夢十夜~第一夜~

こんな夢をみた。

砂漠で砂を喰べている。
両手で頬張るようにして喰べている。
オレンジ色の砂は、歯の隙間でギシギシ音を立てながら喉を通って胃の中へ落ちていく。
一向に腹が満ちないのだがここで立ち止まっているわけにはいかない。
空を見るとハゲタカがこちらを確かに見つめて準備をしている。
立ち止まればやってくる。

歩きながら砂を喰う。腹が満ちない。
田舎の父が「生き急ぐな」とよく自分に言ったことを思い出した。
思い出した父は今よりずっと若い父で私が生まれた時の父よりも前の父だ。写真でみたんだ。顔を少し斜めにしてこちらを見て微笑している。

記憶の中の父が「もうすぐ出発するぞ」と言ってコーヒーを飲んだ。

砂を喰いきれなくなって吐き出した私の元にハゲタカが降りてニッと笑った

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