見出し画像

映画『青い春』 松本大洋×TMGE

漫画家・松本大洋の同名短編集を松田龍平主演で実写映画化した青春映画。「ポルノスター」「ナイン・ソウルズ」の豊田利晃が監督・脚本を手がけ、原作に収録された複数のエピソードを基に不良高校生たちの閉塞感に満ちた青春の日々を鮮烈に描き出す。男子校・朝日高等学校の3年生になった九條と幼なじみの青木は、仲間たちと一緒に授業をサボって屋上に集まり、柵の外側に立って手を叩いた回数を競い合う危険な度胸試し「ベランダゲーム」をする。新記録を出した九條は学校を仕切る権利を手に入れるが、彼にとってはゲームも学校を仕切ることも無意味なことだった。漠然とした不安と苛立ちを抱えながら退屈な日常をやり過ごす彼らに、やがて進路選択という現実が否応なく突きつけられる。

青い春
2001/日本
配給:ゼアリズエンタープライズ

映画.com

■きっかけは松本大洋

中学3年生のとき、受験前の数ヶ月だけ進研ゼミをやっていた。送られてくる読み物の中に読者投稿コーナーがあって、そこに鉄コン筋クリートのクロとシロのイラストを投稿している子がいた。その絵がとても上手で「へーこんな漫画があるんや。読んでみたいな」と気になった。が、特に何も行動は起こさず。

高校1年生のとき、学校帰りにたまたま寄り道したヴィレッジバンガードで松本大洋の特集をしていた。「あ、これ進研ゼミのやつ」と鉄コンを買って帰った。そこから松本大洋が好きになり、他の漫画も買い集めるようになった。

ヴィレバン寄り道も恒例になった頃、松本大洋短編集『青い春』が平積みになっているのを目にした。映画化ってポップがついてる。『青い春』はまだ持っていなかったので買って読み、映画も見に行くことに。これがどう映画になるんだろう。
映画好きな友達と二人で、シネ・リーブル神戸に見に行ったなあ。帰りにプリクラとって、「しあわせなら手をたたこう」って落書きしたりして。


■THEE MICHELLE GUN ELEPHANTに出会わせてくれてありがとう

オープニング。ベランダゲームを終えて屋上から去る不良高校生たち、スローモーションの中流れる『赤毛のケリー』。これでもう心をつかまれる。木村が学校を去るシーンの『ブギー』もめちゃくちゃいい。そしてラスト、青木の13カウントからの『ドロップ』で息がとまった。

何これ、音楽かっこよすぎるやろ。THEE MICHELLE GUN ELEPHANTか。名前は知ってる。深夜の音楽番組見てるとき、CDのCMが流れてた気がするな。
TSUTAYAに走り、ミッシェルのCDをいくつも借りて、ずっと聞いてた。わずか数年後に解散するなんて夢にも思ってなかった。

この映画がなかったら、ミッシェルのこともチバユウスケのことも知らないままだったかもしれない。この映画を作ってくれて、ミッシェルの曲を使ってくれて、豊田利晃監督、本当にありがとう。


■九條と青木、木村、雪男

映画の中身ももちろん好き。九條と青木、木村、雪男。原作の短編たちが違和感なく共存している。

映画.comのあらすじに「進路選択」って書いてある。それぞれの青い春を描いた映画だと思っていたけど、改めて考えると確かにこれは進路選択、青い春の終わりの話だな。
ヤクザになる木村。罪を犯してしまう雪男。ベランダゲームで記録を残す青木。
九條だけが進む道を描かれていない。九條はどうやって青い春を終わらせるんだろう。「天国だよ、ここは」と言っていた九條は、どうやって学校を去るんだろう。

「先生、咲かない花もあるんじゃないですか?」という九條のセリフがある。咲かないのか、咲きたくないのか、九條の気持ちは少しわかる気がする。私も高校生活は楽しかった。戻りたいかと言われると違う気がするけど、あの頃はずっと今が続けばいいなと思っていた。でもいつかは終わりがくるし、何らかの道を選んで進んでいくしかない。変わりたくないけど、今のままではいられない。10代後半にしかない美しさ、儚さがあるよね。

最後に、今も販売してるかわからないけど、DVDに収録されてるオーディオコメンタリーが面白いのでおすすめ。

#映画感想文 #青い春

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集