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50歳を過ぎても、中国語は人生を変える

外国語を学ぶメリットは何ですか?

そう聞かれたら、私はいつもこう答える。

「世界に友達が増えることです」と。

英語を話せれば、世界人口の大きな割合の人と繋がることができる。

さらに中国語を話せれば、また別の巨大な世界と繋がることができる。

私は本気で、「中国語を話せれば世界の3分の1の人と友達になれる」と思っている。

実際、中国、台湾、シンガポール、マレーシアなど、中華圏のネットワークは想像以上に広い。

私が中国語を始めたのは16歳の頃だった。

きっかけはNHKの中国語ラジオ講座。

当時は今のようにYouTubeも翻訳アプリもない時代だった。

実は私は、八極拳を学ぶために中国語を勉強し始めた。

どうせ学ぶなら、本場の言葉で学びたかった。

通訳を通すのではなく、自分の耳で聞き、自分で理解したかった。

小さなラジオから流れてくる中国語を聞きながら、発音を真似し、ノートに書き写し、少しずつ覚えていった。

正直、最初は何を言っているのか全然分からなかった。

それでも、なぜか中国語には不思議な魅力があった。

日本人が中国語を学ぶメリットの一つは、漢字文化圏であることだと思う。

英語の場合は、アルファベットの単語を一つ一つ覚えなければならない。

だが中国語は違う。

同じ漢字を使っている。

もちろん発音は難しい。

声調もある。

だが、漢字を見ると何となく意味が想像できることが多い。

これは日本人にとって、かなり大きなアドバンテージだと思う。

ただ、面白いのは「同じ漢字でも意味が違う言葉」があることだ。

例えば、日本語の「手紙」。

日本人なら当然、“レター”を思い浮かべる。

だが中国語で「手紙」と書くと、ティッシュペーパーやトイレットペーパーの意味になる。

逆に、中国語で“手紙”は、

「信」

という漢字を書く。

つまり、“信用の信”で手紙になる。

こういう違いが本当に面白い。

その後、私は台湾へ行き、八極拳を学ぶようになる。

武術を学びながら中国語を使う。

生活の中で中国語を覚える。

教科書ではなく、人との会話、空気、文化、武術、その全部の中で言葉を体得していった。

気づけば、中国語は単なる外国語ではなく、自分の人生の一部になっていた。

現職では台湾駐在も経験した。

中国大陸へ行った時には、「台湾人か?福建人か?」と聞かれることもあり、日本人だと気づかれないこともあった。

面白いのは、中国河北省へ八極拳を学びに行った時のことだ。

当然、現地では買い物もするし、レストランにも入る。

すると、かなりの確率でこう聞かれる。

「你不是河北人吧?」

「あんた河北人じゃないよね?」

そこから、

「哪的人?」

「どこの人なの?」

という流れになる。

中国では、「どこの国?」より、「どこの省の人?」という感覚の方が強い。

福建省なら福建人。

広東省なら広東人。

そんな感じだ。

だから私は、わざと少し遊ぶ。

「外地人だよ」

と答える。

すると向こうは、

「え?どこなの?」

とさらに聞いてくる。

そこで私は笑いながら、

「日本人だよ」

と答える。

すると、ほぼ毎回驚かれる。

「はぁ!?なんでそんなに中国語うまいの!?」

そしてかなりの確率で、

「台湾人か福建人だと思った」

と言われる。

私はその瞬間が結構好きだ。

言葉だけで、国籍や距離感が一気に変わるからだ。

その後は、だいたい会話が盛り上がる。

買い物でも値引きしてくれたりする。

「あんた面白いな」

「これ安くしとくよ」

そんな流れになる。

私はスマートフォンが好きなのだが、日本では買えないような中国国内モデルを教えてくれたり、裏情報を教えてくれることもある。

そして今、中国語は趣味だけではなく、仕事でも役に立っている。

私は工場見学に来る中華圏のお客様の案内をすることがある。

特に台湾の方が来られた時には、中国語だけではなく、台湾語を交えて話すこともある。

すると、一気に距離が縮まる。

「あれ?台湾語話せるの?」

そう言って驚きながら笑顔になってくれる。

その瞬間が私は好きだ。

言葉は、単なるコミュニケーションツールではない。

“相手との距離を縮める力”なのだと思う。

昔、イタリアへ行った時のことだ。

当時、私はどうしてもiPhone4が欲しくて、現地で探し回っていた。

だが、困った。

イタリア語はもちろん、英語もほとんど話せなかったからだ。

そんな時、百貨店の中に中国人らしき店員さんがいた。

私は思い切って、中国語で話しかけてみた。

すると、通じた。

あの瞬間の安心感は、今でもよく覚えている。

たぶん、日本人が海外で偶然日本語を話せる人に出会った時の感覚に近いと思う。

「通じた!」

「分かってくれる!」

その瞬間、一気に不安が消える。

しかも面白いのは、それが“英語”ではなく“中国語”だったことだ。

私はあの時、本当に実感した。

中国語を話せるだけで、世界は一気に広がる。

もちろん、中国語を学ぶ上で「恋愛」もものすごくプラスになる。

これは中国語に限らず、外国語全般そうだと思う。

好きな人ができると、人は驚くほど勉強する。

「もっと話したい」

「もっと理解したい」

「笑わせたい」

「距離を縮めたい」

その気持ちは、どんな教材より強い。

そして、もう一つ大事なのが「スラング」だと思う。

もちろん、スラングは綺麗な言葉ばかりではない。

だが、使うタイミングを理解すると、一気に距離が縮まる。

「この人、本当に現地で話してるんだな」

そう感じてもらえる。

教科書だけでは、人との距離は縮まらない。

少し砕けた言葉、空気感、冗談。

そこに“生きた言葉”がある。

英語で考えると分かりやすい。

日本人は、中学校から大学まで含めると、10年近く英語を勉強している人も多い。

それだけ勉強しているのに、「話せない」と感じている人は少なくない。

私は、「試験のための勉強」になってしまっているからだと思う。

単語を覚える。

文法を覚える。

問題を解く。

もちろん、それも大事だ。

だが、本来言葉とは、“人と繋がるための道具”のはずだ。

実際の会話では、完璧な文法より、

「伝えたい」

「話したい」

「相手を理解したい」

という気持ちの方が大きい。

語学は、スポーツや武術に少し似ている。

本を読むだけでは強くならない。

実際に動き、失敗し、相手と向き合って、少しずつ身についていく。

外国語も同じだ。

最初から完璧に話せる人はいない。

だから私は、「間違えてもいいから使う」ことが大事だと思っている。

今の時代は本当に便利になった。

スマートフォンを開けば、翻訳アプリがある。

通訳機能もある。

最近では同時通訳までできる。

だから、外国語が話せなくても“なんとかなる”時代なのかもしれない。

だが私は、それだけでは足りないと思っている。

人間の言葉には、“魂”と“感情”が入っているからだ。

「伝えたい」

「聞きたい」

そう思った時、人は自然と一生懸命になる。

拙くてもいい。

文法が間違っていてもいい。

相手に伝えようとする。

相手の言葉を理解しようとする。

その行動そのものに、大きな意味があるのだと思う。

私は今でも、年に2〜3回、中国河北省へ八極拳を学びに行っている。

河北省は、歴史的に日中戦争とも深く関わった土地だ。

だから最初は、少し緊張していた。

だが私は、現地で一度も「日本人は嫌いだ」と言われたことがない。

もちろん、厳しい質問をされたことはある。

年配の方から、

「なぜ日本人は靖国神社を参拝するんだ?」

「なぜ福島原発の処理水を海へ流すんだ?」

そう聞かれたこともあった。

私は逃げずに、自分の言葉で説明した。

靖国神社を参拝するのは、日本人にとって“感謝”を伝える文化でもあること。

そして福島の問題については、科学的安全性が確認されていること。

ただ、日本国内でも反対意見はあり、メディアでは偏った報道も存在すること。

私は、自分が知っている範囲で、できるだけ正直に話した。

すると、そのおじいさんは最後に、こう聞いた。

「お前は中国が怖くないのか?」

私は笑いながら答えた。

「怖かったら、今ここにいませんよ。」

すると、その場が笑いに包まれた。

私はあの瞬間を、今でもよく覚えている。

結局、人と人なのだと思う。

国籍ではなく、政治でもなく、まずは目の前の人間同士。

そして、その“入口”になるのが言葉なのだと思う。

中国語検定試験も2級までは合格した。

だが、実は1級がまだ取れていない。

ここが今の自分の課題でもある。

50歳を過ぎて、普通なら「もう十分だろう」と思う年齢かもしれない。

だが私は逆に、50代になってからの方が「まだ成長できる」と感じている。

アインシュタインは、

「複利は人類最大の発明である」

という言葉を残したと言われている。

私は最近、この言葉は語学にも当てはまる気がしている。

毎日の小さな積み重ね。

覚えて、忘れて、また覚える。

その繰り返しが、10年後、20年後に大きな差になる。

武術も、投資も、中国語も、結局は同じなのかもしれない。

少しずつ積み上げる。

焦らない。

やめない。

50歳を過ぎても、人はまだ変われる。

だから私はこれからも、中国語1級合格に向けて、ゆっくり挑戦を続けていこうと思っている。

銀河のどこかにいる誰かと、いつか中国語で話せる日を楽しみにしながら。

銀河と共にあらんことを✨️🙏🏻。

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