見出し画像

「雨音」 ―― ひとりで歩く速度、誰かと分け合う重さ

誰もいない部屋に、ただ雨音だけが響いている。 そんな静寂から、この物語は始まります。

かつては「昔の音」ばかりを追いかけて、すぐそばにある気配に気づけなかった自分。 けれど、ふとした瞬間に後ろを歩く誰かの音に気づき、その歩幅の違いを知ることで、ようやく見えてくる景色がありました。

ひとりでは心もとないこの世界で、不器用でもいいから誰かと寄り添うこと。 雨が街の輪郭をぼかすように、自分の殻と外の世界の境界が溶けていくような、そんな心の揺らぎを歌にしました。

雨音

[Opening]
誰もいない部屋
雨音だけが響いている
残る残響
鼓動と重なって揺れる

息を呑み
静かに立ち上がる
行き先もないまま
ただ、前へ

[Verse 1]
初夏の香り
少しずつ上がる気温
汗ばむシャツ
日ごとに違う空模様

街を覆う
ゆるやかな霧雨
足元に揺れる
いくつもの水たまり

音だけが
そっと漂っている

[Verse 2]
Chance or design — undefined
Paused for a moment, off the line

Rain coming down, steady, low
Blurring the edges, moving slow

Heat, then cold — fade in between
Crossing the lines, barely seen

Letting the moment unfold

[Chorus 1]
この世界はもう
ひとりでは 心もとなくて
誰かとそこにいること
揺れる場所を 探している

温もりが ほしくて
そっと 寄り添う気配
ぶっきらぼうでもいい
ただ そこで 感じていたい

流れていく
雲のように

[Verse 3]
昔の音ばかり
追いかけていた
すぐそばの気配を
見逃していた

後ろを歩く音に
ふと気づいて
前を歩いてと
そっと伝えた

踏み込んだ途端
速さの違いに気づいた
早足になりかけた気持ち
ふと 立ち止まり

心がそっと
押さえてくれる
温もりが
そこにあった

[Verse 4]
Passing the warmth along
Held close, where it belongs

Keeping the ember alive
Soft in the dark, it stays alight

Shadows shift, quietly
Holding a trace of light

Keep it alive in this moment

[Chorus 2]
この世界はもう
ひとりでは 心もとなくて
たったひとりでもいい
重さを 分け合える

温もりを探している
どれだけさまよっても

温もりを伝えることも
必要だと 気づいた

[Outro]
雨音が
響いている

そっと
雨音だけが 響いている

雨の日の「湿度」について考えていました。

湿度が高い日は、音の伝わり方も、空気の重さも、いつもと少し違って感じられます。 その重さをひとりで抱えるのではなく、誰かと分け合うことができたなら。 「温もりを伝えることも必要だ」と気づいたとき、降り続く雨の音が、少し違って聴こえました。

ぶっきらぼうな優しさでもいい。 ただそこに誰かがいてくれるという実感が、どれほど救いになるか。

雨上がりの空を待つ間、この曲があなたの心に寄り添う小さな温もりになれば幸いです。

P.S. この歌詞、飲みの帰り道、電車の中で一気に書き上げました。 その時にしか出てこない言葉、気持ち、それもまぎれもない自分の一部だったなって今更ながらに思います。

いいなと思ったら応援しよう!