SCM用語:WACC(ワック:加重平均資本コスト)
サプライチェーン・マネジメント(SCM)において、投資したシステムや機械が、ちゃんと効果を発揮しているかという視点は、会社の成長スピードと安定性を決める、非常に重要な要素です。
どんなに優れたシステムを導入しても、コストに見合ったキャッシュを生み出していなければ意味がありません。 その投資が成功したかどうかを測る「ハードル」として重要になるのが、WACC(ワック:加重平均資本コスト)という考え方です。
WACCとは、一言でいえば「会社が活動するためのお金を調達するのに、平均して何%のコストがかかっているか」を示す指標です。
この概念は、1950年代に経済学者が提唱した理論をベースに、現代経営の必須ツールとして発展しました。
会社がお金を集める方法は、大きく分けて二つあります。
銀行などから借りる「負債」と、株主に出資してもらう「自己資本」です。
銀行には利息を払い、株主には配当などを出す必要がありますよね。
この両方のコストを、金額の割合に応じて「平均」したものがWACCです。
SCMの全体最適において、WACCは非常に重要な「投資の判断基準」になります。
新しい物流システムや工場の設備を導入するときには、大きなお金が必要です。
その資金を準備するだけで、金利や配当といった「WACC分のコスト」が必ず発生します。
もし、新しい設備の利益率がWACCを下回るなら、その投資は「やればやるほど損をする」ということになります。
また、この「お金のハードル」は在庫(棚卸資産)にも存在します。
材料を仕入れてから製品が売れるまでの「リードタイム」が長いほど、お金が在庫として眠り続け、WACC分のコストを浪費してしまいます。
WACCが低いほど安くお金を借りられている証拠であり、逆に高いほど「より効率よく利益を出さないと、株主や銀行が納得しない」という厳しい状況を意味します。
SCMでは、常にWACCという「お金のハードルバー」を意識することが求められます。
・物流や在庫の改善によって、眠っているお金を素早く回収すること
・機械やシステムの投資で利益を生むこと
などで、WACCを超える利益を生む体質を作ることが、全体最適につながるのです。
