「できないことがあっても、大好きな気持ちは変わらないよ。」【後編】
前編では、
「できるようになってほしい」
という親の願いの奥には、
「この子に幸せになってほしい」
という、
深い愛情があることをお話ししました。
そして、
「できるようになること」と、
「愛されること」は、
別のものだということも。
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では、
「できないこと」に目が向いてしまった時、
私たちは、
どうしたらいいのでしょうか。
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私は、
「できないことを見ないようにする」
必要はないと思っています。
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できないことがあれば、
そこには、
子どもが困っていることがあります。
その困りごとに気づいて、
一緒に方法を探していくことは、
とても大切です。
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でも、
一つだけ、
忘れないでほしいことがあります。
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「できないことだけを、
その子のすべてにしない。」
ということです。
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例えば、
「一人で着替えられない。」
そんな時。
「どうしてできないんだろう」
と考えるだけではなく、
少しだけ、
見方を変えてみる。
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「この子は、
どんな服なら嫌がらないんだろう。」
「自分で服を選ぶのは好きかな。」
「好きな服なら、
少しやってみようと思えるかな。」
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すると、
「着替えができない子」
ではなく、
「できる方法を、
まだ一緒に探している子」
に見えてくることがあります。
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宿題も同じです。
「宿題ができない。」
そう思った時、
「どうしてやらないの?」
と責める前に、
「どんな問題なら取り組みやすい?」
「どこまでなら頑張れそう?」
「好きなことと組み合わせたら、
少しやってみられるかな?」
と考えてみる。
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すると、
見えてくるものが、
少し変わります。
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子どもを変える前に、
大人の見方を、
ほんの少し変えてみる。
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それだけで、
今まで見えていなかった
「その子らしさ」が、
見えてくることがあります。
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「落ち着きがない。」
そう思っていた子が、
実は、
好きなことには驚くほど集中できる子だったり。
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「こだわりが強い。」
と思っていた子が、
実は、
一つのことを深く追いかけられる子だったり。
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「話を聞いてくれない。」
と思っていた子が、
興味のあることなら、
驚くほどよく覚えていたり。
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困りごとの裏側には、
その子だけが持っている力が、
隠れていることがあります。
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だから私は、
「できないこと」を見て、
そこで終わりにしたくありません。
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その先にいる、
「この子自身」を見たい。
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好きなこと。
夢中になること。
自然にできていること。
嬉しそうな瞬間。
その子らしいこだわり。
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そこには、
その子がこれから進んでいくための、
大切なヒントがあるからです。
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そして、
もう一つ。
とても大切にしてほしいことがあります。
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それは、
子どもにかける言葉です。
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できなかった時、
「なんでできないの?」
と言われ続けると、
子どもはいつの間にか、
こんなふうに思ってしまうかもしれません。
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「できない自分はダメなんだ。」
「できない自分は、
お母さんを困らせるんだ。」
「もっと頑張らないと、
認めてもらえないんだ。」
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だからこそ、
結果だけではなく、
その子が見せてくれた姿を、
言葉にしてあげてほしいのです。
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「最後までやってみたね。」
「自分で考えてたね。」
「悔しかったね。」
「もう一回やってみようとしたね。」
「ちゃんと気持ちを教えてくれたね。」
「大好きなことを楽しんでたね。」
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そして、
時には、
もっとシンプルな言葉でいい。
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「できないことがあっても、
大好きな気持ちは変わらないよ。」
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この言葉は、
子どもの心にとって、
大きな安心になるのではないでしょうか。
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「できなくても大丈夫。」
「失敗しても大丈夫。」
「困ったら助けてもらっていい。」
「また明日やってみればいい。」
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そう思える場所があるからこそ、
子どもは、
もう一度、
挑戦することができます。
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そして、
この言葉は、
子どもだけに届けたいものではありません。
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毎日頑張っている、
お父さん、お母さんにも、
届けたい言葉があります。
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「もっと上手に子育てしなきゃ。」
「もっとできることを増やしてあげなきゃ。」
「私の関わり方が悪いのかな。」
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そんなふうに、
自分を責めてしまう日があるかもしれません。
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でも、
完璧な親じゃなくて大丈夫です。
怒ってしまう日があってもいい。
余裕がなくなる日があってもいい。
うまく関われない日があってもいい。
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今日、
子どものことを心配した。
今日、
子どもの笑顔を見つけた。
今日、
「この子、大丈夫かな」
と考えた。
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その一つひとつの中に、
ちゃんと、
子どもを大切に思う気持ちがあります。
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だから、
自分にも、
こう言ってあげてください。
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「今日もよく頑張ったね。」
「完璧じゃなくても大丈夫。」
「できない日があっても、
愛情がなくなるわけじゃないよ。」
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そして、
子どもにも。
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「できないことがあっても、
大好きな気持ちは変わらないよ。」
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子どもは、
できることが増えたから、
価値のある存在になるのではありません。
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何もできない赤ちゃんだった時から。
うまく話せなかった時から。
一人で何もできなかった時から。
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ずっと、
大切な存在です。
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だから、
成長を願っていい。
できることが増えたら、
思いきり喜んでいい。
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でも同時に、
「できるようになる前の今」も、
大切にしてほしい。
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今日、
好きなものを見つけて笑っていた顔。
大好きな遊びに夢中になっていた姿。
家族に甘えてきた瞬間。
何気なく見せてくれた笑顔。
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もしかすると、
私たちが「成長」と呼んでいなかっただけで、
そこにも、
たくさんの成長があるのかもしれません。
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子どもの成長を願うことと、
今の子どもを愛すること。
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この二つは、
どちらか一つを選ぶものではありません。
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両方あっていいんです。
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「できるようになってほしい。」
そう願っていい。
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でも、
その願いの隣に、
もう一つの言葉も、
そっと置いておいてほしい。
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「今のあなたも、大好きだよ。」
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できないことがあっても、
大好き。
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失敗しても、
大好き。
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ゆっくりでも、
大好き。
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泣いていても、
怒っていても、
うまくいかない日があっても、
大好き。
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その安心が、
子どもの心に、
少しずつ根を張っていく。
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「僕は、このままで大丈夫。」
「私は、失敗しても大丈夫。」
「困った時は、助けてもらっていい。」
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そんなふうに思えるからこそ、
子どもは、
自分のペースで、
また一歩を踏み出せるのだと思います。
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私は、
子どもを「できるようにする人」だけではなく、
その子の素敵なところを、
一緒に見つけられる人でありたいと思っています。
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もし今、
「できないことばかり気になってしまう」
という方がいたら、
今日は一つだけ、
お子さんの「素敵」を探してみてください。
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好きなもの。
夢中になっていること。
嬉しそうな顔。
優しさ。
面白いところ。
その子らしいこだわり。
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小さくていい。
一つでいい。
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「そういえば、
この子のここが好きだったな。」
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そんな瞬間が一つ見つかったら、
それだけで十分です。
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できることを増やすことも大切。
困っていることを減らすことも大切。
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でも、
その子の「素敵」を見つけることも、
同じくらい大切です。
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子どもの成長を、
一緒に喜びながら。
子どもの困りごとを、
一緒に考えながら。
そして、
その子自身を、
そのまま大切にしながら。
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今日より少し、
明日が楽しみになる子育てを。
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一人で悩まなくて大丈夫。
困った時は、
いつでも一緒に考えましょう。
