見出し画像

〈10/20 解説等を追記〉 【地検と主任検事に公開質問】林死刑囚とは無関係のヒ素が犯行に使われた可能性の検証が甚だ不十分だった件について

 私の独自取材でわかった和歌山カレー事件に関する捜査機関の不正について、本日(2025年10月10日)、また新たに和歌山地検及び主任検事の小寺哲夫氏に取材を申し入れました。

 今回の取材申し入れは、和歌山地検と和歌山県警が和歌山カレー事件で行った捜査では、林眞須美死刑囚と無関係のヒ素が犯行に使われた可能性の検証が甚だ不十分だった件についてです。

 取材の申し入れは書面をファックスする方法で行いましたが、和歌山地検については、本日14時42分、小寺氏の事務所(小寺法律事務所)については、本日15時23分、それぞれ電話して、ファックスした書面が届いたことが確認できました(※和歌山地検は広報担当の男性、小寺氏の事務所は所員の女性が対応してくれました)。

 取材申し入れの書面については、一部を伏せ字にしたうえ、以下に公開します。関心のある方はご参照ください。

 和歌山地検や小寺氏から回答があれば、改めて報告します。

〈2025年10月14日追記〉
本日午前11時16分に、和歌山地検の広報担当者から電話で回答がありました。
「事件に関することなので、お答えできない」
というのが、和歌山地検としての回答になるそうです。

〈2025年10月20日追記〉
小寺氏からは回答期限までに何の回答もありませんでした。

 以下、PDFで公開した小寺氏への取材申し入れの書面2枚について、改めてテキストで公開し、若干の解説をしておきます。
(※和歌山地検への取材申し入れの書面2枚も内容は同じです)

小寺哲夫様
 
 お世話になっております。
 和歌山カレー事件(以下「カレー事件」)に関し、また新たに小寺様に取材させて頂きたいことがあり、ご連絡させて頂きました。
 取材させて頂きたいことは別紙に記載していますので、お忙しい折恐縮ですが、ご対応をお願い致します。

                               片岡健
                       〒■■■■■■■■■■■■■■■■
                           電話: ■■■■■■■
                            FAX: ■■■■■■
                   Eメール:kataken@able.ocn.ne.jp

1枚目

(別紙)

 【取材依頼の内容】

 私が独自に取材した結果、和歌山地検と和歌山県警が行ったカレー事件の捜査では、林眞須美氏(以下「林氏」)とは無関係のヒ素が犯行に使われた可能性の検証が甚だ不十分だったことがわかりました。
 主な根拠は、以下の(1)ないし(3)の3点です。何か反論があれば、お聞かせください。

(1)小寺様ら和歌山地検の検察官は林氏の確定審において、計3回のヒ素の異同識別鑑定では、和歌山や大阪に存在した「本件(引用者注・カレー事件のこと)と無関係な亜砒酸合計65点」を鑑定の対象にしたと主張しています(論告要旨P248)。しかし、この亜砒酸合計65点が「本件と無関係」と言える根拠を何も示していません。

 (2)上記の計3回の異同識別鑑定のうち、中井泉氏が行った鑑定では、カレー事件の発生現場近くにある紀北家畜保健衛生所から任意提出された亜砒酸も鑑定の対象とされています。しかし、私が紀北家畜保健衛生所を取材したところ、当該亜砒酸を入手可能な人物がどれほど存在したかについては捜査が行われていないという趣旨の証言が得られました。

 (3)林氏の確定審で調べられた証拠の中だけでも、園部第14自治会の住民たちのうち、2軒の家がカレー事件以前、■■■■■という業者に白蟻駆除を実施してもらっていたと示す証拠が存在します。しかし、小寺様ら和歌山地検の検察官は確定審において、■■■■■が白蟻駆除に亜砒酸を使っていなかったか否かを調べた証拠を一切提出していません。

 【回答期限など】

 回答期限は2025年10月17日(金)とさせて頂きます。
 回答方法については、電話、ファックス、郵便、メールなど何でも構いません。
 回答期限までに小寺様から何の回答もなければ、小寺様は何も反論ができないのだとみなさせて頂きます。

 【特記事項】

 この取材依頼は、公開質問の形をとらせて頂きます。
 この計2枚の取材依頼の書面については、小寺様の事務所(小寺法律事務所)にファックスで送信後、私が運営しているnote(URLは以下の通りです)で公開しますので、ご承知おき下さい。

●私のnoteのURL https://note.com/ken_kataoka

                                以上

2枚目

 以下、若干の解説です。
 
 林眞須美氏に対する和歌山地裁の確定死刑判決では、ヒ素(亜砒酸)が“希少なもの”であることを前提に事実認定が行われています。その結果、身の回りにヒ素が存在した林氏がカレー事件の犯人だと認定されています。しかし実際には、ヒ素が“希少なもの”であることを示す証拠は検察官から何も裁判に提出されていません。
 
 他方、林氏の冤罪説が広まる中、現場の園部では、あちこちの家にヒ素が当たり前のようにあったかのような説が流布するようになりましたが、それも話が大きくなり過ぎている感が否めません。実際、林氏の確定審においても、林氏がこれまでに行っている計3回の再審請求においても、そのような説が事実だと示す証拠は何も存在しません。
 
 もっとも、事件当時、和歌山や大阪には、林氏の周辺以外にもヒ素は各所に存在したことや、和歌山の白蟻駆除業者が仕事でヒ素を使っていたことは事実です。それは、林氏の裁判でも明らかになっていることです。
 
 それでいながら、和歌山や大阪に存在していたことが判明している各種のヒ素(※質問(1)と質問(2)のヒ素)について、検察官はこれらのヒ素が犯行に使われたものであることを否定する証拠を何も裁判に提出していません。そのうち、事件現場のすぐ近くにある紀北家畜保健衛生所にあったヒ素については、私が取材したところ、犯行に使われた可能性を検証する捜査が事実上何も行われていなかったことがわかりました。
 
 また、夏祭りを行った園部第14自治会の住民たちのうち、少なくとも2軒の家で白蟻駆除を行っていた業者が存在する(※質問(3)の業者)にもかかわらず、この業者が仕事でヒ素を使っていなかったことを裏づける証拠は検察官から何も裁判に提出されていません。そもそも、捜査機関がこの業者について、仕事でヒ素を使っていなかったか否かを調べたのかすら不明です。
 
 誤解なきように強調しておきますが、私は、質問(1)と(2)に出てくるヒ素が犯行に使われた可能性や、質問(3)に出てくる業者に白蟻駆除を実施してもらった2権の家の住人が犯人である可能性を指摘しているわけではありません。
 
 確実に言えるのは、林氏とは無関係のヒ素が犯行に使われた可能性について、警察や検察の検証は甚だ不十分であり、そのせいで本当の犯人を特定できなかった可能性も大いにあるということです。

【お願い】
この記事を良かったと思われた方は、♡マークを押して頂けましたら幸いです。それが更新の励みになります。

いいなと思ったら応援しよう!

片岡健 頂いたチップは記事を充実させるために使わせて頂きます。