ANYCOLORは無借金経営【すごい】
ANYCOLORの決算資料を見ていると、売上高や営業利益、にじさんじの成長ばかりに目が行きます。
しかし、個人的にかなりすごいと思っている数字があります。
それが「借金」です。
2026年4月期末のANYCOLORは、有利子負債が実質ゼロとなっています。
つまり、ほぼ完全な「無借金経営」です。
しかも、単に借金がないだけではありません。
現金を約220億円持ちながら、年間200億円を超える営業利益を出している。
改めて数字を見ると、ANYCOLORの財務体質はかなり特殊なのではないか?と思います。
2026年4月期のANYCOLOR
まず2026年4月期の数字を見てみます。
売上高は556億8100万円、営業利益は201億7200万円、当期純利益は140億9100万円でした。総資産は365億200万円、純資産は269億6300万円、自己資本比率は73.9%です。
さらに現金及び預金は約220億5000万円。
総資産約365億円のうち、約6割が現金ということになります。
そして有利子負債は0円です。
もちろん、「負債そのものがゼロ」という意味ではありません。
買掛金や未払法人税などがありますから、2026年4月期末の負債合計は約95億円あります。
ここでいう無借金経営とは、銀行からの借入金や社債など、利息を払う必要がある有利子負債をほぼ持っていないという意味です。
実は少しずつ借金を減らしてきた
ANYCOLORが最初から完全な無借金だったわけではありません。
有利子負債は、
2022年4月期:約5.6億円
2023年4月期:約3.2億円
2024年4月期:約1.6億円
2025年4月期:約4500万円
と減少していき、2025年10月末以降はゼロになっています。
会社が急成長しているにもかかわらず、借金が増えるのではなく減っている。
ここが面白いところです。
普通、会社が急成長すると資金が必要になります。
設備を増やしたり、人を増やしたり、新しい事業へ投資したりするため、銀行から借り入れたり社債を発行したりすることがあります。
ところがANYCOLORは、自分たちで稼いだお金によって成長できています。
本業だけで年間150億円以上の現金を生み出している
その理由はキャッシュフローを見るとよく分かります。
2026年4月期の営業活動によるキャッシュフローは約156億7800万円でした。前年の約111億8400万円からさらに増加しています。
簡単に言えば、
「にじさんじを運営しているだけで大量の現金が会社に入ってくる」という状態です。
だから外部から大きな借金をする必要性がない。
ライブ、グッズ、新人ライバー、スタジオ、広告、社員採用などに投資しても、事業そのものが生み出すキャッシュでかなりの部分を賄えてしまいます。
これはANYCOLORのビジネスモデルの強さでもあると思います。(製造業のように巨大な工場を何千億円かけて建設する必要はありません)
IP、配信、グッズ、イベントなどを中心とするため、事業が成長したときに生み出されるキャッシュが非常に大きい。
ANYCOLORが高い利益率を維持できている理由の一つでしょう。
しかも株主還元までやっている
さらにすごいのは、現金を貯め込んでいるだけではないことです。
2026年4月期には約50億円の自己株式取得を行い、配当金として約41億円を支払っています。それでも期末の現預金は約220億円まで増えました。
ざっくり言えば、
「約90億円を株主に還元したのに、現金が増えている」
ということです。
これだけキャッシュを生み出せる企業であれば、借金に頼る必要がないのも納得できます。
無借金なら絶対に良いわけではない
ただし、一つ注意したいことがあります。
「借金がない会社=絶対に優秀」
というわけではありません。
低金利で資金を借りて、それ以上の利益を生み出せる事業へ投資できるのであれば、借金を使った方が合理的な場合もあります。
むしろ現金を大量に持ち続ければ、
「その220億円をもっと成長投資に使えないのか?」
という議論も出てきます。
ANYCOLORの場合、これから注目したいのは「借金がないこと」そのものよりも、この強すぎる財務基盤を何に使うのかだと思います。
海外展開、新しいIP、大型ライブ、スタジオ、M&A、配当、自社株買い。
220億円の現金と年間150億円を超える営業キャッシュフローがあれば、かなり多くの選択肢を持つことができます。
ANYCOLORの本当の強さは「自由度」なのかもしれない
ANYCOLORについては、葛葉、叶、ROF-MAOなどの人気ライバーや、グッズ販売、ライブ事業などが注目されがちです。
しかし企業として見ると、私はこの財務体質もかなり大きな強みだと思います。
有利子負債ほぼゼロ。現預金約220億円。
自己資本比率73.9%。
営業キャッシュフロー約157億円。d
これだけ財務に余裕があれば、多少業績が悪化してもすぐに資金繰りに困る可能性は低く、新しい投資にも踏み切りやすい。
何より、銀行にお金を借りなければ会社を成長させられない状態ではありません。
「借金をしなくても成長できるほど、本業がお金を生み出している」
これがANYCOLORの無借金経営を見るうえで最も重要な部分なのだと思います。
にじさんじという巨大IPを持っていることも強い。
その利益が実際に大量のキャッシュとして会社に入り、借金に頼らず経営できている。
ANYCOLORは、事業だけではなく財務面から見ても、かなり強い会社になっているのではないでしょうか。
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