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咳止めを飲む前に考えたい──その咳、本当に止めていい咳ですか?

咳が出る。
のどがイガイガする。
夜になるとゴホゴホする。

そうなると、多くの人がまず考えるのは「咳止め」だと思います。

もちろん、咳止めが悪いわけではありません。
乾いた咳が続いて眠れない。咳のしすぎで体力を削られる。仕事中にどうしても咳を抑えたい。そういう場面では、咳止めが助けになることもあります。

ただし、ここで一度考えたいことがあります。

その咳、本当に止めていい咳なのか。


咳は「邪魔な症状」ではなく、体の排出機能でもある

咳は、ただの不快な症状ではありません。

体の中にある異物、刺激物、痰などを外に出そうとする反応でもあります。日本呼吸器学会も、咳は体内から異物や病原体を出すための反射だと説明しています。

つまり、咳には意味があります。

特に問題になるのは、痰が絡む咳です。

痰が絡んでいるのに、ただ咳だけを無理に止めようとすると、体は「出したいものがあるのに、出口をふさがれる」ような状態になります。

もちろん症状によりますが、痰が絡む咳に対しては、最初から「止める」よりも、出しやすくするという発想のほうが合理的な場面があります。


「咳止め」より「去痰」という考え方

ここで出てくるのが、去痰薬です。

たとえば、佐藤製薬の「ストナ去たんカプセル」は、L-カルボシステインとブロムヘキシン塩酸塩を配合し、「たん、たんのからむせき」に効く医薬品として説明されています。L-カルボシステインは痰の通りをスムーズにし、ブロムヘキシン塩酸塩は痰をサラサラにする成分として紹介されています。

ここが大事です。

咳止めは、咳そのものを抑える方向。
去痰薬は、痰を出しやすくする方向。

同じ「咳に使う薬」でも、考え方が違います。

痰が絡んでいる咳なら、咳を止めるよりも、まず痰を動かす。
体が出そうとしているものを、出しやすくしてあげる。

このほうが、体の仕組みに合っているように感じます。


痰が絡む咳を「止める」ことへの違和感

痰が絡んでいるときの咳は、体の掃除に近いものです。

気道に痰がある。
それを外に出したい。
だから咳が出る。

この流れを考えると、単純に「咳が出る=咳止め」と考えるのは、少し乱暴かもしれません。

もちろん、咳が強すぎて眠れない、体力が落ちる、仕事や生活に支障が出るという場合は別です。
咳を抑えることにも意味があります。

でも、痰が絡んでいるのに、何も考えずに咳だけを止めるのは、個人的にはかなり違和感があります。

それよりも、

痰をゆるめる。
痰を出しやすくする。
水分を取る。
部屋を乾燥させない。

このほうが、かなり自然な対処に見えます。


乾いた咳と、痰が絡む咳は分けて考える

咳の薬を考えるときに大事なのは、咳をひとまとめにしないことです。

乾いた咳。
痰が絡む咳。
ゼーゼーする咳。
夜だけ強くなる咳。
風邪のあとに長引く咳。

これらは、同じ「咳」でも背景が違います。

痰がない乾いた咳なら、咳止めが合う場面もあります。
一方で、痰が絡む咳なら、去痰薬を考える価値があります。

つまり、薬選びで大事なのは、

咳を止めたいのか。
痰を出したいのか。

ここを間違えないことです。


咳止めが悪いわけではない

ここは誤解されたくないところです。

咳止めは悪者ではありません。

咳が長く続くと、体力を消耗します。
夜眠れないと、回復も遅れます。
咳のしすぎで胸や腹筋が痛くなることもあります。

だから、咳を抑える薬が必要な場面はあります。

ただ、なんでもかんでも「咳が出たら咳止め」ではなく、
痰が絡むなら、まず去痰という選択肢を思い出したいという話です。

個人的には、痰が絡んでいるときに咳止めだけを飲むより、ストナ去たんのような去痰系を考えるほうが、かなり納得感があります。


長引く咳は、市販薬で粘りすぎない

ただし、市販薬でずっと様子を見るのは危険です。

日本呼吸器学会は、3週間以上咳と痰が続く場合、胸部X線検査や痰の検査などを含めた確認が必要になることがあると説明しています。肺炎、肺結核、肺がん、喘息、COPDなどが関係する場合もあります。

また、息苦しさ、血痰、高熱、強い胸の痛み、ゼーゼーする呼吸がある場合は、自己判断で済ませないほうがいいです。

市販薬は便利ですが、原因を診断するものではありません。

咳が長引く。
痰が黄色や緑色で強い。
息が苦しい。
夜に悪化する。
何度もぶり返す。

こういう場合は、薬局で相談するか、医療機関を受診したほうが安心です。


咳を止める前に、痰を出す発想を持つ

咳が出たら、反射的に咳止めを飲む。

これは、かなり一般的な行動だと思います。

でも、痰が絡む咳の場合は、少し考え方を変えてもいい。

咳は、体が痰を出そうとしているサインかもしれません。
その咳をただ止めるより、痰を出しやすくする。
そのために、去痰薬という選択肢を持つ。

これはかなり合理的です。

咳止めは悪ではない。
でも、咳止めがいつも正解とは限らない。

特に痰が絡む咳なら、

「止める」より先に、「出す」ことを考える。

この視点は、もっと広まっていいと思います。

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