見出し画像

長打で上回り、継投で守り切った——滋賀学園、9年ぶりのセンバツ白星

【第98回センバツ高校野球 1回戦 滋賀学園5-4長崎西】3月20日・甲子園

シーソーゲームになった。しかし、滋賀学園は崩れなかった。

3月20日、甲子園で行われた第98回センバツ1回戦。2年連続4度目出場の滋賀学園(滋賀)が、21世紀枠の長崎西(長崎)を5対4で振り切り、2017年以来9年ぶりのセンバツ初戦突破を果たした。

勝負を分けたのは「長打の質」と「継投の胆力」だった。

【シーソーゲームを生んだ長崎西の「緻密な野球」】

長崎西がこの試合で見せたのは、21世紀枠らしい「考える野球」の真骨頂だった。

初回、芦塚陽士の安打から満塁を作り、岡崎憲信の押し出し四球で先制。2回は芦塚の犠飛、3回は桑原直太郎の二盗・三盗から石川瑛空の適時打、4回は一・三塁から暴投を誘って加点——。4回まで毎回得点を重ね、5盗塁を記録した積極走塁は、甲子園の大舞台でも長崎西の野球が通用することを証明した。

長打に頼らず、出塁・進塁・盗塁・相手バッテリーへの圧力で1点ずつ積み上げるスタイル。そのしぶとさが、序盤の滋賀学園を確かに苦しめた。

【「長打で取り返す」——3・4番の勝負強さ】

しかし滋賀学園には、それに対抗する武器があった。「長打の質」だ。

1回裏、長崎西に先制を許した直後、3番・中野壮真が2点二塁打で即座に逆転。3回裏は4番・吉森爽心の犠飛で追いつき、さらに遊撃の悪送球で勝ち越した。長崎西が「流れ」と「足」で1点を積み上げるのに対し、滋賀学園は1本の長打でまとめて返す——そのコントラストが、この試合の最大の読みどころだった。

そして試合を決めたのは、4対4で迎えた5回裏だ。先頭の三木翔太が二塁打でチャンスを作ると、続く吉森が右越えへの三塁打を放って勝ち越し。これが決勝点となった。吉森は1安打2打点、中野も1安打2打点。3・4番で5得点中4打点を叩き出した勝負強さは、滋賀学園の「打線のコア」がしっかり機能した証だ。7番DH・太田佑人も三塁打を含む2安打と存在感を発揮した。

【「崩れそうな局面」を処理し続けた伴田蒼生】

しかし、この試合の本当の分岐点は5回の決勝三塁打より、その後の守りにあった。

先発の左腕・土田義貴は3回4安打3失点・3四球2死球と制球に苦しみ、4回からリリーフした右腕・伴田蒼生にバトンが渡った。伴田も登板直後に暴投で同点を許すという苦しいスタートだったが、そこから立て直したのが大きかった。

7回は無死一塁から一死一・二塁のピンチを招いても、坂田啓太郎を空振り三振、桑原を左飛で切り抜け。8回は二死三塁から代打・楊井慎吾を遊直。9回も一死一塁から岡崎を二飛、坂田を左飛で締めた。圧倒したというより、崩れそうな局面をひとつずつ処理して「あと1点」を消し続けた——その粘りが最終的な勝利につながった。

チームとしては9安打・無失策。対する長崎西の6安打2失策という数字の差は小さいが、要所での精度で滋賀学園が上回った試合だった。

【次戦は八戸学院光星——さらなる試練が待つ】

滋賀学園は24日の2回戦で、青森の強豪・八戸学院光星と対戦する。

今大会屈指の打線を誇る光星相手に、今日の接戦で見えた課題——先発・土田の制球——をどう修正するかが焦点になる。一方で、伴田の「火消し能力」と3・4番の長打力が再び光れば、番狂わせも十分にありうる。

9年ぶりの白星で勢いをつけた滋賀学園。2回戦でも「恥を捨てろ」のキレッキレ応援ダンスとともに、甲子園をもう一度沸かせてほしい。

試合結果:滋賀学園 5-4 長崎西
スコア:長崎西 111 100 000|4
    滋賀学園 202 010 00×|5
投手:【滋】土田義貴→伴田蒼生(勝) 【長】坂田啓太郎→熊寛生
長打:三塁打=吉森爽心・太田佑人(滋) 二塁打=中野壮真・三木翔太(滋)

#センバツ2026 #滋賀学園 #高校野球 #甲子園 #マッチレポート

いいなと思ったら応援しよう!