Kickstarterが「Partner Program」を正式に強化した理由
先日、Kickstarterから
「Partner Program」
に関するパートナー制度の発表がありました。
Kickstarterという巨大なプラットフォームが、
「これからは、パートナー企業の存在が、プロジェクト成功に不可欠である」
と正式に認め始めた、かなり大きな変化だと感じています。
今回は、その内容を踏まえて、Kickstarterが今どのような方向へ進もうとしているのか、そして日本メーカーにとって何を意味するのかを書いてみたいと思います。
Kickstarterは“成熟フェーズ”に入った
今回の発表の中で、Kickstarterはこんな内容を明確に書いていました。
Kickstarter ecosystem has matured, partners have become essential to creator success.
つまり、
「Kickstarterのエコシステムは成熟し、パートナー企業が成功に不可欠な存在になった」
ということです。
これはかなり重要なメッセージです。
昔のKickstarterは、
アイデアが良ければ伸びる
プロダクトが珍しければバズる
動画を作れば売れる
という時代がありました。
ですが今は違います。
今のKickstarterは“総合戦”
現在のKickstarterでは、
商品企画
ブランディング
動画制作
広告運用
PR
英語翻訳
配送設計
カスタマーサポート
リターン設計
価格設計
アップデート運用
など、
非常に多くの要素が求められます。
つまり、
「良い商品だけでは勝てない」
フェーズに入っています。
その中で、
経験のあるパートナー企業が、
プロジェクト成功率を大きく左右するようになってきたのです。
KickstarterがPartner Programを始めた理由
Kickstarter側としても、
「どの支援会社が信頼できるのか分からない」
という課題があったのだと思います。
実際、海外クラウドファンディング市場では、
実績が少ない会社
運用経験が浅い会社
広告だけで売ろうとする会社
配送やサポートまで考えていない会社
も存在します。
その結果、
プロジェクト炎上
配送遅延
カスタマーサポート崩壊
支援者とのトラブル
が発生し、
Kickstarter全体の体験悪化にもつながっていました。
だからこそ今回、
Kickstarterは公式に
「実績あるパートナーを可視化する」
という方向へ動き始めたのだと思います。
「Expert Partner Badge」が意味するもの
今回の資料では、
「Expert Partner Badge」
も正式に配布されることになりました。
これは単なるロゴではありません。
Kickstarterが、
実績
信頼
経験
プラットフォーム理解
を一定レベル認めた企業に対して、
公式に可視化を行うという意味があります。
つまり今後は、
「誰と組むか」
が、ますます重要になっていくということです。
なぜ“アフターフォロー”が重要なのか
Kickstarterでよく誤解されるのですが、
本当に大変なのは
「公開後」よりも、
実は「終了後」です。
特に海外クラウドファンディングでは、
配送状況の問い合わせ
住所回答漏れ
長期不在
再発送
破損対応
関税問題
追跡番号問い合わせ
など、
大量の問い合わせが発生します。
そして、
この対応品質によって、
支援者が次回も応援してくれるかが決まります。
実際、
Kickstarterは“リピーター文化”が非常に強い世界です。
1回成功して終わりではなく、
2回目
3回目
4回目
と続けていくことで、
ブランドが積み上がっていきます。
だからこそ、
単なる「広告運用」だけではなく、
支援者とのコミュニケーションまで含めた運営が重要になります。
日本メーカーにとって追い風になる可能性
個人的には、
今回のPartner Program強化は、
日本メーカーにとって追い風になる可能性があると思っています。
なぜなら、
日本のものづくりは非常に強い一方で、
英語
マーケティング
広告
配送
海外CS
などに課題を抱えているケースが多いからです。
逆に言えば、
そこを補えるパートナーと組めば、
世界で戦えるポテンシャルを持ったメーカーは本当に多いと感じています。
Kickstarterは「信頼経済」になっている
昔のように、
一発バズれば終わり、
という時代ではなくなっています。
今のKickstarterは、
誰が運営しているか
どんな実績があるか
過去の対応はどうだったか
支援者を大切にしているか
という、
“信頼”が非常に重要になっています。
だからこそ、
これからの海外クラウドファンディングは、
「売る力」
だけではなく、
「継続的に信頼を積み上げる力」
がより重要になっていくと思います。
そして今回のPartner Programは、
Kickstarter自身が、
その方向へ大きく舵を切った象徴的な動きだと感じています。
