1章:転職初日、私は「火薬庫」の上に立っていた。 ~物流の崩壊:『そんなのないよ!』が合言葉の現場を更地に戻すまで~
新しい職場への期待を胸に、私は現場へと足を踏み入れた。 物流のプロとして、これまで数々の倉庫や配送現場を渡り歩いてきた自負がある。しかし、そこで目にした光景は、私の想像を絶するものだった。
現場には、最新のハンディターミナルと、一目で内容が把握できる洗練されたピッキングリストが揃っていた。道具は「一流」だ。これなら誰でも迷わず、正確に作業ができるはずだった。
しかし、一歩通路に入ると、そこにはプロの現場とは思えない「弛緩」した空気が漂っていた。
メンバーは社員を含め全部で20人。 常時13名ほどが稼働している現場だが、その主戦力は女性パートタイマーの方々だ。商品が保管されているラック(棚)とラックの間の通路は、人がすれ違うのがやっとの狭さ。その限られた空間で人々が入り乱れ、あちこちで立ち話の花が咲いている。作業の手を止め、ポケットから出したスマホを平然と眺める者。仲の良いメンバー同士で固まり、仕事とは無関係な笑い声を上げる者。
しかし、その穏やかな「コミュニティ」の裏側で、現場は音を立てて崩壊していた。
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