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「心の言葉」

西洋美術を学んでいて、

とても印象に残った時代がある。
 
19世紀末。
 
科学は発展した。
 
産業は発展した。
 
生活は豊かになった。
 
それなのに、

人々の心は揺れていた。

 
その時代に生まれたのが、

世紀末美術だった。
 
ムンクの『叫び』。
 
クリムトの『接吻』。
 
ルドンの幻想的な世界。
 
彼らは、

目に見える景色を描いていない。
 
心を描いた。
 
不安。
 
孤独。
 
愛。
 
希望。
 
人間の内側を、

そのままキャンバスに映した。

 
私はこれを見て思った。
 
時代は変わっても、

人間はあまり変わらない。
 
今もAIが発展し、

テクノロジーが進化し、

便利な時代になった。
 
でもその一方で、

孤独を感じる人は増えている。

 
不安を抱える人も多い。
 
19世紀末と、

どこか似ている。
 
だからこそ、

芸術は時代を超えて心を動かす。
 
技術ではない。
 
心だからだ。
 
私は最近、

文章を書く時にも同じことを考える。
 
知識だけを書いても、

人の心は動かない。

 
正論だけを書いても、

人の記憶には残らない。
 
自分が何を感じたのか。
 
何に悩み、

何に救われたのか。

 
そこまで書いて、

初めて言葉に命が宿る。
 
ムンクは、

心の叫びを描いた。
 
私は、

心の言葉を書いていきたい。

 
時代がどれだけ変わっても、

最後に人を動かすのは、

情報ではない。
 
人の心なのだから。



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