント対策は機能しているか」――こうしたポイントを、社労士(社会保険労務士)のような専門家に見てもらうことで、自分たちでは気づけなかった課題が見えてきます。
外部顧問になってから、AAOのスタッフのみなさんとミーティングをしました。

それぞれの仕事のやりがいや今後どのようなサービスが必要かを話し合ったのですが、みなさん「どうしたら担当している企業にとってプラスになるか」を真剣に考えていました。
なかなか言語化の難しい相談も、対話しながら解いていき、わかりにくい制度も丁寧に説明するスタッフが揃っています。時には税理士・行政書士・弁護士等とのネットワークを用いて解決策を探してくれます。まずは、お気軽にご相談ください。
ステップ2:就業規則と制度をアップデートする
相談の結果をもとに、就業規則や社内制度を今の時代に合ったものに整えます。最近、ハラスメント対策やSNS・AI等の社内規程を必要とするものの相談先がわからない企業が急増しているとのこと。取り返しのつかない事案が発生する前に、アップデートしましょう!
具体的には、テレワークやフレックスなど柔軟な働き方の導入、育児・介護との両立支援の充実、ハラスメント防止体制の実効化、副業・兼業に関するルールの明確化、ネットリテラシーに関するルール作成といったテーマでご相談が増えています。
大事なのは、「法律で決まっているから仕方なく変える」ではなく、「社員が安心して働ける環境を自ら作る」という姿勢です。就業規則の整備は、社員との信頼関係を築く第一歩です。
社労士法人AAOでは、就業規則の作成・見直しに加えて、助成金の申請サポートも行っています。制度を整えることで申請できる助成金もあるので、コスト面のハードルも下がります。
ステップ3:働きやすい環境や社員の声を発信する
せっかく環境を整えても、それが外に伝わらなければ意味がありません。
改善した内容は、求人票や会社のホームページ、SNSを通じて積極的に発信しましょう。「テレワーク制度を導入しました」「男性の育休取得を推進しています」「フレックスタイムで柔軟に働けます」――こうした情報は、求職者にとって大きな判断材料になります。
さらに今の時代は、第三者の認定制度を活用するのも効果的です。たとえば厚生労働省の「えるぼし認定」(女性活躍推進)、「くるみん認定」(子育て支援)、「健康経営優良法人」などを取得すると、求職者の安心感につながります。
AAO自身も会社が成長していく過渡期になりますので、自社の就業規則や評価制度の見直しに着手し、その成果をクライアントのみなさんにも共有しようと日々改善を進めているところです。
「人がいない」時代だからこそ、打ち手はある
人手不足は確かに深刻です。しかし、「人がいない」と嘆く前にできることをやっていない会社が多過ぎる。そもそもの制度を、多忙を理由に整えていない。SNSどころかホームページの更新もできていない。
愚痴を言っていても、何も変わらない。やるべきことを見つけ、優先順位をつけて着手しましょう!
私が顧問を務める社会保険労務士法人AAOは、大阪・北浜を拠点に、従業員5名以下の小規模企業から数千人規模の上場企業まで、幅広い企業の「社外の人事パートナー」としてサポートしています。
「就業規則を最後に見たのはいつだったかな……」「うちの労働環境、外からどう見えているんだろう?」――この文章を読んでそんな疑問が浮かんだら、まずはお気軽にご相談ください。
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《ライター》
企画屋プレス 山口照美
https://kikakuya-press.com/
