自分のものさしに、もっと自信を持ってもいい。
ネットの噂と自分のものさし
ネットで評判のお店へ行くことがあります。
神戸の有名な洋食店でオムライスとビフカツを食べた時もそうでした。
全国で金賞を受賞したというカレーうどんを食べに行った時もそうでした。
ネットには「最高!」「絶品!」という感想が並んでいます。
でも、僕にはどうしても首をかしげることがありました。
「僕の舌がおかしいのだろうか。」
そんなことを考えたのです。
いろいろと考えて気付きました。
間違っていたのは舌ではなく、ものさしが違っていただけだったのです。
うどんのものさし
まず、僕のカレーうどんの好みを知っていただきたいと思います。
僕は播州で育ちました。
子どもの頃から三七十庵や三蕪のうどんを食べてきたので、少し柔らかめで、出汁の効いた昔ながらの播州のうどんが好きです。
讃岐系の太くてコシの強いうどんは、正直あまり得意ではありません。

肉うどんや鴨なんばも好きですが、肉や鴨を後から乗せたものではなく、肉を煮込み、その旨味が出汁に溶け込んだものが好きです。
鴨なんばなら、鴨の脂が出汁に浮いていてほしい。
そして、カレーそのものも大好きです。
スパイスの効いたチキンカレーなら、野毛山カレー食堂のトマトチキンカレーや、大樹のセイロンカレーは大好きです。
でも、カレーうどんだけは別です。
僕が求めているのは「カレー」ではありません。
「カレーうどん」です。
僕のカレーうどんの評価は、
出汁が80%、うどんが20%。
カレーの風味は、その二つを引き立てる存在です。

だから、濃厚なカレーのルーをそのままうどんにかけたようなタイプより、出汁の香りが最初に立つカレーうどんに惹かれます。
そう考えると、全国で高く評価されるカレーうどんと、僕が好きなカレーうどんが違うのも当然なのです。

世間の評価が間違っているわけではありません。
僕の評価が間違っているわけでもありません。
評価するものさしが違う。
ただ、それだけのことでした。

カメラのものさし
これはカメラでも同じです。
車も、時計も、洋服も、バッグも、絵画も同じ。
レビューには「最高!」「おすすめ!」という言葉が並びます。
でも、本当に知りたいのは、その人が何を大切にして評価しているのかではないでしょうか。
僕なら、カメラは携帯性を重視します。
だからLUMIX S9を高く評価します。
動体撮影をする人なら、AF性能を最優先にするでしょう。
どちらも正しいのです。
違うのは、ものさしだけ。
だから僕は、人に何かを強く勧めることはしません。
「これが最高ですよ。」「絶対美味しいから。」「これで間違いなし。」
そう言うよりも、
「僕はこういう理由で、ここが好きです。」
そう伝える方が誠実だと思うからです。
天丼のものさし
最後に、もう一つ。
力餅花田店へ行くと、カレーうどんだけではなく天丼もよく注文します。
力餅の天丼は、関東風の天汁をかけたものではなく、天とじ丼です。
天かすの油が卵に溶け込み、出汁と一体になったあの旨味が好きなのです。
別のお店、信州屋では、卵とじに天かすの入ったハイカラ丼を頼みます。
つまり、天とじ丼のエビ抜きです。
エビが嫌いなのではありませんが、エビありきではないので。なくても十分美味しいです。
結局ここでも、僕が好きなのは、具材そのものではなく、出汁と油の旨味が一つになった味なのでしょう。

こうして書いてみると、僕の好みは昔から何も変わっていません。
だから、ネットの評価に振り回される必要もありません。
人がどう言おうと、自分のものさしに、もっと自信を持ってもいい。
そんなことを思った一日でした。

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