モチーフとテーマを考える
上手い写真を撮る人は、着眼点が良かったり自分だけのアングルを持っていたりするもので、構図のバランス感覚はともかく空間の使い方や視線誘導を無意識にできる人が多いと感じている。
自分はどうか?と言われれば悩むけど、私自身はその場の空気や目が感じる気持ち良さで被写体を選び、自分の表現したい何かや感情を芯にして感じたままを撮るようにはしている。

目が感じる気持ち良さで選んだモチーフと言えばこんな感じになるが、感情の発露としては南京錠になり、自分にとっては意味あっても他人にはちっともわからない、という正に自分のための1枚になってしまう。
だけど、そんな個人的な光景にしても大事なのは、モチーフ探し。
モチーフとは動機・理由・主題を意味し、写真の場合は特定のイメージや出来事として考えられるけど、乱暴に言えば形だったりパターンだったりもする。
モチベーションのフランス語というべきモチーフは写真を撮るキッカケ・動機を意味すると解釈する人もいるけど、「これが撮りたかった」の「これ」と言っちゃえばわかりやすいかも知れない。

私の場合、パターンとして考えるならフラットに撮る、というのがあるけど、組み写真の場合にはリズムをモチーフとして意識したり、特定の形を組み込んで全体であるモチーフを仕上げていくなどもあって、表現したいものをしっかり持っている事で必要な「これ=モチーフ」が見えてくるのだと考えている。

今日は、窓をモチーフに写真を揃えてみよう。
中から外の景色を見る窓や、外から見える窓、いずれにしろそこには結界があって明確な境界線があるのだけど、その境界線について語るのはテーマであって、窓という物はモチーフに相当する。
今回は、先日行った函館から窓をモチーフにして撮った写真を主に選んだけど、「窓の向こうを想像する」というテーマが透けて見えれば、表現としては成功なんだろうと思っている。

函館は港街としての構築が古くからなされ、今となっては貴重な当時の姿を残す建物も多くて、被写体としての魅力に溢れていて汗だくになって色々と撮った。
この倉庫の様な建物は、内側をリノベーションしてビールの醸造所として使っている建物。クラフトビールを作りたい人に醸造士への道を開く活動も行っていて、ジャパン・グレート・ビア・アワード2023で金賞を取ったビールもここで造られたとか。

赤レンガ倉庫の扉をガラスではめ殺しにした窓。
窓の形が四角で無いのは、建てられた時代の流行があったからだろうか。
(扉にしろ窓にしろ、上にアーチ状の形がある)

こんな蔵もちゃんと保存して喫茶店として営業している「ひし伊」。
以前は質屋が使っていた土蔵で、石川啄木の妻が通ったという史実もあって、ちょっと気になって行ってみたワケだ。

内側はこんな感じになっていて、設えによって大きな窓があるようにも見えるけど、実際は光が取り込まれる部分だけが窓というのが面白い。
さすがに蔵なので上部のアーチは無かったけど、こうやって一つのモチーフを追いかけてテーマを持って撮影するのは、街撮りの基本的な行動パターンなんじゃないかって思っている。
それにしても暑い毎日ですね。

