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【ショートショート】額に入った夕暮れ #毎週ショートショートnote(309文字)

丘の上のカフェは、少し高めの価格設定だった。
メニューは選べず、デザートセット一択。ひと口サイズのケーキ三種とドリンクのセット。不思議なことに、最初にひとつ、しばらくしてもうひとつ、さらに間を置いて最後のひとつと、やけにのんびりとしたペースで提供される。

周りの客たちは、そんな事も意に介さない様子で、静かに遅めのティータイムを楽しんでいる。

三皿目のプチケーキを食べ終えたころ、店内の色がふっと変わった。
大きな窓の外へ視線を向けると、西の空に、やわらかい橙と紫が滲んでいた。

「このタイミングを見計らっていたのか…」

テーブルに届いた伝票をめくると、一番下に小さくこう書かれていた。

──夕暮れ料金も、額に入っております。

(了)


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