「できないことがあっても、大好きな気持ちは変わらないよ。」【前編】
子どもが生まれた日。
きっと多くの親が、
「元気に育ってくれたら、それでいい。」
そんな願いを抱いたのではないでしょうか。
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小さな手を握りながら、
「この子が毎日、笑顔で過ごせますように。」
そんなことを思ったかもしれません。
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でも、
子育てが始まると、
少しずつ、
願いが増えていきます。
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「一人で着替えられるようになってほしい。」
「お友達と仲良く遊べるようになってほしい。」
「ちゃんと座って話を聞けるようになってほしい。」
「自分の気持ちを言葉で伝えられるようになってほしい。」
「この先、困らないようになってほしい。」
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どれも、
親として自然な願いだと思います。
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特に、
子どもの発達が気になり始めると、
「できるようになってほしい」
という気持ちは、
ますます強くなることがあります。
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周りの子ができていることが、
自分の子にはまだ難しい。
園や学校から、
「もう少し○○できるといいですね。」
と言われる。
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すると、
「私がもっと頑張らなきゃ。」
と思ってしまうことがあります。
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朝から着替えを促して、
食事を手伝って、
忘れ物がないか確認して、
宿題を見て、
できなかったことを練習して。
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一日が終わる頃には、
親もクタクタです。
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それでも、
「もっとやってあげないと。」
と思ってしまう。
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そんな毎日の中で、
ふと、
こんな気持ちになることがあります。
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「できないことばかり見てしまっている気がする。」
「この子のことを、ちゃんと見てあげられているのかな。」
「できるようにならないと、喜んであげられない自分はダメなのかな。」
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もし、
そんなふうに感じたことがあるなら、
どうか自分を責めないでください。
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「できるようになってほしい」
と思うことは、
子どもを否定しているからではありません。
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その奥には、
「この子が困らないでほしい。」
「少しでも楽に生きてほしい。」
「毎日を笑顔で過ごしてほしい。」
という、
親の愛情があります。
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だから、
子どもの成長を願っていい。
できることが増えたら、
思いきり喜んでいい。
昨日できなかったことが、
今日できたなら、
「すごいね!」
と一緒に喜んでいい。
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でも、
その一方で、
覚えておいてほしいことがあります。
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それは、
「できるようになること」と、
「愛されること」は別だということ。
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子どもが、
一人で着替えられなくても。
宿題がなかなか進まなくても。
お友達とうまく遊べなくても。
気持ちを上手に伝えられなくても。
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その子の価値が、
小さくなるわけではありません。
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できるようになったから、
大切なのではありません。
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できなかったから、
大切ではないわけでもありません。
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できない日も、
その子は、その子。
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失敗した日も、
その子は、その子。
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泣いている時も。
怒っている時も。
思い通りにならない時も。
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大切な、
あなたの子どもです。
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私は、
発達支援の現場で、
たくさんの子どもたちと関わってきました。
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できるようになった瞬間に、
嬉しそうな顔を見せる子。
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うまくできなくて、
悔しそうにする子。
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何度やっても難しくて、
「もうやらない。」
と言う子。
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そんな姿を見ていると、
子どもの成長は、
「できた・できない」だけでは
測れないものが、
たくさんあると感じます。
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例えば、
昨日は泣いてしまった場面で、
今日は少しだけ我慢できた。
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それも、
その子にとって大切な成長です。
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いつもなら、
助けを求められなかった子が、
「手伝って。」
と言えた。
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それも、
大きな一歩です。
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そして、
何より大切なのは、
「できるようになる前の今」も、
その子にとって大切な時間だということ。
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私たちは、
つい未来を見ます。
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「いつか一人でできるようになってほしい。」
「いつか困らなくなってほしい。」
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もちろん、
その未来を願うことは素敵です。
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でも、
未来のために頑張るあまり、
目の前にいる子どもの「今」を、
見落としてしまったら。
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少し、
もったいないのかもしれません。
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今日、
好きなものを見つけて、
嬉しそうにしていた顔。
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大好きな遊びに、
夢中になっていた姿。
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家族に甘えてきた瞬間。
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ふと見せてくれた笑顔。
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「見て!」
と嬉しそうに教えてくれたこと。
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何気ない毎日の中にある、
そんな小さな瞬間。
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そこにも、
大切な「成長」があります。
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そして、
そこには、
こんなことを思える瞬間もあります。
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「この子は、
この子のままで、
大切なんだ。」
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子どもの成長を願いながら、
今の子どもを愛する。
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その二つは、
どちらか一つを選ぶものではありません。
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両方あっていいんです。
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「できるようになってほしい。」
そう願っていい。
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「もっと楽に過ごせるようになってほしい。」
そう願っていい。
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そして同時に、
「できなくても、
あなたのことが大好きだよ。」
と伝えていい。
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むしろ、
その両方を伝えてあげてほしい。
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「できるようになったら、
もっと好きになる。」
ではなく、
「できても、できなくても、
あなたのことが大好きだよ。」
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子どもにとって、
それ以上に安心できる言葉は、
きっとありません。
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そして、
その言葉は、
子どもだけではなく、
頑張っている親自身にも、
必要なのかもしれません。
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「ちゃんとできない私でも、
この子を愛していい。」
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「今日うまくできなかった私も、
この子にとって大切な親なんだ。」
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そんなふうに、
親自身も自分を許せるようになったら、
子育ては、
ほんの少しだけ、
優しくなるのかもしれません。
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子どもに、
「大丈夫だよ。」
と伝えるように。
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親自身にも、
「大丈夫だよ。」
と伝えてあげてください。
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あなたも、
お子さんも、
できることだけで
価値が決まる存在ではありません。
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できないことがあっても、
大好きな気持ちは変わらない。
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そのことを、
どうか忘れないでいてください。
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後編では、
「できないこと」に目が向いてしまった時に、
どうすればもう一度、
その子の「素敵なところ」に
目を向けられるのか。
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そして、
子どもに、
どんな言葉を届けていけばいいのか。
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「できるようにする子育て」だけではなく、
「この子の今を大切にする子育て」
について、
一緒に考えていきたいと思います。🌿
