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【IR説明会/Q&A書き起こし】2026年2月2日(月)株式会社property technologies(証券コード:5527) IR説明会 ご登壇者:代表取締役社長CEO 濱中 雄大 様/取締役CFO 松岡 耕平 様


2月2日(月)に湘南投資勉強会にて開催されました、株式会社property technologies(証券コード:5527) の IR説明会の書き起こし記事になります。当日の雰囲気などを知りたい方は是非アーカイブ動画をご視聴ください!

冒頭の挨拶

皆さん、こんばんは。株式会社property technologies代表取締役社長の濱中雄大でございます。本日はお時間をいただきまして、誠にありがとうございます。湘南投資勉強会様でのIR説明会は本日が初めてとなります。どうぞよろしくお願いいたします。当社のことを初めてお聞きになる方もいらっしゃると思いますので、本日は、当社概要と、社長である私の自己紹介も少しさせていただければと思っております。また、中期経営計画の最終年度となる本年度の業績予想などについてもご説明したいと思います。

代表取締役社長CEO 濱中雄大氏の経歴紹介

まず初めに、私は1988年、昭和63年に新卒で大手の不動産会社に入社しました。今、当社はどちらかというと実需の不動産の販売会社として事業を行っておりますが、私が当時入社した会社はどちらかと言えば投資向けの一棟のアパートや一棟のマンションの販売を行っておりました。販売したものを管理させていただき、20年、30年と家賃を保証しつつ事業を行っていた会社です。

この1988年という時代は、皆様ご存じの通り、まだバブルの真っ盛りでして、そこからどんどん土地が高騰していきました。日本もいろいろな規制がかかってきだしたという時期です。この会社も売上が倍増、倍増ということで、当時は厳しい中にも楽しさがあったのですが、土地の総量規制が始まり、バブル崩壊がありまして、税制面も変化を起こしてきた時代でした。そういったところを経験しつつ、それまでは一棟もののアパートを投資家に向けて販売するという事業から、土地の有効活用という形に一気に業務転換するということを経験しました。その頃、私は28歳ぐらいで支店長になりました。当時は全国に約5、60店舗ありましたが、北海道から沖縄まで土地の有効活用を推進していくという時代で、私は営業本部長という立場で、全国の主要都市に支店を立ち上げるという業務をやってまいりました。

元々自分でやりたいという思いが強く、2000年に、不動産業を選び、当社の前身であります株式会社ホームネットを設立しました。ホームネットは、property technologiesの中核をなす会社です。当時34歳でした。ちょうどホームネットも昨年の12月で25周年を迎えまして、私も還暦となりました。そういう中で約37年間、この不動産業でやってきた経験を生かして、このproperty technologiesを今後とも発展させていきたいと思っております。

会社概要

この後は、会社概要、事業概要、中古住宅事業の成長性と特徴、成長戦略、2025年11月期の決算概要、2026年11月期の業績予想、そして最後に株主利益の追求という順番でご説明を差し上げます。

まず当社グループですが、上場しておりますproperty technologiesは純粋持株会社です。事業は大きく分けますと、「中古マンション」と「戸建・注文住宅」の2つになります。特に、中古マンションは効率的に売上・営業利益を稼げており、さまざまな過去のデータをテクノロジーの力を使ってビジネス展開をしております。事業構成としては中古マンションが売上・営業利益の8割程度を稼いでおり、今後の成長を担っていきます。戸建・注文住宅はベース収益を安定的に稼いでおります。

次のスライドについて説明します。「ホームネット」は中古区分マンションを仕入れて、リノベーションを施して、主に自分が住むために購入する、実需のお客様へ販売しております。一般的に買取再販と呼ばれており、年間の販売件数は昨年度が1,302件で、全国第3位という規模感です。戸建の2社はそれぞれ買収によりグループ入りした企業で、「サンコーホーム」は秋田県のビルダーで、着工棟数で17年連続ナンバーワンを獲得しております。「ファーストホーム」も山口県内有数のビルダーです。売上、引渡戸数、営業利益はご覧の通りです。

続いてグループの沿革です。先ほどお話した通り、2000年にホームネットを設立しまして、中古住宅再生事業を始めたのが2010年からです。現在、約15年の歴史があります。社内DXについては、2013年からいろいろな効率を考えた営業スキームを取り組み始めまして、2020年からは、過去のデータを含めたところでAIによる査定を開始しました。2022年12月に東証グロース市場に上場いたしまして、そこから今期が4期目です。

次に、これまでの歩みと現状を業績面でお話しします。主力事業である中古マンションは、取扱量を増やすことで上場を果たすことができました。その後、10数年ぶりとなる金利上昇をきっかけに、2023年度はやや足踏みをすることになりましたが、現在は3か年の中期経営計画の最終年度として、再度の業績拡大に取り組んでいるところです。

2023年度は若干業績が悪化した局面がございました。その結果を踏まえて、ビジネスの「量」に加えて、とにかく「質」を高めて利益を獲得していく方向へと、舵を切ったのが2024年度期首です。市場環境に応じて、中期経営計画当初の2年間は質を重視する戦略に転換して、事業基盤の整備に努めてまいりました。その結果、最終年度である本年度期首の時点で、利益ベースでは中期経営計画の目標値を見据えられる水準まで到達しています。こうした質の向上に向けた取り組みと、本年度の業績予想について、後ほど、詳しくご説明いたします。

事業概要

続きまして、事業概要です。主力の中古マンションの販売では、2つの商品を扱っています。1つ目は「スタンダードマンション」。主にファミリー層を対象とし、初めてご自宅を購入される方に向けた商品です。こちらの写真がリノベーション前、こちらがリノベーション後です。室内に関しては新築同様のクオリティに再生して販売しています。

皆さんご存じの通り、新築マンションの価格がどんどん高騰しておりまして、なかなか一般的なサラリーマンにとって購入のハードルが上がる中、中古物件が注目を浴びています。当社では新築時よりも使いやすい間取りや生活動線にリノベーションして提供しています。当社は全国展開をしておりまして、東京では2LDK・55平方メートル、地方都市では3LDK・70平方メートルが主力で、販売価格の平均価格は3,200万円程度です。

ホームネットでは、中古マンションを主に仲介会社様から情報をいただきながら仕入れ、リノベーションをした後、再度、仲介会社様経由で販売します。札幌から沖縄までの主要な15都市には全て出店しています。当社の強みは、地元に根付いた仲介会社様の協力を得ながら売買しているということです。現在、同業他社もどんどん参入されていますが、地方都市に積極展開している点が当社の一番の特徴です。

また、初めて自宅を購入される、いわゆる「一次取得者」層の需要は、安定的かつ相応の規模があるため、ビジネスとしてはかなり安定しています。

もう1つの商品が、「プレミアムマンション」です。こちらは先ほどご説明した、初めて買われる方ではなく、当社が15年間培ってきた実績やノウハウを活かして、写真にあるようなロケーションや眺望に優れた、唯一無二の高級マンションを、限られた国内外の富裕層に提供しています。現在は東京が中心ですが、当社が拠点を持つ横浜・大阪・京都・福岡でも展開しておりまして、平均販売価格は約5億円です。プレミアムマンションは、現在の中期経営計画内で商品ラインの拡充施策として始めたものです。当社の強みである資金調達力および情報を集めるネットワーク力を活用し、垂直立ち上げをしてまいりました。現在では、このような高級マンションの仕入事業者としての地位を着実に築いており、本年度は初めて通期での売上計上を見込んでおります。

中古住宅再生事業の成長性と特徴

続いて、中古マンション再生事業の成長性と特徴についてご説明します。まず中古マンション市場は、直近5年間で年平均約6%の成長を続けております。業界紙のデータによりますと、買取再販市場は5年間で年平均9.3%と、かなり高い割合で成長している市場です。一方で、全国の新築マンションの供給戸数は、同じ5年間を比較しますと、約3.4%の減少となります。新たにマンションを建てられる土地が限られてきていることと、新築に関わる建築費のかなりの高騰、すなわち2倍以上の建築費になってきておりますので、今後のマンション需要は中古市場に向けられることが想定されると考えております。

続きまして、当社の特徴の一つ、事業展開についてご説明いたします。当社は戸建を中心に取り扱っている子会社を含めますと、北海道から沖縄まで、全国17都道府県で事業を展開しています。取引させていただいている仲介会社様は7,500社余りにのぼります。例えば1社の仲介会社様が渋谷にも新宿にも支店を持っているため、拠点数では1万を超え、営業担当者は約3万人です。これらのデータは、当社グループのシステムに登録しており、さまざまなテクノロジーを駆使してデータ管理を行っております。どの仲介会社様から、いつ、どこの、どの物件を、どの仲介会社様からいただいた情報で成約に至ったのか。そういったところまで当社のデータベースに蓄積されていきます。日々刻々のことなので、膨大な件数のデータベースを持っているということになります。

売上や営業利益に関する数値にも、全国ネットワークを持っている当社の強みが表れています。ここが、冒頭でもお話した、同業他社と大きく違うところです。同業他社の多くは首都圏に集中して事業を行っておりますが、当社はこのスライドに出している関西圏およびそれ以外の地方都市が6割強を占めています。これが当社の特徴的なところですが、短期的な「需給の波」を吸収できる、いわゆる「ポートフォリオ効果」ということで考えますと、地方都市を含めてバランスよく今後も成長させていくことで、リスクヘッジをしています。

次に、社名にもテクノロジーを掲げております通り、当社は2020年から不動産価格の査定にAIを導入し、力を入れております。このAI査定には3つの特徴があります。

1つ目は、成約価格を採用している点。これが他社にない、当社の強みです。一般的なAI査定では、Webサイト上や紙の広告媒体に掲載されている売出価格が使われております。当社では、そういった一般的な不動産AI査定とは違います。年間約1,500件の仕入を行い、また1,300件販売しており、合わせて約3,000件近い販売をリアルに行っています。つまり、売出価格ではなく、実際の成約価格を積み重ねてきているのです。これを、AI査定に組み込むことによって、テクノロジーを用いて、より正確な数字を出せるというところが、最も大きな特徴です。2つ目に、取引事例を比較する際に、エリアの定量評価を取り入れておりますので、比較対象としてふさわしい事例を選択することができます。3つ目は、一見、不動産価格に直接影響しそうにないデータ、例えばその地域の人流データといった相関や感度の分析も随時行っております。そういったところで精度の向上に努めております。以上のように、データを駆使して事業を行っております。

成長戦略の説明

成長戦略についてご説明します。スライドにあります通り、大きく3つの柱があります。

1つ目がリアルビジネスの強化です。当社はホームネットで2010年から中古マンションの買取再販を行い、安定した収益基盤を築きました。ただ、ライフスタイルはどんどん変化しており、お客様のニーズは、今後もますます多様化していくと思います。このニーズに、しっかりと答えていくことで成長を果たしてまいります。

2つ目が、先ほどお話したデータ・テクノロジーによるビジネスの質的向上です。特に昨今、AIを用いた合理化がビジネスに必須となっておりますが、社内的にも、AIと人間、それぞれの得意分野を明確に分けて対応することによって、より良い商品や、より優れたサービスを提供する体制を整えております。3つ目が、データ・テクノロジーのマネタイズ促進です。これは先ほどお話しした使い方とは、また違ったものです。当社で蓄積したデータを使って、今後、金融機関向けの「KAITRY finance」など、SaaS型収益の拡大に取り組んでまいります。こちらにつきましては、後ほど詳しくご説明いたします。

「厳選仕入」の取り組み

続いて、当社の成長戦略の一端を担う、取り組みについてお話しします。

1つ目は、中古マンション仕入に導入した「厳選仕入」です。これは、冒頭でご説明したように、2022年に上場し、2023年にやや苦戦を強いられた結果を踏まえた取り組みです。背景には、コロナ禍で在宅勤務が増えたことにより、自宅を購入したいという需要の高まりがありました。当時は、緊急事態宣言等々があり、通勤回数が減り、働き方もリモート中心に変化したことで、部屋数の多さや部屋の広さが重要視されました。「2LDKより3LDK」「郊外で、駅から多少、距離が離れていても広い物件」というニーズが強かったのです。

その後、コロナが収まって、出社するスタイルに戻ると、やはり通勤の利便性を求めて都心中心部への需要が再び高まりました。そして、自宅購入の需要が落ち着き、在庫が増加したのが2023年度でした。同業他社の在庫量も一気に増えた年です。

こうした環境に対応し、2024年から、ご購入を検討されている方々に、より多くの物件を提供するため、拠点ごとの仕入の基準を過去の取引データに基づいて明確化し、仕入の際に徹底する取り組みを始めました。これが厳選仕入です。各拠点で「どの地区か」「駅から何分か」「どの階層か」といった条件別の売れ行きデータを全て出して、それに基づいて仕入物件を絞り込む。当社では、これを厳選仕入と呼んでいます。

約2年間、厳選仕入を行ってきた成果がこちらのスライドです。左の棒グラフは、リフォーム工事から販売までに費やした平均期間の推移を表しています。リノベーション済みの中古マンションは、販売開始から日数の経過に伴い、値下げをしなければ、引き合いが少なくなる傾向が強くあります。これは当然、競合物件の数にも比例します。逆に、販売期間が短くなると、価格を下げずに売れますので、粗利率が上がります。グラフの通り、前年度第4四半期では、販売期間が短くなっています。実は中期経営計画の最終年度である今期の業績目標を意識しておりましたので、保有期間が長期化した在庫の販売を徹底強化しました。そのため本来であれば、販売期間は、より長期化するはずでしたが、その影響も含めた平均の販売期間は逆に短くなっています。これは、厳選仕入により、短期間で売れるようになった結果だと捉えています。

右側の棒グラフは、販売1件あたりの粗利単価の推移を表しています。厳選仕入により、各拠点の中心部にある物件の仕入が増え、結果として販売単価が上昇し、粗利の単価も上がっています。粗利の単価が上がっても、仕入販売に要する人件費や固定費の負担は変わりませんので、1件あたりの利益は増加します。結果として、営業利益率を押し上げ、利益を出しやすいという効果が得られたと考えています。

商品多様化とプレミアムマンション

続きまして、リアルビジネスの強化の一環として取り組んでいる、商品の多様化についてご説明します。先にお話しした通り、現中期経営計画内で商品ライン拡充施策として「プレミアムマンション」の取り扱いを開始しました。中期経営計画を作った時点では、地方店への出店を年間2、3店舗ずつ増やしていくつもりでした。ですが、お客様の需要の多様化や、ライフスタイルの変化に合わせることにし、出店は約2年間止めました。その代わりに新しく作った施策が、このプレミアムマンションです。現状では、眺望を核として、ロケーションや内装の組み合わせで、唯一無二、なかなか他にない住まいの提供に成功しています。現在、販売している、眺望に特化した物件が第1弾で、今後は複数のコンセプトに基づく商品企画を進めているところです。

データ・テクノロジー関連サービス

次に、今後の成長につながるテクノロジー関連サービスをご紹介します。沿革のところでお話ししましたが、当社では2013年から社内DXを推進し、2020年から導入したAI査定は、仕入価格査定を容易にし、仲介会社様からの価格の照会に速やかに対応できる仕組みになりました。これにより、最も大きな影響が出たのは、社内の営業担当者です。効率の向上に大きく寄与しております。

物件をご紹介いただくと、通常は営業担当者が査定金額を算出し、「当社はこの金額なら、この物件を購入できる」という価格を回答する作業を行います。従来は2、3日かかっていましたが、過去のデータや、現在売りに出ている物件情報などをすべてAIに取り込むことにより、最短5秒で価格の基準値を社内の営業担当者に提示してくれます。その結果、仲介会社様に対しても、速い場合は約30分後には買取金額の回答ができるようになりました。これがAIを導入したことによる、大きな変化です。

もう1つは、このサービスをSaaSプロダクトとして提供し、毎月利用料をいただいています。仲介会社様に本サービスをご提供することで、仲介会社様がエンドのお客様から「いくらぐらいで売れるのか」という相談を受けた際に、迅速に回答できます。仲介会社様に当社の「HOMENET Pro」に入会いただき、AI査定サービスをご利用いただくことで、月額利用料を頂戴するというSaaSプロダクトです。

さらに、「KAITRY finance」というサービスもございます。ホームネットは全国の地方銀行様を含め、86の金融機関様と取引がありますが、そのうち8行の金融機関様に本サービスを導入いただいております。金融機関様ごとに特性や用途が異なりますが、例えば、みずほ信用保証様では、住宅ローンの査定に活用いただいているほか、不動産取引における代表者様保有不動産の査定など、さまざまな用途でご利用いただいております。各金融機関様のニーズに合わせてカスタマイズを行い、「KAITRY finance」として仕組みを提供し、毎月課金していただいているという、金融機関特化型のSaaSプロダクトです。

最後に、データ・テクノロジーの展開についてご説明させていただきます。データサイエンスというものは、非常に奥深い分野ですが、エリアごとの物件動向といった各種市場データを他のデータと組み合わせて詳細に分析することで、さまざまな新しい発見が生まれています。

データベースについてですが、現在国内には分譲マンションが約17万棟存在します。ところが、マンション内の「その部屋」が、どこに所在しているのかを正確に知ろうとしても、住居表示の情報しかなく、多くの場合、建物の方角まで特定することはできません。例えば、単に「北向き」と言っても、「東京タワーが正面に見える」住戸であれば、商品価値は高くなります。

これを明確にするため、今回17万棟すべてのマンションについて、各物件の正確な緯度と経度が分かるデータベースを構築しました。こちらは、当社独自のデータであり、これによって位置情報が明確になり、方角と組み合わせることで、該当の部屋がどのような眺望が得られるかということをデータ上で把握できるようになりました。このようなマンションデータはとても貴重なものです。

現在、このマンションデータを他のデータと統合する取り組みを進めています。例えば、ロケーションマインド様が保有する人流データや、日建設計総合研究所様が持っていらっしゃる「徒歩圏内にどのような施設があるか」「魅力的な施設はあるか」など、暮らしやすさを指標化したインデックスと組み合わせています。一橋大学との共同研究によれば、過去に取引事例がない場合でも、マンション価格の8割程度まで説明できるという成果が出始めています。

こうしたデータベースは幅広いビジネスに活用可能であると考えており、不動産取引で培った当社の強みを生かしたデータを、外部へ提供することで、今後のマネタイズにつなげていきたいと考えています。以上がデータ活用の展開に関するご説明です。

2025年11月期決算概要と2026年11月期業績予想

続いて、2025年11月期の決算概要と、26年11月期の業績予想をCFOからご説明します。

取締役CFOの松岡耕平です。まず、連結損益計算書はスライドでご覧いただいた通りです。2025年11月期の特徴としましては、非常に順調に推移しまして、第3四半期の公表時点で上方修正させていただきました。こちらの表の通り、連結売上高および営業利益の確保に至りました。増減につきましては、ご覧いただいた通りです。ビジネスの質を向上させながら、数字を作っていますので、販管費率も低下し、営業利益率は0.7%上昇しました。利益の出やすい体制が作れたというのは、2025年11月期の特徴だと捉えております。

次のスライドに、主要指標の推移を載せております。ご覧いただいた通り、仕入契約金額、販売契約金額、期末の在庫金額、どれも綺麗に右肩上がりで推移しております。金額面だけでなく、中期経営計画の2年間で事業基盤を整備し、お客様に求められる質の高い物件の取り扱いを増やしてきた点も特徴です。

次に、2026年11月期、本年度の業績予想です。売上高580億円、営業利益25億円、経常利益21億円、純利益13億円という数字をお示ししております。右側のウォーターフォールチャートですが、スタンダード、プレミアム、開発、その他、それぞれで着実に粗利を積み上げ、販管費を抑制することで、営業利益が25億円に到達する計画となっております。皆様がもっとも注目されるのは、この予想値を達成できるのか。また、中期経営計画の目標値との差をどう考えるのか、という点かと思いますので、次のスライドでご説明いたします。

まず、公表しております業績予想値の達成の蓋然性について、4つの要素でご説明します。左側に1から4と記載している部分です。

1つ目はスタンダードマンションです。厳選仕入については先ほどご説明しましたが、これにより販売期間の短縮、粗利単価の上昇が見込まれます。また、昨年度進めた長期在庫圧縮の効果により、今期は販売期間の短い物件の割合が増える見込みです。その結果、平均粗利率の上昇が見込まれます。これらの効果により、スタンダードマンションの増益を想定しております。

2つ目はプレミアムマンションです。2024年9月から中期経営計画の中で開始したものですが、2025年11月期は、期首時点で十分な在庫を保有しない状態からのスタートでした。2026年11月期は、期首から十分な在庫を持ち、通年で販売できる初めての年度となります。その分、増益をきっちりと見込めるという風に見ております。

3つ目は「開発案件」です。こちらは、本日の説明では詳しく触れておりませんが、スタンダード、プレミアム、戸建以外の不動産売買を、開発案件というカテゴリーで扱っております。過去には、再開発地区の中古区分マンションの権利販売や、土地、一棟建物(住宅・非住宅を含む)などを取り扱ってまいりました。昨年度は、売上高29億円弱、粗利6億円弱となっておりますが、今期は、期首の案件組成状況から見ても、昨年度と比較して増益を見込む予想をしております。

4つ目は販管費です。販管費は対売上高比率を横ばいで計画しております。十分な先行投資額を確保しておりますが、業績の進捗によっては抑制する余地があると認識しております。

次に右側、中期経営計画の目標値との差についてです。売上に関しては、中期経営計画の1年目、2年目を進める中で、これまで濱中からもご説明しました通り、新規出店によるボリューム重視の施策ではなく、ビジネスの質を高めることで、より利益を獲得しやすい体制に変化させていくべきだということで対応してまいりました。その結果、売上予想値と目標値の間に20億円のギャップがありますが、これは戦略変更に伴うものと考えております。

利益については、目標値を捉えるべく準備を進めてまいりましたが、昨今、短期転売に関する規制や、中国からの人や資金の移動を制限する国際情勢等も踏まえ、早期売却を優先する場合を想定した粗利率を用いて今期の計画を策定しております。これらを踏まえて、今期の業績予想値をしっかり捉えて、そこからアップサイド追求し、中期経営計画の目標値を捉えるべく運営してまいりたいと考えております。

株主還元について

最後に株主還元についてです。配当につきましては、上場初年度である2023年11月期から期末配当を開始しました。安定配当を方針に掲げており、業績変動にかかわらず安定的に配当していくことで、投資家の皆様に中長期的に保有しやすい環境を提供したいと考えています。

そして2025年11月期には、第3四半期の業績予想の上方修正のタイミングで、増配予想を発表しました。本年度も、まずは業績予想値を達成して、さらに業績を伸ばして、株主還元を充実させていきたいと考えております。

次に株主優待については、増配予想と同じく、前年度第3四半期の決算公表のタイミングで株主優待を実施することを発表いたしました。決算期末に300株以上保有いただいている株主様を対象に、「QUOカード」5,000円分を贈呈する内容です。投資魅力を上げることで、より多くの方に当社を知っていただき、株式保有という形での支援をお願いしたいと考えております。

長々とご説明いたしまして大変申し訳ございませんでした。最後に、当社がお伝えしたいことを、こちらのスライドにまとめました。当社は、成長市場である全国の中古マンションを生かした独自のビジネスモデルを持っております。また、中期経営計画の施策が業績を牽引し、新たな成長ステージへと前進しております。また、株主利益の持続的増大に向けた取り組みも進めてまいります。説明は以上です。この後、活発な質疑応答ができればと思いますので、よろしくお願いいたします。

質疑応答

質問: 有利子負債が311億円まで増加していますが、国内金利が1%上昇した場合の純利益への感応度と、配当継続性への影響についてお考えをお聞かせください。

松岡氏: 事前に質問をいただき、ありがとうございます。細かく数字を確認しております。311億円という数字は、決算説明資料の9ページに記載の有利子負債の総額ですが、このうち、固定金利で動かないものを除きますと、概ね270億円程度が金利変動の影響を受ける可能性のある残高となります。こちらに「1%」をかけて、税効果を除きますと、概算で1億7,500万円程度の影響となります。ただし、金利上昇が全ての適用金利に反映されるわけではありません。ここ2年ほどの金利上昇局面でも、金融機関様にご協力いただき、実際の適用は概ね半分程度に抑えていただいております。ただ、金利の上昇が続いていますので、仮に8割程度が反映されると想定した場合、計算上では金利の1%上昇により、約1億4,000万円程度、利払い負担が増加します。

配当については、当社は安定配当を基本方針としております。仮にこの程度の影響があったとしても、配当に影響はないと考えております。

質問:外国人規制が入った場合の代替販路は、富裕層のみとなるのでしょうか。開示は難しいと思いますが、対応策の有無だけでも教えていただけないでしょうか。

濱中氏:プレミアムマンションの方は、基本的には富裕層が販売対象です。昨年度は9件販売したうちの約7割、6件が日本人のお客様です。外国人のお客様は3名です。当社が高級マンション事業を行うにあたり、最初に取り掛かったのが、仕入と販売の体制整備です。仕入に関しては、長年お付き合いのある大手仲介会社様のほとんどは富裕層チームを抱えておられます。着ているスーツから違います。そうしたチームからご紹介をいただき仕入を行っています。

販売については、先ほどKAITRY financeのところでもご説明した通り、当社は金融機関様とのお付き合いが非常に多いのが特徴で、北海道銀行様から沖縄銀行様まで86行ございます。金融機関様も富裕層チームを抱えておられますので、そこからのご紹介で契約に至るケースが多々あります。

外国人規制については、税制面を想定されているのだと思いますが、仮に規制が入った場合でも、例えばシンガポールなどでは海外層に一定の税負担を求めています。それと同水準になったとしても、日本の不動産はまだ割安感があるため、影響は限定的ではないかと考えています。

kenmo:ありがとうございます。富裕層向けの不動産で「5億円」という数字が出てきますが、一般人にはなかなか手の届かない金額かと思いますが、こちらは実需で買われているのか、それとも投資目的で買われているのか、どちらが近いでしょうか。

濱中氏:ケースバイケースですが、昨年度の実績ではほとんどが実需でした。これには、さまざまな背景があります。現在、M&Aが活発であることもあり、課税がだいぶ高くなってくるといった駆け込みの需要もあるかもしれません。会社を売却した資金で購入したいという方もいらっしゃいました。また、お子様への相続対策として確保したいという方もいらっしゃいました。

質問: 決算説明資料の19ページで「戦略1」でKAITRY(カイトリー)直仕入割合10%と目標を掲げておりますが、従来の仲介サイト経由と比較して、営業利益率ベースでどの程度の優位性があると想定されているのでしょうか。また、テック系の投資(販管費)は、この先何年くらい実施される予定でしょうか。

松岡氏: 例えば今期の仕入の10%をKAITRY(カイトリー)経由で直接仕入れた場合、どれくらい利益が変わるかという観点で試算すると分かりやすいかと思います。最も大きな効果は、仕入時の仲介手数料3%が不要になる点です。この3%は売上原価に計上されますので、粗利率に影響します。全体の1割にその3%がかからないとすると、単純計算では、利益率が概算で約0.25%押し上げられるイメージになります。それだけではなく、KAITRY経由で仲介会社様を介さないことでエンドのお客様と細かくやり取りができるようになります。仲介会社様は当然、安定的に間違いなく安全に取引するということを重視されますので、手続きは慎重になるものです。一方、仲介会社様がいらっしゃらないと、お客様と細かくやり取りができます。

また、当社にとって最も魅力が大きいのは、仕入決済前、つまり当社のバランスシートに計上する前の段階で調整ができる点です。例えば、既に退去されている状態であれば、先行してリフォーム工事に入れるということです。そうすると保有期間が短くなって、販売までのスピードが上がります。過去に、「先行リフォーム」という形で取り組んだ物件の粗利率は、かなり高くなっています。仲介手数料3%分の効果にとどまらず、それを上回る利益改善効果が見込めると考えています。仮に、うまく10%程度を直接仕入で安定的に確保し、想定通りに運用できれば、利益率ベースでは約1%程度変わってくるというイメージを持って、直接仕入の比率を高める取り組みを推進しています。

テック投資については、社内に開発エンジニアを抱えているため、その人件費に加え、不足分は、外部の会社等々に委託しています。現状、通常のビジネスとは切り離せません。仮にそこへの投資をやめますと、その分ほかの費用がかかってきます。金額も細かいところまでは、ご勘弁いただければと思いますが、基本的には、社内DXなしに効率的な運営はできませんので、今後も続けていくことになります。今の販管費比率程度を保ちながら、業績を伸ばしていきたいと考えております。

kenmo:ありがとうございます。ちなみに、こういったテック系の人材は、チームとして大体社内に何割ぐらいいらっしゃるのでしょうか。

松岡氏:社内でエンジニアやマーケットの状況が分かるメンバー等を含めますと、コアで動いているのは10名程度です。ただ、周りに協力してくれているところもありまして、当社がチームと捉えているのは大体40人ぐらいです。さまざまな関わり方で当社の開発に関わってもらっています。

kenmo:ありがとうございます。全従業員は何名いらっしゃるのでしょうか。

濱中氏:現在350人ぐらいです。テック関連チームは大体1割程度ですが、先ほど、少し触れたように、一橋大学のソーシャル・データサイエンス学部とかなり深く連携しております。清水千弘教授というデータサイエンスの第一人者に、このKAITRYを見ていただいているということもありまして、一橋大学の学生さんも含めて、打ち合わせを重ねながら進めています。

質問:広島、札幌ともに駅周辺の再開発が進んでおり、今後、住居の購買が進むと思っています。地方都市においてマンション、戸建のどちらが伸びるとお考えでしょうか。また、御社はマンション、戸建の両方をカバーできると思ってよいのでしょうか。

濱中氏: 私は広島県出身ですのでよく分かるのですが、地方都市は元は「戸建文化」でした。しかし近年、高齢化が進む中で、状況は変わってきています。例えば広島は特にそうですが、年齢を重ねるにつれて郊外の戸建にお住まいの方が修繕や修理の大変さなどのさまざまな面で、負担が大きくなってきています。一方で、都市の中心部には医療機関が多いなど、利便性が高いため、郊外の戸建から中心部のマンションへ住み替える方が、地方に行けば行くほど多くいらっしゃると感じています。そのため、当社が展開しているエリアでも、基本的には都市の中心部の物件しか扱っておりません。そこでは相応の需要が見込めると考えております。

駅周辺の再開発が進めば、新築マンションは高額で売り出される状況が続くと見ています。そうなれば、その周辺にある中古マンションの需要もさらに高まるだろうと見立てております。つまりマンション販売を長く続けてきた当社としては、地方都市においてもマンション需要は今後増加していくものと考えております。

質問:地方での採用は順調でしょうか。採用につながるために、工夫されていることがありましたら併せてお話をお聞かせください。

松岡氏:正直に申し上げまして、地方は東京よりも採用しやすい状況で、順調に進んでいるという認識です。採用で工夫していることについては、特別な施策というよりも、地道な取り組みを重ねています。賃金改定をこまめに行い、市場に合った条件をきちんと提示し、まずは応募いただくことを重視しています。応募いただいた際には、当社の社風を丁寧にお伝えし、ぜひ入社していただきたいという姿勢で向き合っています。

また、福利厚生の充実にも取り組んでいます。特別な制度ではありませんが、直近では企業年金制度を導入しました。その他にも、上場を機にいろいろと提案いただいた制度を可能な範囲で取り入れています。働きやすい環境づくりについても、あえて強調するというより当然の取り組みとして、「くるみん認定」や「えるぼし認定」、「健康経営優良法人認定」など、取得可能なものは取得し、職場環境を整備しています。

地方での採用は、もともと応募していただきやすい環境ですので、入社後は長く活躍していただけるような取り組みを心掛けています。現時点では、地方採用について特段の課題はなく、概ね順調に進んでいるという認識です。

濱中氏:少し補足します。地域によっては採用が難しいところもあります。例えば名古屋はなかなか厳しい状況です。本当になぜかなかなか人が来てくれません。当社は6年ほど前から新卒採用にも力を入れています。千葉県にある明海大学は日本で唯一、不動産学部を持つ大学で、私は年に1、2回講義を行っています。その関係で、新卒として入社いただくケースも増えています。新卒採用で入社した社員の場合は、地方拠点に配属するなどの工夫も行っています。

質問:住宅ローンの金利上昇に伴う顧客の引き合い減少、買い控えはどの程度出てくると見ていますでしょうか。今後、さらに利上げが進んだ場合の見通しをお聞かせいただきたいです。

濱中氏: 当社の「プレミアムマンション」の方は、ほとんどが現金購入ですので、「スタンダードマンション」についてお答えします。当社の全国平均の販売価格は1件あたり約3,200万円です。厳選仕入を進めた結果、1年前と比較して販売単価は約500万円上昇しています。

金利の上昇の影響は当然あるとは思いますが、最近の上昇幅を踏まえると、1%、2%と大きく上がる状況は想定しにくいだろうと考えています。一方で、買い控えは確かにあると思います。そして、その買い控えが生じた結果として、ファミリータイプの賃料が一気に上昇しているという現象が見られます。賃貸管理会社の皆様からお話を伺うと、更新時に大体15%以上の賃料値上げが発生しているとのことです。全国平均の年間賃料水準で考えますと、地方の約70平米クラスで月額13万円から15万円程度が一つの目安です。一方で、当社の平均販売価格3,200万円の物件は一次取得者向けの商品であり、35年ローンを前提に現在の金利水準で試算しますと、毎月の返済額は10万円を下回る水準です。今後、金利が多少上昇したとしても、賃料水準と比較すれば、まだかなり安いと感じられるだろうと考えております。そのため、大幅な買い控えは続いていかないと考えております。

質問:「厳選仕入を継続し、高回転、高粗利物件の獲得にこだわった仕入を行う」ということですが、当然、他社もそういった物件を狙ってくると思います。そのような中で、御社の仕入における優位性はどこにあるのでしょうか。

松岡氏: 当社としては、どの物件を仕入れるのかを明確にすることが、まず重要だと考えています。その物件が、どういった種類で、どのような形で、過去に売れてきたのかというデータを踏まえます。そして、どのようなお客様が対象となり、その方がどんな価格で購入されるのか、と考えて、想定販売価格を決めます。そこから当社として適正な利益や、販売に必要なリノベーション費用などを算出します。これらを踏まえると、仕入価格がいくらなら商売として成り立つのか、という形で決まります。物件が特定できれば、こうした計算が可能になりますので、「この物件をいくらで仕入れ、どう対応するか」という方針が明確になります。

毎月これくらいの仕入を行い、年間これくらいの仕入販売をしていこう、という計画のもと、全社で動いております。厳選したエリアで出てきた物件について、「こういう形で仕入れよう」ということが明確になると、「いくらまでで競争できるのか」「どう対応できるのか」といったことが分かりやすくなります。この点を明確にして仕入対応していくことは、営業現場にとって非常に重要です。当社はデータを基に、この点をかなり明確にしたうえで対応しております。

他社との違いという観点では、良い物件には当然ながら各社が集まってくる面があります。その中で当社としては、「この物件を仕入れたい」という意思を明確にし、その方針を仲介会社様のネットワークの中で分かりやすくお伝えしています。支店ごとに厳選仕入の効果について分析も行っておりますが、この支店では、「この地域のこういった物件が厳選仕入の対象であり、こうした情報を仲介会社様からいただきたい」という点を明確に伝えている支店ほど、仕入がうまくいき、粗利が確保できているというデータも出ております。そのあたりを工夫しながら、きちんと仕入れ対応しているという状況です。

とにかく、仲介会社様への対応をどれだけ素早くできるか、ということで勝負がつきます。そこからSaaSのような取り組みも出てきております。スピード感を徹底しながら、どの物件を狙うのかを明確にし、そこに素早く対応し、価格面でも即応できる体制を整える。この積み重ねによって、仕入対応を行っているということです。

濱中氏:少し補足いたします。今、松岡がご説明申し上げた点が大きな柱ではありますが、もう一つ大きいのがHOMENET Proの取り組みです。仲介会社様に当社のAI査定の仕組みをご利用いただいているというお話を先ほどいたしましたが、実際の使われ方としては、例えばA様というお客様が、仲介会社様に「この物件はいくらで売れるのか」とご相談される初期段階のタイミングで利用されるケースがほとんどです。つまり、仲介会社様のお客様になる初期段階の情報の中で、当社の仕組みが使われています。

そのため、例えば○○不動産の渋谷支店様のご担当者様が、今この物件を査定されたということを、当社はデータで把握することができます。そこに対して営業をかけられるというのが、最も早いアプローチになります。言い換えれば、まだ正式なお客様になる前の段階の情報から、当社はアプローチが可能になっているということです。この点は、同業他社と比較しても、かなり優位性のある部分ではないかと考えております。

質問:HOMENET Proの精度というのはいかがでしょうか。

濱中氏:精度については、先ほどお話しした通り、当社が実際に行っている販売価格、仕入価格、いくらで買っていくらで売ったのか、その物件に対していくらの費用をかけてリノベーションを施したのか、そういった実データをすべて組み込んだうえで、査定エンジンの中で数値を算出しております。ただし、ご指摘の通り、地域のニーズによって毎年変動がございます。「今年は城東エリアがよく売れている」「別の年は城西エリアが動く」といったことは実際にあります。なぜそうしたことが起こるかと言いますと、在庫量が大きく影響します。当社や同業他社が「今は城東エリアが売れる」と集中的に仕入を行うと、市場に出回る物件数が増え、結果として価格が下がるという現象が起こります。そのため、人流データなども含めた情報を加味しながら、精度の維持・向上に努めております。

松岡氏:もう一点、濱中からもご説明しましたが、KAITRY financeの分野で導入が広がっています。私も金融機関出身なのでよく分かるのですが、銀行様に導入いただく際は、非常に厳しく精度を見られます。そもそも入口から即座に導入に至ることはなくて、まずお試しで使っていただき、どの程度の精度があるのか、使い勝手はどうか、どのように改善すれば導入可能性が高まるかといった点を確認いただいたうえで、カスタマイズしながら導入しております。そういう意味では、入口でしっかりと精度を確認いただき、問題ないと判断されたうえで導入いただいておりますので、それなりの評価はいただいていると認識しております。

質問:中古マンションの営業利益率が低いですが、原因と対策を教えてください。

松岡氏:昨年の営業利益率の低下は、中古マンションの粗利率の低下が原因だと考えております。決算説明資料にも掲載しておりますが、実は一定の販売期間内で売却できた物件の粗利率は、過去からそれほど変わっておりません。販売期間が長期化すると価格を下げる必要があり、結果として粗利が低下する、というのは先ほど申し上げた通りです。長期化せずに販売した物件の粗利率は、大体17~18%程度で安定的に推移しています。ただし、年度ごとの粗利率が変動するのは、販売期間が長期化した物件がどの程度含まれているか、その割合によって左右されます。

それを防ぐために、中期経営計画の2年間で取り組んできたのが厳選仕入です。回転の良い物件に絞ること、そして昨年度は、1年間をかけて保有期間が長期化していた物件については、できるだけ一掃してしまうという対策を取りました。これで、期首時点で在庫の整理は相当程度進んでおります。

今後は、なるべく長期化させない運営を徹底することで、販売期間が相対的に短くなります。そうすると、粗利率の改善、ひいては営業利益率の改善につながると考えております。まず、2022年の上場した頃に示した営業利益率の水準を目標とし、そこまで回復させます。そのうえで、次の中期経営計画を来期に策定し、そこで次の成長戦略を記載していきたいと考えております。

足元で「なぜ低いんですか」と言われますと、これまで申し上げてきた流れの中で、結果として粗利が低い物件を扱いながら在庫の整備を進めてきました。その過程において、事業基盤を整備してきた過程で営業利益率がやや低下しているということだと考えています。

kenmo:ありがとうございます。御社のスライドを拝見しますと大体、粗利で17%から18%というところですが、仕入コストやリフォームのコストが上がる中で、今後さらに19%や20%に上げていく余地はあるのか、それとも17%や18%を維持したまま、数量を伸ばしていくのか。その辺りの方向性も教えていただけますでしょうか。

松岡氏:ご指摘の通り、部材や工事費は上昇しています。放置すればコスト高になり、粗利率は下がっていくことになってしまいます。ただ、当社は15年以上リフォームを手がけてきているため、工事の内容で「必ず実施すべき部分」と、「提供価値を維持しながらコストを抑制できる部分」を見極めるという工夫を重ねています。その結果、現状は粗利率を下げることなく販売できております。スタンダードマンションで粗利率を大幅に引き上げるのは、現実的には容易ではありません。ただし、厳選仕入により粗利単価は上昇しています。固定費に対する売上が伸びれば、スタンダードマンションでも、もう一段、営業利益率の向上を図れると考えています。さらに、ポートフォリオの観点からプレミアムマンションをうまく取り入れながら、いかに全体として利益を確保していくか、という工夫が重要だと考えております。

質問:中古マンションで地方の物件を多く扱うことのメリットとデメリット(難しさ)を教えてください。そこが他社との差別化要因になると思い、お聞きしました。

松岡氏:まず、他社様が地方に出店できるかという点ですが、実は当社には地方展開に関するノウハウがあります。以前、「1年に2、3拠点を出店する」という計画を立てていましたが、これを実現することは簡単ではありません。マーケット調査から出店、仕入、協力会社の確保、仲介会社様との関係構築までの体制づくりをしなければなりません。当社は、これらの事業展開のノウハウがあり、垂直立ち上げができ、さらに各拠点で利益を出していけます。これが、当社の特徴です。

さらに、いざ出店しようとすると、どうしても仕入れを急ぐあまり高値で買ってしまい、結果としてマーケットを崩してしまうということも実際には起こり得ます。ただ、当社はすでに一定の展開実績がありますので、焦らずに立ち上げることができ、無理をせずに仕入れを行いながら展開していくことができます。

「難しさはどこか」と言えば、むしろその地域に定着し、継続して商売を続けていくことの方が大きいと思います。ただ、一定程度の基盤を築くことができれば、その地域の中でしっかりと当社に対する情報提供が行われ、地元とつながりながら事業を進めていくことが可能になります。厳選仕入を行っていますが、特定の地域だけに集中すると、どうしても競合が激しくなります。一方で、地域分散ができていれば、「このエリアのこの物件が欲しい」というターゲットも分散され、結果として仕入れがしやすくなります。この点はメリットだと感じています。

濱中氏:加えて、地方都市では郊外はあまり手掛けておらず、例えば岡山なら岡山市中心部に限定して仕入れを行っています。ある程度の在庫を確保できれば、条件が近いお客様に対して、当社が保有している在庫の中から選んでいただくことができます。地方では、このようなスモールビジネスを展開していることも、一つのメリットかもしれません。

質問:プレミアムマンションは、足元の市場環境を踏まえて“リスクを抑制”とありますが、28ページの転売規制や外国人等の規制を考慮してのことでしょうか。それ以外に、“リスクを抑制”する背景事情があれば教えてください。また、同じページに「プレミアムマンション在庫増」とありますが、これは高単価の物件が売れなくなってきているということでしょうか。

濱中氏:外国人向けの規制や税制、転売規制などに関しては曖昧で、まだどのような方向で決定するのかが不透明なため、市場が様子見になっている可能性はあります。これらは、不動産市況に影響が出やすいため、そうした意味で「リスクを抑制」と表現しています。ただし、良い物件があっても購入しないというわけではなく、当然、いい物件については、現在も仕入は継続して行っています。

「在庫増」については、昨年度、9件販売しましたが、同時並行で仕入れも増やしております。それらは昨年度は、まだ商品化できておりませんでした。昨年度の後半に仕入れた物件が、ようやく今期に入り商品として出来上がってきたということです。どういうことかと言いますと、プレミアムマンションは、かなり時間をかけて、デザイナーを入れながらリフォームを行っているため、工期が長くなります。また、最上階の物件が多く、管理組合の規約等により、工事を行える時間等の条件が厳しいため、商品化までに時間を要します。そういう意味で、今期は在庫が揃ってきたという意味での「在庫増」になります。

質問:中国富裕層向けの販売の割合はどのくらいでしょうか。また、転売規制が始まりますと、購入者に変化があると思います。どの程度リスクになりますか?

濱中氏:昨年度は9件販売し、そのうち6件が日本人の方、残り3件のうち、お一人が中国の方、お二人は台湾の方でした。いわゆる転売規制に関する動きで変化が起きているのではないか、という点については、高市首相の発言にもありました通り、中国の方への影響があるかもしれません。ただし、引き合いは非常に多く頂いております。ピンポイントで「この物件を検討したい」という具体的なお問い合わせは、中国の方、台湾の方ともに、一定数いらっしゃいます。

今後の動向に注意が必要ですが、当社は昨年度、中国・上海に拠点を置き、ニューヨーク証券取引所および香港証券取引所に上場している「ノア・ホールディングス(Noah Holdings Limited)」と業務提携を行いました。そちらからのご紹介案件も一定割合で継続しています。特に中国の圧倒的富裕層の方々の購買意欲はかなり強く、仮に規制が導入されたとしても、それが上海やシンガポールと同等水準であれば、大きな支障にはならない、という声も実際に伺っております。したがって、制度の内容がどの水準で確定するかが一つのポイントになると考えております。

質問:購入者は自分が住むためか? 貸すためか? 転売目的か? 割合的にはどの程度なのでしょうか。

濱中氏:スタンダードについて申し上げますと、ほぼ100%が自己居住目的です。駅から近くて賃料が取れるような物件200戸ほどについては、入居者確保をして投資用の販売を約1年半前から始めています。年間70件ほど販売に至っています。逆に言うと、空いている部屋を買って貸すというケースはございません。住宅ローンを適用していますので、人に貸すということはできないため、基本的には、ご自分で住むためです。

もう一つの方は、先ほどお話したように、お子様の相続対策で購入し、当面賃貸するといったケースもありますが、全体としては限定的です。

閉会の挨拶

当社では2026年11月期を節目の年と位置づけ、今年度は、発表した数字をきちっと明確に上回るべく、社員全員で取り組んでまいります。株主の皆様も今後とも、中長期で当社のことを評価いただければ幸いでございます。どうぞよろしくお願いいたします。

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