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【未来への投資💛】設備投資の増加と不足感の背景🏭マクロ経済学・投資理論の視点より🌏:2026年版中小企業白書 No.16

2026年版中小企業白書を丁寧に
読み解いていく講義シリーズ📘
今回のテーマは、中小企業の「設備投資動向」です。

前回は、原材料や仕入価格の上習分を
販売価格に転嫁しきれていない中小企業の
「苦境と二極分離」について解説しました💦
収益面では依然として厳しい状況が続いています。
しかし、そうした足踏み感の中でも、中小企業は
決して手をこまねいているわけではありません。

引き続き中小企業白書のデータを用いながら
中小企業が次なる成長に向けて
どのような投資行動を起こしているのか
さらにこれが試験の他科目とどのように
結びついているのかを整理していきましょう!

設備投資額の推移にみる「足元での増加傾向」

まず、企業規模別による「設備投資額の推移」
(以下、図1)を確認してみましょう👍

グラフでは「大企業(水色線)」
「中規模企業(橙線)」「小規模企業(赤線)」の長
期的なトレンドが示されています。

出所:中小企業庁

✅①大企業との水準差と、足元の回復
投資の絶対額で見ると、中小企業・小規模事業者の
設備投資額は大企業(25.7兆円)と比較して
低い水準にとどまっています📝
しかし、注目すべきは直近の動きです!

✅②中規模・小規模ともに増加傾向へ
2024年度のデータを見ると
中規模企業は14.2兆円、小規模企業は5.0兆円へと
いずれも足元で増加傾向に転じています👍
物価高や人手不足という厳しい外部環境にありながらも
省力化や効率化、あるいは新たな販路開拓に向けた
投資が活発化していることが伺えますね📈

生産・営業用設備判断DIにみる「非製造業の不足感」

続いて、企業が現在の設備量をどう捉えているか
という評価を示す「生産・営業用設備判断DIの推移」
(以下、図2)に目を向けましょう🔍

このDIは「設備が過剰」と答えた企業の割合から
「不足」と答えた企業の割合を引いたものです。
そのため、グラフが下(マイナス圏)に行くほど
現場では「設備が足りない」と感じていることを
意味しているという点を覚えておいてください👍

出所:中小企業庁

①非製造業で際立つ不足感
グラフの最も低い位置を推移しているのが
「中小企業 非製造業(赤線)」です。
足元でマイナス圏での推移が続いており
製造業(橙線)と比較しても
設備不足感が顕著になっています。

②サービス需要の回復と投資の遅れ
コロナ禍以降の対面型サービスやインバウンドなどの
需要回復に対して、人手不足を補うための省力化設備や
ITシステム、店舗設備などの導入が追いついていない
非製造業のリアルな現場環境が、この強い不足感に
現れているのではないでしょうか。

経済学・経済政策への繋がり:景気を左右する「投資の決定理論」🌟

中小企業が厳しい環境下でも投資を増やし
特に非製造業で設備不足を感じているという現状は
マクロ経済学の財市場分析(IS曲線)における
民間設備投資関数に紐付くモデルそのものです。

試験で確実に得点できるよう、数式モデルを
用いて論理的に脳内整理していきましょう🧠

①数式で見る(投資関数)の構造

マクロ経済学において、民間設備投資$${I}$$は
国民所得$${Y}$$と名目利子率$${i}$$を用いて
次のような関数モデルで表されます。

$${\text{投資関数: } I = I_0 + bY - ci}$$

ここで各変数の持つ意味は以下の通りです。

  • $${I_0}$$:(独立投資)(現在の所得や利子率に関わらず、将来への期待や技術革新などで自発的に行われる投資)

  • $${b}$$:投資の所得感応度 ($${b > 0}$$、所得や需要が増えたときにどれくらい投資を増やすかを示す割合)

  • $${c}$$:投資の利子感応度($${c > 0}$$、利子率が上がったときにどれくらい投資を控えるかを示す割合)

②独立投資と需要変化が利上げの逆風に勝るメカニズム

現在の日本経済は、金利が上昇局面
(利子率$${i}$$の上昇)にあります🏦

上式において、$${-ci}$$のマイナス項目が
大きくなりますので、理論上
投資$${I}$$は理論上、減少するはずです。

しかし、なぜ白書データ(図1)では
投資額が増加しているのでしょうか。

その理由は、残りの2つの要素が
$${-ci}$$の減少分を大きく上回っている
と考えられるからです。

①独立投資($${I_0}$$)の底上げ
人手不足を解消するための省力化投資(セルフレジ等)
やDXを目的としたデジタル投資は
金利が多少上がったからといって
止めるわけにはいかない不可避の投資です。
この構造変化が独立投資$${I_0}$$自体を
大きく押し上げていると考えても良いでしょう!

②投資の所得感応度($${bY}$$)の上昇
コロナ禍からの回復により、特に非製造業で
需要(国民所得$${Y}$$)が増加しました!
マクロ経済学における加速度原理にも基づくように
需要の変化の大きさが投資意欲を
強烈にプッシュしている要因も考えられます!

資本ストック調整原理による設備不足の数式化

図2で示された非製造業の強い設備不足感は
資本ストック調整原理の数式モデルで説明できます。

企業の各期における最適な設備量を$${K^*}$$
現在の実際の設備量を$${K}$$とすると
必要となる設備投資$${I}$$は
以下の関係式で表されることになります!

$${\\ \text{投資決定モデル: } I = \alpha (K^* - K)}$$
※$${\alpha}$$:調整速度($${0 < \alpha < 1}$$
ギャップをどれくらいの速さで埋めるかを示す係数)

現状の分析と理論を結びつけてみましょう!
非製造業の設備判断DIが大幅なマイナスである
ということは、分母となる現実の設備量$${K}$$に
対して、需要急増に伴う最適な設備量$${K^*}$$が
相対的に大きい、つまり$${(K^* - K) > 0}$$の
ギャップが存在している状態を意味します。

この数式が示すギャップの大きさが原動力となり
足元の設備投資額($${I}$$)の力強い増加を
引き起こしていると理論上解釈できます👍

今回の講義のまとめは以下の通りです✨

  • 中小企業・小規模事業者の設備投資額は、大企業より低い水準ながらも、足元では増加傾向で推移しています。

  • 生産・営業用設備判断DIでは非製造業の不足感が目立っており、需要の回復と人手不足への対応に迫られている現状が見て取れます。

経済学の数式モデルの通り、需要の変化と
不足感のギャップが企業の投資を動かしています。
このようにマクロ経済学の理論に基づく知識や
モデルを活用した視点を持つことで
個々の企業の投資計画をより幅広い観点から
適切に分析できるようになりますね🔥


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免責事項・留意事項
本記事は、中小企業庁公表の「2026年版中小企業白書(概要等)」を基に、学習および情報提供の目的で作成されたものです。
掲載されている情報の正確性、完全性、最新性、または特定の目的への適合性について、著者は一切の保証をいたしません。

各種制度、統計データ、法律等の詳細については、必ず中小企業庁ほか関係官庁が公表する一次情報(原典)を直接ご確認ください。
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