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発芽新聞3号インタビュー記事

山口県萩のシードオブライフでのお話会の様子です

中国地方萩に訪れたときの記録です
https://note.com/kenjiusui/n/nb7508a53afb0

シャンティクティ
臼井健二さんのお話会
欠けているから、つながれる。
〜 種といのちと多様性のハーモニー 〜

2025年8月。「パーマカルチャー界のレジェンド」臼井健二さんが、長野県から超絶クールなTarutarugo(足る足る号)*に乗ってやってきました!自然食品店シードオブライフで臼井さんを囲んでポットラックパーティー。
その後、映画『TERRA ぼくらと地球のくらし方』の上映会とお話会を開催しました。
母なる大地のような温かい眼差し。
やさしい小川のように流れる言葉。
気がつけば、会場のみんなが臼井さんのトリコに。
それではーーレジェンド・臼井さんのお話をどうぞ。

*老子の言葉に由来した「足るを知る」から命名。
軽トラに載った動くタイニーハウス
臼井健二さん(写真左から2番目) シャンティクティ代表

商社に1年半勤めて退社し、穂高町経営の山小屋の管理人として5年間過ごす。
1979年シャロムヒュッテを立ち上げ、長野県内有数の稼働率を記録。
2005年からは、北アルプスを望む信州・安曇野市池田町の山麓に拠点を移し、心と体が調和した暮らしを共に学ぶ場「シャンティクティ」を営む。食べ物とエネルギーの自給を目指し、自然農とパーマカルチャーを実践している。
エコでロハスなパーマカルチャーをあなたに届けたい(略して)エロ話♡(笑)


(発芽の会メンバー3人にちなんで)「3」という数字は、とてもいい数字なんです。
1は男性性。
「プラス」で、風のように上へ向かう性質。
2は女性性。
「マイナス」で、土のように受け入れる性質。
プラスとマイナスが一つになると、どうなるでしょう?
光になります。
電気も、プラスとマイナスですね。
男と女が一つになると、火のように燃え盛る。
そして3は、調和の数字。
プラスとマイナスが結ばれて生まれる、強い力。
火であり、光であり、神でもある。
その火を収めるのが水。
4は「完成」。
同時に「死」。
そして「種(シード)」でもあります。
種を蒔き、時間が加わると、芽が出る。
それが5という数字。
5は男性性で、とても強い数字。
ペンタゴンや五稜郭など五角形には強い力があると言われています。
そして、それを受けるのが女性性の6という数字。
平面の5と平面の6がつながると次元が上がって立体になる。
それがサッカーボールです。世界が広がる。
それが7という数字。
そして、それらすべてを収めるのが8という数字なんです。
4というのが死でもあり、完成でもあり、種です。
死は完成でもある。
でも4は若干欠けているんです。
だから動きが生まれる。
もし欠けていなかったら、完成してしまって、輪廻転生も終わってしまう。
そして、女性性の6から出ちゃう人は「ロクでなし」っていうんです。
女性は神さまだから。
男は修行しなきゃいけない。山の神って言いますが、山は女性性なんです。
神社も女性性。
神社には鳥居があって、そこをくぐって入っていくでしょう。
陰と陽が一つになって、受精して子どもが生まれる。
神社はまさに子宮の姿なんです。
欠けているからこそ、つながれる。
欠けていなかったら、つながらない。
欠けている部分が何かというと愛なんです。
愛はエロスでもある。
こんないい加減で、バカな話をしています(笑)。
これを「エコでロハスな。
エロ話」なんて言ったりもします。そうやってみなさん生まれてきた。
素晴らしいことなんですよ。
プラスとマイナスが一つになると、神の世界。
だから雷は「神鳴り」と書くんです。
女性は神であると同時に鬼でもあるんです。
だから角隠しをしてやってくる。
みんな意味があるんです。
自然界は本当によくできている。
種だけでは芽は出ない。
欠けているから芽がでる。
時間軸が加わって、土、水、風、太陽など、さまざまな要素が加わって、命が生まれる。
大概人が言うことは間違い。「今、私が言っていることも間違いかもしれない」と思いながら聞いてくださいね。
だからこそ、自然をよく観察すること。
そのことの方が大事。
最終的には森のような姿が一番エネルギーを蓄えられるんです。
"Small is beautiful."
パーマカルチャーの起源はアジア、そして日本にあります。
1900年代のアメリカの農業は大規模農業が盛んになり、大きなトラクターで耕し、化学肥料や農薬で生産量が2倍3倍になります。
でも、そこは微生物が住めない大地になり、雨が降ると土砂流失、風がふくと砂煙。
その結果、大規模にやったところほどダメになっていったんです。
アメリカは総力を上げて研究し、土壌学者のF.H.キングは世界を旅して、アジアの循環型の生き方に感銘を受け、『東アジア四千年のパーマネントアグリカルチャー 永続農業』という本を書きました。そこで最初に出てくるのが日本の循環型農業でした。
店でも何でも大きくしようとしたらダメですよ。
"Small is beautiful."
世界に誇れる循環型の暮らしは、江戸時代。
高い識字率、低い犯罪率。鎖国という社会の中で循環していた。
それをわかりやすく体系化したのが、(パーマカルチャーの提唱者)オーストラリアのビル・モリソンとデビッド・ホルムグレンです。
彼らが影響を受けたのが、福岡正信の思想です。
大事なのは種。
「シードオブライフ。」
種は欠けているから動きがある。
完璧ではないから、3人がつながれるんです。
「三人寄れば文殊の知恵」。
3は調和。
完璧じゃないからこそ、うまくいくように努力する、そのプロセスこそが大切なんです。
大事なのは愛。
欠けていることがいい。
つながり合うことは、もっと素晴らしい。
資本主義は分断させて競争させるけれど、社会はピラミッドの縦型から横型へ変わっていく。
所有からシェアの時代へ。
これからは「物」は売れにくくなるかもしれない。
でも「食べもの」は売れます。
多様性のハーモニー
西洋文明は、分けることで効率化してきました。分ければ分けるほど、効率は上がる。
一方、日本は「和」を追求してきた文化です。だから日本人は、その価値を伝えていく役割があるのかもしれません。効率や「もっと、もっと」という価値観から少し降りてみる。
すると、多様性というハーモニーの中に、本当の人間の生き方が見えてくるような気がします。
今の日本人の暮らしをそのまま続ければ、地球は1.5個必要だと言われています。
だからこそ、地球1個で暮らす生き方を考える。自給的な暮らしをしながら、地域に奉仕する。そんな生き方が、これからは大切なのではないでしょうか。
食べることを大切にして、シフトダウンする。減速して暮らす。それが、これからの僕らの生き方のような気がします。ガンジーは、無抵抗不服従によって独立を勝ち取りました。
福岡正信は、「東洋か西洋かではなく、第三の道が大事だ」と言っています。アインシュタインは、「同じ次元では問題は解決できない」と言いました。イスラムの詩人ルーミーは、「善悪を超えた草原で会おいたい」と語っています。
素晴らしいと思いませんか。そして、宮沢賢治はこう書いています。「我らは黒き土にふしまことの草の種まけり」
野菜ではなく、草の種なんです。
次元を越えて、俯瞰して見ること。陰と陽、さまざまなものが一つになり、調和していくこと。
いろんな人が、それぞれの役割を持ちながら、全体としてハーモニーを奏でていく。そんな世界が、素晴らしいのだと思います。
(臼井さんのお話ここまで)
後日、上映会やお話会の感想について、中村(以下中)、網屋(以下網)、石田(以下石)の3人で語り合いました。
※今回紙面中の3人の座談会は全編動画アーカイブもございます
7世代先を考える
中)プロックス三兄弟が湖を再生していくエピソードが印象的でした。「誰かがやらなければならない」と行動していく話です。彼らの時間感覚はとても長い目線でした。現代人はタイパやコスパを重視して、すぐに成果が出ることに囚われすぎていると思います。
パーマカルチャーでよく言われる「7世代先を考える」という考え方。アメリカ先住民の言葉だそうですが。とても大切な視点だと思いました。
石)自然のサイクルに目を向けていると、人間の時間と木の時間はまったく違うと感じます。みかんの苗木を植えたのですが、イメージと異なり、若い木の実より、古い木の実の方がおいしいことがある。人間の時間に合わせようとすると、自然農はできないと感じます。年を取ると10年はあっという間ですが、結局、時間は「今」しかない。
小さく続ける
網)臼井さんが、「コミュニティも畑も店も大きくしちゃダメ」と言っていたのが印象的でした。小さければ顔の見える関係が作れるし、環境負荷も小さい。いざというときに助け合える。大きくするよりも深く、小さく続けること。改めて大事にしたいと思いました。
中)自然食品店はとても評判ですね。実際にお店をやってみてどうですか?
網)社会や企業はどんどん大型化してきましたよね。その中で関係性が薄れていると感じます。昔は個人店がたくさんあって、店員さんと会話したり、お客さん同士が仲良くなることもありました。大規模店ではそういうことがなかなか起きません。自然食品店で昔の井戸端会議のようなものが復活している気もして。「取り戻したい」というのは、こういうことなのかなと感じています。
中)余談ですが僕は飲み屋のお客さん同士で仲良くなって結婚した人間なので、それを思い出しました。「めぐる」という店も、そういう場所になっていけばいいなと。大賛成です。それと最後に、印象に残った臼井さんの言葉を。僕がカイルさんのフィールドが「無駄がなくて素晴らしい」と感想を述べたら、臼井さんが「無駄がないことがいい、という考え方が無駄だよ」と言われました。パーマカルチャーは無駄をなくすものだと思っていたんですが、そういう原理主義的な考え方は違うのかもしれないと思いました。現代人は、何でも効率化しようとする、ある意味、現代病かもしれません。自然の中では、無駄なものは何もなくて、人間が意図しなくても、結果として全て循環している。そういう視点なのかなと思いました。
やさしさのプロジェクト
石)ポットラックパーティーで、臼井さんの食べ方の所作が印象的でした。マイ箸とマイ皿で召し上がって、最後はお皿にお茶を入れてきれいに飲み干して食事を終えていたんです。皿を洗う必要もないし、環境負荷もない。すごく無駄がないなと思いました。
中)お寺で精進料理を食べるときも、そんなやり方だったと思います。最後にたくあんを一つ残してお茶を注ぎ、たくあんでお碗を拭いて食べ終わる、というような。全部おいしくいただいて終わる(洗鉢(せんぱつ)という)作法ですね。通じるところがあるのかも。
網)昔、うちのおじいちゃんも似たような食べ方をしていました。最後にお茶を注いで、ご飯粒を食べて……という感じで。
石)ポットラックパーティーの雑談を踏まえたお話会には、すごく愛がありました。応援し寄り添ってくれるような話をしてくれました。
中)臼井さんに限らず、パーマカルチャーを実践している人って、否定をしない印象があります。あらゆるものに意味や役割がある、という思想が染み付いているんだと思います。
石)映画の最初と締めにも、臼井さんの言葉がありましたね。
中)そのあと、実際に臼井さんが目の前にいるという、夢のような不思議な時間でした。
石)私は映画の感想で、コンポストトイレが気になって、それについて話していたら、意外にも、臼井さんが「水洗のほうがいいんじゃない」と。メタンガス発酵のトイレを計画していると聞き、さらに驚きました。水洗で溜めたものをメタン発酵させて燃料にするという画期的な計画で、アイデアの泉だなと。それと、多様性を受け止める包容力も感じました。
網)映画には、世界各地でパーマカルチャーを実践している人たちが登場します。壮大なスケールの話から個人規模の取り組みまでさまざまで、アメリカや日本の例も出てきました。情熱的な人たちがたくさん登場していましたね。
中)一番印象に残ったことは何でしたか?
網)改めて感じたのは、技術や便利さの先にある「本当に必要なもの」を問い直すメッセージでした。人の顔が見えなくなって関係性が薄れていく社会の中で、本来あったはずの信頼を取り戻すような生活やコミュニティを大事にしたいと思いました。そして、熱い思いを持った人のところに人は集まるんだな、とも感じました。フィル・キャッシュマンさんも言っていましたが、「何かおかしい」という違和感を感じている人に、パーマカルチャーという道を指し示してあげることができたらいいなと思いました。
中)コミュニティの話で印象的だったのは、「やさしさのプロジェクト」という言葉です。アメリカ・シアトルの「ビーコンフードフォレスト」は、誰でも自由に収穫していい公園なのに、誰かが独り占めしたり荒らしたりすることがない。人間のやさしさを証明したプロジェクトだと言っていて、すごくいいなと思いました。ただ、最近読んだ本では、コミュニティを作る人は強者の側になりがちで、コミュニティの中にカースト的なものが生まれることもある、と書かれていました。コミュニティを作っても、取りこぼされる人がいる。そういう視点は忘れてはいけないと感じました。
網)カイルさんのところでは、「ハートキーパー」という役割の人を置いているそうです。リーダーとは別に、「この人は今ついていけていないかも」という人を見守って、心のケアをする役割の人です。
中)ハートキーパー、すごいですね。ぜひカイルさんのお話も聞いてみたいです。
石)実践している人から直接言葉を聞くと力になりますね。

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