「自転車が好き」から、その先へ。60代で北海道認定ガイドに挑戦してみた
このたび、北海道知事認定「北海道アドベンチャートラベルガイド」サイクリング部門の認定ガイドになることができました。

手元に届いた認定証を眺めながら、素直に「うれしいな」と感じています。認定日は2026年8月6日。認定分野には「サイクリング」と記されています。
ただ、今回の資格取得は、私にとって単に「資格が一つ増えた」ということではありません。
60代になった今でも、知らないことを学び、試験を受け、新しい世界へ一歩踏み出せる。
そのことを実感できた挑戦でもありました。
思っていた以上に大変だった資格取得
「サイクリングのガイドなら、自転車の知識や経験があれば大丈夫だろう」
最初は、どこかにそんな気持ちがあったかもしれません。
しかし、実際に取り組んでみると、それだけではありませんでした。
特に苦労したものの一つが、WAFA(上級救命講習)です。
アウトドアでは、街中とは違い、何か起きても救急車がすぐに到着できるとは限りません。
ガイドには、お客様を楽しませることだけでなく、万一のときに状況を判断し、適切に行動する力も求められます。
「安全に帰っていただくところまでがガイドの仕事」。
講習を受けながら、そんな当たり前だけれど大切なことを、改めて考えさせられました。
過去問がない!アウトドア検定との格闘
もう一つ苦労したのが、アウトドア検定の学科試験でした。
何が大変だったかというと、過去問がないことです。
資格試験の勉強では、「まず過去問を解いて出題傾向をつかむ」という方法が一般的ですが、それができません。
「いったい、どこまで勉強すればいいんだろう?」
そんな不安を抱えながら、必要と思われる分野を一つひとつ勉強していきました。
若いころの試験勉強とは、少し感覚も違います。
覚えたつもりでも忘れる。
もう一度読み直す。
また覚える。
その繰り返しです(笑)。
それでも、試験という明確な目標があると、不思議と勉強を続けられるものです。
そして振り返ってみれば、合格するために勉強した時間そのものが、これからガイドをするうえでの財産になったように思います。
「自転車に乗る」から「北海道を伝える」へ
私はこれまで、自転車やサイクリングに長く関わってきました。
しかし今、私が興味を持っているのは、単に自転車で走ることだけではありません。
北海道、特に道南には、素晴らしい自然があります。
そこには火山があり、海があり、湖があり、森があり、そしてその自然とともに歩んできた人々の歴史や暮らしがあります。
自転車は、それらをつないでくれる、とても面白い乗り物です。
車では通り過ぎてしまう風景にも気づく。
歩くよりも少し遠くまで行ける。
風や匂い、気温の変化まで感じながら、その土地を旅することができます。
だからこそ、これからは、
「ここを走ると気持ちいいですよ」
だけではなく、
「なぜ、この風景がここにあるのか」
「この自然と地域の暮らしは、どうつながっているのか」
そんな話までできるガイドになりたいと思っています。
Kemmotsu's View
60代になって感じるのは、これまで経験してきたことが、意外なところでつながり始めるということです。
仕事で身につけたこと。
人と接してきた経験。
自転車に関わってきた経験。
英語の学び直し。
そして、北海道の歴史や自然について新しく学んでいること。
若いころには、それぞれ別々のものに見えていました。
ところが人生後半になると、それらが少しずつ一本の線になってきます。
これまでの経験 × 新しい学び
この掛け算には、年齢はあまり関係ないのかもしれません。
むしろ長く生きてきたからこそ、新しく学んだことを結びつけられる「材料」がたくさんあります。
今回の資格取得も、その一つだと思っています。
私はまだ、完成したガイドではありません。
むしろ、ここからが勉強の始まりです。
だからこそ面白い。
60代になっても「次は何を勉強しようか」と思えること自体が、人生後半を楽しむ一つの方法なのではないかと感じています。
次は「自然」、そして「スルーガイド」へ
今回、サイクリング部門の認定を受けましたが、これで終わりにするつもりはありません。
次に目指したいのが、自然部門ガイドです。
サイクリングで地域をご案内するときにも、自然についての知識は欠かせません。
植物、地形、火山、野生動物などについて、もっと体系的に学んでいきたいと思っています。
そして、その先にはスルーガイドへの挑戦も考えています。
一つの場所だけを案内するのではなく、旅全体に寄り添いながら、北海道の自然、歴史、文化、人々の暮らしをつないで伝える。
そこに英語も掛け合わせることができれば、これまで学んできたことがさらに一つにつながっていきそうです。
サイクリング × 自然 × 北海道 × 英語。
まだまだ道半ばです。
でも、60代の挑戦は、完成を急がなくてもいいのかもしれません。
一つ学べば、また知らないことが見えてくる。
その「知らないこと」を楽しみながら、次の一歩を踏み出していきたいと思います。
そしていつか、北海道を訪れた方に、
「北海道を旅してよかった。そして、この人に案内してもらってよかった」
そう思っていただけるガイドになることが、今の私の目標です。
