フリーランスになって感じる、若い世代の強さ
私はアパレルフリーランスとして働いている。
今年で3年目に入り、これまで45店舗以上のショップで働いてきた。
社員でもなければアルバイトでもない、
自分でも時々、不思議な立場だなと思うし、
そこで働く人たちからすると、きっと尚更だろう。
この人は、初めてお店に入るはずなのに、
なんの説明も受けず、どう働くんだろう?
どんな接客をするんだろう?
どんな商品説明をするの?そんな視線を感じることもある。
これまで、色々なブランドに携わらせてもらったけれど、
一緒に働くのは、圧倒的に若い方が多かった。
みんなキラキラと眩しく、一生懸命に、そして楽しそうに働いている。
先日、お店でインフルエンサーとして活躍している子から声を掛けられた。
真っ直ぐに私の元に向かって来てくれて、
「Maiさん、迷ってるんです、どれがいいと思います?」と、
リール投稿用の商品選びの相談だった。
正直、すごく嬉しかった。
商品の知識というより、私の感覚を信頼してくれたような気がしたからだ。
こんな嬉しい経験は、
ありがたいことに日々たくさんある。
出勤した瞬間に、
「また会えて嬉しいです」と満面の笑みを見せてくれたり、
「そろそろ上がりますね」というと
「えっ、もう?寂しいです」と本当に悲しそうな顔をする子もいる。
彼女たちは、自分の気持ちを伝えるのがうまい。
相手を持ち上げたいわけでもなく、気に入られたいわけでもない。
驚くほど躊躇なく、真っ直ぐに伝えることができる。
同時に私はふと思う。
この子達と同じ歳ぐらいの時、
こんなに素直に自分の気持ちを表現できただろうか。
年上で、社内の人ではない、たまにきて、一緒に働く。
この人は何者なんだろうと思う人に、
私はきっと少し距離を置いて接していただろう。
だからこそ、「Maiさんがきてくれる日って、仕事がより楽しくなるんです」と言われたとき、計算のない、不意打ちのような素直さに心打たれた。
そういう子たちは、自然と周りからも愛されている。
きっと私にだけではなく、日頃からそうやって素直に気持ちを伝えているのだろう。
本人は気づいていないだろうけれど、その温かい言葉は、
一緒に働く相手への気遣いにもなっているのだと思う。
私は長く接客業をしてきた。
そのせいか、自分が発する言葉も、
つい耳障りの良いものになってしまうことがある。
「またぜひご一緒させてください」
「その言葉が励みになります」
もちろん嘘ではない。本心でもある。
けれど、反射的に出てしまうときもある。
それはあくまでも、ビジネスでの会話なのだ。
逆に、相手の言葉も、建前はさらりと交わし、
本音がこぼれた瞬間を拾い上げるようになった。
彼女たちは評価されたいから言っているんじゃない。
ただ、そう思ったから伝えてくれている。
自分が遠慮という言葉で、飲み込んできたものを、彼女たちは堂々と伝えられる。
それが清々しく、カッコ良く見えるのだ。
アパレルフリーランスになり、毎日違う場所で働くようになった。
もう次はない出会いの繰り返しだ。
けれど、私はこうした数々の言葉たちに、
救われていることも多い。
それはいつも予期せぬタイミングで訪れる。
自分がなんてことないと思っている瞬間を、きっと見てくれている人がいるのだ。
フリーランスになり、肩書きをはずしたからこそ、
年齢も立場も違う人たちと、同じプレイヤーとして働くことができる。
それもまた、この働き方の面白いところだと思っている。
アパレル販売員をあと何年続けられるんだろう。
そんなことを考えることもある。
けれど、若い子たちに教わることも、まだまだ多い。
そして、先を行く大先輩からも日々、多くのことを教わっている。
自分はまだまだ教わることばかりだ。
そう思えるうちは、きっと私はまだこの道を続けていける気がする。
