「闇夜に刻まれた印」第三十五章:最後のピース/《烙印於黑夜之印》第三十五章:最後的拼圖(和訳付き)
初めてのあなたに
作者便り(26年6月)
前篇
日本語訳
【第35章 最後のピース】
クレアが持ち帰ったものは、
最後のピースだった。
地方騎士団には不釣り合いな装備。
不自然な資金の流れ。
そして、王都に残る未解決の余波。
ばらばらに見えていた違和感は、
王女と副官の書斎で一つの形を取り始める。
しかし王女が選んだのは、
即座の粛清ではなかった。
まずは、軽い「注意」から。
一方その頃、
カルダはついにクレアの内側へ踏み込みすぎてしまう。
リゼ。
その名に触れた瞬間、
旅人は初めて感情を露わにした。
そして夜。
街を離れるべきか迷うクレアの前に、
ヴィーシャが現れる。
告げられたのは、王女からの命令。
(王宮・書斎)
「それで?」
王女は手にしていた報告書を机へ置いた。
「おそらく、あります。」
副官は机の前に立ったまま答える。
「ただ、その大半は騎士団の装備に回されているのでしょう。」
「やっぱり、そうか。」

王女はティーカップを手に取り、一口含む。
「今日のお茶は渋いわね。」
「中部山脈産の茶葉ですから。」
副官は報告書から目を離さない。
「もともと、こういう味です。」
そして静かに続けた。
「クレアが、最後のピースを持ち帰ってきました。」
王女は別の報告書を開く。
「少なくとも、あの装備がどこから来たのかは説明がつくようになったわ。」
「地方騎士団の予算だけで、あの水準の装備を維持できるはずがありません。」
「……では、殿下。」
副官が問いかける。
「動きますか?」
「いいえ。」
王女はティーカップを置いた。
「少なくとも、今はまだ。」
そう言って窓辺まで歩き、遠くを見つめる。
「王都の中だって、それほど綺麗じゃないもの。」
「地方補助金着服事件、ですか?」
「ええ。」
王女は静かに頷いた。
「解決したことにはなっているけれど、十分すぎるほど長引いたわ。」
「首謀者が処刑台に立ったのも、ようやく先月ですもの。」
王女は、ふと思い出したように小さく笑った。
「首が晒された時、不思議に思ったのよ。」
「あとで報告書を読んで理由が分かったわ。」
「処刑人に、処刑直前まで悪態をついていたそうね。」
「その結果、本番の前に興奮剤を二本追加で打たれたとか。」
「……どうりで、あんな鬼気迫る表情をしていたわけだわ。」
王女は思わず首をすくめる。
「今思い出しても、首筋が寒くなるわ。」
(殿下、毎回こういう話ばかりですよね……。
さすが、あの騎士団ご出身というべきでしょうか。)
副官は心の中でそう呟きながら、そっと視線を逸らした。
(……まあ、私も人のことは言えませんけど。)
その頃――
処刑人は、不意にくしゃみを一つした。
「くしゅん。」
鼻を軽くこすりながら、処刑室を見回す。
辺りは静まり返っていた。
「……誰か、私の悪口でも言ってるのかな。」
そう呟いて視線を戻した先に、小さな木箱があった。
「あ。」
中を覗き込み、少し困ったような顔になる。
「興奮剤、もうほとんど残ってない。」
彼女は小さくため息をついた。
「また薬屋さんに行かなきゃ……。」
「もうすぐ処刑もあるし。」
箱の中で転がる薬剤の瓶を、しばらく黙って見つめる。
そして、ぽつりと呟いた。
「……最後にあんなに苦しみたくないなら、最初から私に余計なこと言わなきゃいいのに。」
副官は軽く咳払いをした。
「それで、殿下。どうなさいますか?」
「軽く“注意”してあげればいいわ。」
王女は窓の外へ視線を向ける。
そして、不意に微笑んだ。
その笑みを見た副官は、
なぜか嫌な予感を覚えた。
「……殿下?」
「ちょっといい方法を思いついたの。」
そう言うと王女は、副官の耳元で小さく自分の考えを伝えた。
聞き終えた副官は思わず目を見開く。
「殿下……これは。」
一拍置いて、小さく苦笑した。
「本当に趣味が悪いですね。」
「どう? 悪くないでしょう?」
「ええ。」
副官も報告書を一枚めくる。
「これは本当にいい案です。一石二鳥になります。」
「じゃあ……始めましょうか。」
王女はそこで何か思い出したように顔を上げた。
「あ、そうだ……。」
「ヴィーシャが武装女官団を退団した時って、まだ団員だったかしら?」
副官は少し首を傾げる。
「確か……そうだったと思います。」
「騎士の身分は持っていたはずです。」
「それならちょうどいいわ。」
王女は命令書へさらさらと署名を書き込みながら言った。
「まずは、彼らに――」
「これは『粛清』だと思わせましょう。」
王女は静かに微笑む。
「そのあとのことは、きっと向こうが勝手に見せてくれるわ。」
副官は小さくため息をついた。
「ですが殿下。」
「こういう人を震え上がらせるやり方は、あまり多用なさらないでください。」
(二日後)
カルダは少し憂鬱そうだった。
カルダは訓練場脇の長椅子に腰掛け、
夜勤明けの引き継ぎを待っていた。
引き継ぎが済めば、
その足でクレアを「誘い」に行くつもりだった。
ただ――
(どう攻めても、あいつは負けを認める。)
(しかも、手加減してるように見えるのに、決定的な証拠は掴めない。)
(だからって、本気でやってないとも言えないんだよね……。)
思わず頭を抱える。
(本気のあいつと、一回くらい戦ってみたいなあ……。)
「副団長、どうかしましたか?」
横から声がかかった。
カルダが顔を上げると、
そこにはベテラン騎士のブールが立っていた。
「なんだか元気がありませんね。」
「ああ、ブールか……。」
カルダはここ最近の出来事を、大まかに話して聞かせた。
話を聞き終えたブールは、
苦笑するしかなかった。
「つまり……。」
「せっかく強い相手を見つけたのに、何となく物足りない、と。」
「そうなんだよ!」
カルダは勢いよく頷く。
「何かまだ隠してる気がするのに、どうしても出してくれないんだ。」
ブールは少し考え込んだ。
「もし、その人が特別気にしているものが分かれば……。」
「何か反応が見えるかもしれませんね。」
「うーん……。」
カルダは腕を組んだ。
実は最近、
それらしい話をいくつか耳にしていた。
ただ――
「冗談にしては、ちょっと度が過ぎる気がするんだよね。」
頭をぽりぽりとかく。
「普段はすごく穏やかな奴なんだけど。」
「本気で怒らせたらどうなるかは、正直分からない。」
それを聞いたブールは思わず笑った。
「それなら、やめておいた方がいいんじゃないですか?」
カルダはしばらく黙っていた。
そして、小さく呟く。
「……ここまで来たんだから。」
「一回くらい、試してみたいじゃん。」
その言葉に、
ブールは何とも言えない嫌な予感を覚えた。
「副団長……。」
「大丈夫、大丈夫。」
カルダはひらひらと手を振る。
「最悪、そのあと謝ればいいし。」
結局。
クレアは、また「招待」されることになった。
だが、結果はいつもと同じだった。
打ち合っては引く。
打ち合っては負けを認める。
しかも――
これで今日三本目だ。
(このままじゃ駄目だ。)
カルダは心の中で呟く。
木剣が再び受け流された。
(もう、本当に我慢できない……。)
そして次に剣を交えた瞬間。
彼女は不意に口を開いた。
「ねえ、クレア!」
「何ですか?」
クレアは彼女の一撃を受け流しながら答える。
「酒場じゃ、結構女の子に人気あるじゃない?」
「……」
「一人や二人、付き合ったりしないの?」
その一言を聞いた見物の団員たちが、一斉に騒ぎ始めた。
「副団長、何言ってるんですか!」
「ついに始まったぞ!」
「賭けろ賭けろ!」
「うるさい!」
カルダは振り返りもせず怒鳴る。
その直後。
再びクレアに木剣を受け流された。
「そういうのには興味ありません。」
返事は早かった。
だがカルダは見逃さなかった。
彼の耳が、少しだけ赤くなっている。
(効いた。)
途端に気分が上向く。
木剣をさらに踏み込ませた。
「じゃあ、何が怖いの?」
「……」
「振られるのが怖い?」
クレアは答えない。
黙ったまま木剣を受ける。
だがカルダには分かった。
ほんのわずかだが、
動きが半拍遅れた。
(反応した。)
彼女はすかさず間合いを詰める。
再び木剣同士がぶつかり合う。
すれ違いざま――
カルダはそっと声を潜め、
彼の耳元で囁いた。
「それとも……。」
「誰かに裏切られたことでもある?」
――その瞬間だった。
クレアの動きが止まった。
本当に、一瞬だけ。
だが。
カルダは見逃さなかった。
(捉えた。)
しかし――
次の瞬間。
彼女はすぐに後悔することになる。
「リゼは、俺を裏切ってなんかいない!」
――ドンッ!!
木剣が凄まじい勢いで弾き上げられた。
カルダは反応する暇すらなかった。
視界が一瞬で反転する。
手から木剣が弾き飛ばされる。
気がつけば。
自分は床へ倒れ込んでいた。
そして。
一本の木剣が、
ぴたりと自分の喉元で止まっていた。
訓練場が静まり返る。
誰一人として声を上げなかった。
クレア自身でさえも。
「……」
彼はその場に立ち尽くしていた。
呼吸は少し乱れ、
木剣を握る手はわずかに震えている。
数秒後。
ようやく小さく口を開いた。
「……リゼは、俺を裏切ってない。」
さっきよりも、
ずっと小さな声だった。
誰かへ言い聞かせているようでもあり、
自分自身へ言い聞かせているようでもあった。
「……あいつの作る胡椒チキンステーキ、美味いんだ。」
訓練場は、
なおも静まり返ったままだった。
床に倒れたカルダは、
頭の中が疑問符でいっぱいだった。
一方のクレアは――
言い終えた、その直後。
自分が何を口走ったのかに気づく。
その瞬間、
彼の表情が一変した。
クレアはすぐに平静を取り戻した。
まるで、
さっきまでの取り乱した様子など、
最初から存在しなかったかのように。
彼は深く息を吸う。
そして、
カルダへそっと手を差し伸べた。
カルダは一瞬きょとんとする。
半拍ほど遅れて、
ようやくその意味を理解した。
「……あ、ありがと。」
クレアはその手を取ると、
そのまま彼女を立ち上がらせた。
続いて数歩歩き、
床へ落ちていた木剣を拾い上げる。
そして、
そのまま彼女へ差し出した。
「はい。」
「あなたの木剣です。」
「……ありがとう。」
カルダは木剣を受け取る。
だが、
頭の中はまだ先ほどの光景でいっぱいだった。
あの一瞬の爆発。
目で追うことすら難しかったあの動き。
そして――
『リゼは俺を裏切ってなんかいない。』
その言葉。
カルダが呆然としている間に、
クレアはすでに元の位置へ戻っていた。
木剣を構え直す。
まるで、
何事もなかったかのように。
「続けましょう。」
その声はあまりにも落ち着いていて。
ついさっき、
たった一太刀で自分を倒した人物と、
本当に同じ人間なのかと。
そう疑いたくなるほどだった。
だが――
その後の手合わせは、
まるで彼女の考えを真正面から叩き潰すような展開になった。
二本続けて、
カルダは地面へ転がされる。
そして三本目。
木剣を振り切る前に――
気づけばもう床へ倒れていた。
「……」
カルダは仰向けのまま、
訓練場の天井をぼんやり見上げる。
頭の中は疑問符だらけだった。

周囲で見守っていた団員たちも、
すっかり静まり返っている。
「副団長……。」
一人の騎士が、おそるおそる口を開いた。
「大丈夫ですか?」
「うるさい。」
カルダは即座に言い返した。
そしてそのまま立ち上がる。
木剣を握り直しながら、
視線をゆっくりと正面へ向けた。
心の中には、
もう一つの考えしか残っていなかった。
(違う。)
向こうで静かに木剣を構えるクレアを見る。
(こいつ……。)
(今までずっと、私に付き合ってくれてただけだったんだ。)
だが――
「今日は、この辺にしましょう。」
クレアは木剣を木桶へ戻した。
その口調は、いつもと変わらない。
感情は何一つ読み取れなかった。
そのまま踵を返し、
更衣室へ入っていく。
カルダはその場に立ち尽くした。
何を言えばいいのか、
すぐには思いつかなかった。
しばらくして――
着替えを終えたクレアが更衣室から出てくる。
カルダはすぐに彼のもとへ歩み寄った。
「あのさ……クレア。」
クレアは足を止める。
だが、
彼女が口を開くより先に、
自分から頭を下げた。
「副団長。」
「今日は、少し感情的になってしまいました。」
「申し訳ありません。」
カルダは目を見開いた。
さっき吹き飛ばされたのは、
どう考えても自分の方だ。
それなのに、
先に謝ったのはクレアだった。
「いや、私は――」
何か言おうとする。
だが、
クレアは静かに首を横へ振った。
「今日は少し疲れましたので。」
「先に失礼します。」
そう言うと、
そのまま出口へ向かって歩き出す。
カルダはその場から動けなかった。
遠ざかっていく背中を、
ただ黙って見送る。
胸の奥が、
少しだけ痛んだ。
なぜなら――
今回は、
自分が踏み込んではいけない場所へ、
踏み込んでしまったのだと。
ちゃんと分かっていたからだった。
だが――
一つだけ。
どうしても引っかかることがあった。
「ブール。」
「はい。」
呼ばれると、
ブールはすぐそばまで歩み寄ってきた。
カルダは少し黙り込む。
それから静かに口を開いた。
「一人、調べてほしい人がいる。」
「名前はリゼ。」
ブールは思わず目を瞬かせた。
「リゼ……ですか?」
「うん。」
カルダは小さく頷く。
「たぶん女性。」
「それから、おそらくイギタイア近辺の人だと思う。」
ふと、
さっきの「胡椒チキンステーキ」という言葉を思い出す。
そして付け加えた。
「料理ができる人。」
「メイドとか、料理人とか……そんな仕事をしてるんじゃないかな。」
ブールは少し不思議そうな顔をした。
それでも、
それ以上は何も聞かずに頷いた。
「承知しました。」
カルダは訓練場の出口へ視線を向けた。
クレアが去っていった方向を、
しばらく黙って見つめる。
そして最後に、一言だけ告げた。
「分かったら。」
「すぐ私に報告して。」
騎士団を後にしたクレアは、
そのまま市場へ足を向けた。
そして適当な喫茶店を見つけると、
窓際の席へ腰を下ろす。
注文したのは、一杯の紅茶だった。
店員が席を離れたのを確認すると――
彼は両手で頭を抱えた。
(俺は一体、何やってるんだぁぁぁ!)
そのまま勢いよくテーブルへ突っ伏す。
(なんでリゼのことを口走ったんだ!)
(しかも、あんな状況で!)
(俺は一体、何を考えてたんだ……!)
しばらくして、
湯気の立つ紅茶が運ばれてきた。
クレアはカップを手に取り、
一口飲む。
ようやく少しだけ落ち着きを取り戻した。
(……カルダ、調べたりしないよな?)
今日の出来事を、一つ一つ思い返す。
そして――
自分が思っていた以上に情報を漏らしてしまっていたことに気づく。
「……」
クレアは静かにカップをソーサーへ戻した。
(終わった。)
彼は真剣に、
もう一つの問題について考え始める。
(……逃げるべきか?)
こうして――
その日の午後。
クレアはずっと喫茶店に座り続けていた。
紅茶を飲みながら。
本気で、
今日の夜のうちに街を出るべきかどうかを考え続けていた。
宿へ戻ると――
受付の係員に呼び止められた。
「クレア様。」
「はい?」
「お連れの侍女の方がお部屋でお待ちです。」
「ヴィーシャ?」
クレアは、不吉な予感を覚えた。
足早に階段を上がる。
部屋の扉を開けると――
案の定、
見慣れた人影がそこに立っていた。
「ヴィーシャ?」
ヴィーシャは椅子から立ち上がり、
軽く一礼する。
「ぱっちゃま。」
その表情は、
普段になく真剣だった。
クレアの胸騒ぎが一気に大きくなる。
「何かあったのか?」
ヴィーシャは一瞬だけ黙った。
そして静かに口を開く。
「殿下からのご命令です。」
部屋の空気が張り詰める。
「カルダ・スレネを――」
一拍置いて。
「直ちに逮捕せよ。」
リゼって、誰?
メインラインは一回休み、来週(7月3日更新予定)は「神罰日シリーズ」の「デュラハンと天使の深夜」第四夜、お楽しみに!
以上の翻訳は ChatGPT による翻訳文をもとに、自ら校正・監修した形でお届けしています。
もし文体や語調などに不自然な箇所がありましたら、ぜひご指摘いただけますと幸いです。
ご感想やご質問などございましたら、コメント欄にてお知らせください。できる限りお返事させていただきます。
改めまして、本作品をお読みいただき、誠にありがとうございます。
中国語本文
【第35章 最後的拼圖】
克雷亞帶回了最後一塊拼圖。
地方騎士團過於精良的裝備、異常流向的資金,
以及王都尚未完全乾淨的舊案,
終於在王女與副官的書房中連成一條線。
然而王女並沒有立刻動手。
她選擇的,是一場「提醒」。
另一方面,卡爾妲也終於踩中了克雷亞心中最不該碰觸的名字。
莉潔。
那一瞬間,始終藏著實力的旅人第一次失控。
而這個名字,也成了卡爾妲即將追查的新線索。
就在克雷亞考慮是否該連夜離開時,
維莎帶著王女的命令出現在他的房間。
(王宮.書房)
「所以?」王女放下手上的報告。
「應該是有。」副官站在桌前,「只是,大部分都投入騎士團的裝備了吧。」
「果然嗎?」
王女端起茶杯抿了一口。
「今天的茶真澀。」
「中部山脈的茶,本來就是這個味道。」

副官盯著報告,頭也不抬:
「克雷亞把最後一塊拼圖帶回來了。」
王女又翻開另一份報告,
「至少現在能解釋那些裝備是怎麼來的了。」
「地方騎士團那種規格的裝備,光靠正常預算可養不起。」
「那...殿下,」副官問道「要辦嗎?」
「不用。」
王女放下茶杯。
「至少現在不用。」
她走到窗邊,望著遠方。
「畢竟王都自己也不怎麼乾淨。」
「地方補助款扣留案?」
「嗯。」
「說是解決了,但也拖得夠久了。」
「主犯上個月才剛上刑台。」
王女像是想起什麼似地笑了一下。
「首級掛上去的時候,我還覺得奇怪。」
「我後來看報告才知道原因。」
「原來他死到臨頭了,還敢對處刑人出言不遜。」
「結果行刑前,被額外招待了兩支興奮劑。」
「難怪表情會那麼猙獰。」
王女下意識縮了縮脖子。
「我現在想起來,都覺得脖子後面冷颼颼的。」
(殿下每次都八卦這種事......應該說不愧是某騎士團出身嗎?)
副官默默移開視線,
(不過我大概也沒立場批評他就是了。)
處刑人突然打了個噴嚏。
她摸摸鼻子,環顧了一下處刑室。
四周寂靜無聲。
「到底是誰在說我壞話......」
她轉頭回來,看向箱子。
「啊。」
箱裡的興奮劑快沒有了。
「看來又要跑趟藥房了......過幾天有處刑阿。」
處刑人無奈。
她盯著箱裡滾著的藥劑,
過了一會兒才淡淡地說。
「不要最後那麼痛苦就不要惹我啊......」
副官清了清喉嚨,「那,殿下,您是要?」
「『提醒』他們一下就好。」
王女望向窗外,忽然露出一個笑容。
副官看到那個笑容,忽然有種不好的預感。
「殿下?」
「我想到一個不錯的方法。」
於是王女對副官低聲講了一下自己的作法。
「殿下,這...」副官瞪大眼睛「您真是惡趣味。」
「怎麼樣,不好嗎?」
「不。」副官也翻了一下報告,「這個主意真的不錯,算是一石二鳥了。」
「那...我們開始吧?」王女突然想到,
「對了......那個...維莎離開的時候是團員嗎?」
「我記得好像是,」副官歪著頭,「她應該有騎士銜。」
「那就好,」王女一邊簽著命令一邊說,
「先讓他們以為,這是一場清算吧。」
她輕輕一笑。
「之後的事,他們自然會做給我們看。」
「不過,殿下,這種嚇死人的辦法,還是少用吧。」
副官嘆了口氣。
(兩天後)
卡爾妲有些鬱悶。
她正坐在訓練場旁的長椅上,等著晚班交接。
等會兒交接完,她就要去「邀請」克雷亞過來練習了。
只是——
(怎麼打他都會認輸。)
(而且還是那種明明感覺有放水,卻又抓不到證據的那種。)
(根本沒辦法說他不認真。)
她忍不住抱住頭。
(好想跟全力狀態下的他打一場啊……)
「副團長,怎麼了嗎?」
一道聲音從旁邊傳來。
卡爾妲抬起頭,看見資深騎士布爾正站在旁邊。
「看起來沒什麼精神啊?」
「啊,布爾……」
於是卡爾妲把最近的事情大致說了一遍。
聽完後,布爾也只能露出苦笑。
「所以說……」
「明明找到個很強的對手,卻一直覺得不夠過癮?」
「對啊!」
卡爾妲立刻點頭。
「感覺他明明還藏著什麼,可就是不肯拿出來。」
布爾想了想。
「如果知道他特別在意什麼,說不定能看出點東西。」
「嗯……」
卡爾妲陷入思考。
其實她最近確實聽到了一些東西。
只是——
「我是怕玩笑開得太過火。」
她抓了抓頭髮。
「感覺那傢伙平常脾氣挺好的。」
「但真惹火了會怎樣,我還真不知道。」
布爾聞言不禁失笑。
「既然這樣,那就別試了吧?」
卡爾妲沉默了一會兒。
「都已經走到這一步了。」
「總得試試看吧。」
布爾忽然有種不太好的預感。
「副團長……」
「放心啦。」
卡爾妲擺了擺手。
「大不了之後再道歉。」
結果,克雷亞還是被「請」過來了。
只是結果依舊一樣。
打一打就縮回去。
打一打就認輸。
而且這已經是今天第三場了。
(這樣不行。)
卡爾妲暗自想道。
木劍再次被架開。
(我真的快受不了了。)
於是下一次交鋒時,她忽然開口。
「喂,克雷亞!」
「怎麼了嗎?」
克雷亞一邊格開她的攻擊,一邊回應。
「你在酒館不是挺受女生歡迎的嗎?」
「……」
「怎麼沒見你交往一兩個?」
旁邊圍觀的團員一聽,頓時開始起鬨。
「副團長妳在說什麼啊!」
「終於開始了嗎!」
「下注下注!」
「閉嘴!」
卡爾妲頭也不回地吼了一句。
下一秒又被克雷亞架開。
「我對這種事情沒興趣。」
回答得很快。
但卡爾妲還是注意到了。
他的耳根有點紅。
(有效。)
她精神一振。
木劍再次逼近。
「那你是在怕什麼?」
「……」
「怕被甩?」
克雷亞沒有回答。
只是沉默地接招。
然而卡爾妲已經察覺到。
他的動作似乎慢了半拍。
(有反應。)
她立刻追了上去。
兩把木劍再次碰撞。
趁著擦身而過的瞬間。
卡爾妲壓低聲音。
在他耳邊輕聲說道:
「還是……被背叛過?」
——那一瞬間。
克雷亞停住了。
真的只有一瞬間。
但卡爾妲看見了。
(抓到了。)
然而下一秒。
她就後悔了。
「莉潔才沒有背叛我!」
轟!
木劍猛然震開。
卡爾妲甚至來不及反應。
視野瞬間翻轉。
手中的木劍脫手飛出。
等她回過神來時。
自己已經摔在地上。
而另一把木劍。
正穩穩停在她的喉嚨前。
全場鴉雀無聲。
所有人都愣住了。
包括克雷亞自己。
「……」
他怔怔地站在原地。
呼吸有些急促。
握著木劍的手微微顫抖。
過了幾秒。
他才低聲開口。
「她沒有背叛我。」
聲音已經比剛剛小了許多。
像是在說給別人聽。
又像是在說給自己聽。
「……她做的胡椒雞排很好吃。」
訓練場陷入一片死寂。
卡爾妲躺在地上。
滿腦子問號。
而克雷亞則在說完之後。
忽然意識到自己剛剛說了什麼。
臉色瞬間變了。
他很快恢復了平靜。
彷彿剛剛那一瞬間的失態從未發生過。
克雷亞深吸了一口氣。
然後朝卡爾妲伸出手。
卡爾妲愣了一下。
過了半秒才反應過來。
「喔......謝謝。」
克雷亞順勢把她拉了起來。
接著轉身走了幾步。
將掉落在地上的木劍撿起。
遞回她手中。
「妳的劍。」
「謝謝。」
卡爾妲接過木劍。
然而腦中卻還停留在剛剛那一幕。
那瞬間的爆發。
那快到幾乎看不清的動作。
還有那句——
『莉潔才沒有背叛我。』
而就在她出神的時候。
克雷亞已經走回原本的位置。
重新擺好架勢。
彷彿什麼都沒有發生。
「繼續吧。」
平靜得讓人懷疑。
剛剛那個把她一招放倒的人。
究竟是不是同一個人。
只是接下來的訓練。
卻像是在狠狠打她的臉。
連續兩場被打倒在地。
第三場。
木劍甚至還沒完全揮出去。
人就已經躺在地上了。
「......」

卡爾妲躺在地上。
望著訓練場的天花板。
滿臉問號。
旁邊圍觀的團員也安靜了。
「副團長。」
一名騎士忍不住開口。
「妳還好嗎?」
「閉嘴。」
卡爾妲立刻回答。
然後從地上爬起來。
重新握緊木劍。
只是心裡卻只剩下一個念頭。
(不對。)
她看向對面的克雷亞。
(這傢伙之前根本是在讓我。)
但是——
「今天到這裡吧。」
克雷亞將木劍放回木桶。
語氣和平常一樣。
聽不出任何情緒。
然後轉身走進更衣室。
卡爾妲站在原地。
一時間不知道該說什麼。
過了一會兒。
克雷亞換好衣服走了出來。
卡爾妲立刻迎了上去。
「那個......克雷亞。」
克雷亞停下腳步。
還沒等她開口。
便先低下頭。
「副團長。」
「今天是我太衝動了。」
「抱歉。」
卡爾妲愣住了。
明明剛才被打飛的人是自己。
結果先道歉的卻是對方。
「不,我......」
她剛想說什麼。
克雷亞卻已經輕輕搖了搖頭。
「今天有點累。」
「我先回去了。」
說完便朝出口走去。
卡爾妲站在原地。
目送他的背影逐漸遠去。
心裡忽然有些不是滋味。
因為她知道。
這次確實是自己踩到了不該踩的地方。
但是——
有件事情。
她還是放不下。
「布爾。」
「是。」
布爾立刻走了過來。
卡爾妲沉默了一下。
才開口說道:
「幫我查個人。」
「名字叫莉潔。」
布爾愣了一下。
「莉潔?」
「嗯。」
卡爾妲點了點頭。
「應該是女性。」
「而且大概是伊吉塔亞附近的人。」
她回想起那句胡椒雞排。
又補了一句。
「會做菜。」
「可能是女僕、廚師之類的工作。」
布爾雖然有些疑惑。
但還是點了點頭。
「明白了。」
卡爾妲望向訓練場出口。
目光停留了許久。
「查到之後。」
「直接向我報告。」
離開騎士團後。
克雷亞一路走進市集。
最後隨便找了間咖啡廳坐下。
點了一杯茶。
直到服務生離開後。
他才雙手抱住腦袋。
(我到底在幹什麼啊啊啊!)
整個人直接趴在桌上。
(怎麼把莉潔的事情講出來了!)
(而且還是在那種情況下!)
(我到底在想什麼!)
過了一會兒。
熱茶被送上桌。
他端起茶杯喝了一口。
總算冷靜了一點。
(卡爾妲應該不會查吧?)
仔細回想今天發生的事情。
然後絕望地發現。
自己提供的情報好像有點太多了。
......
克雷亞默默把茶杯放回桌上。
(完蛋。)
他開始認真思考另一個問題。
(要離開嗎?)
於是。
整個下午。
他都坐在咖啡廳裡。
一邊喝茶。
一邊思考自己是不是應該連夜跑路。
等到回到旅店時。
櫃台人員叫住了他。
「克雷亞先生。」
「是?」
「您的侍女正在房間裡等您。」
「維莎?」
克雷亞忽然有種不太好的預感。
他快步上樓。
打開房門。
房間裡果然站著熟悉的身影。
「維莎?」
維莎從椅子上起身。
向他微微行禮。
「少爺。」
她的表情異常嚴肅。
克雷亞心裡的不安瞬間擴大。
「發生什麼事了?」
維莎沉默了一瞬。
然後開口。
「殿下命令。」
房間裡安靜下來。
「立刻逮捕卡爾妲.斯雷涅。」
