なぜ人は物語にお金を払うのか。コンテンツビジネスの根源の話。
「この漫画、500円か。買おう」
なんの迷いもなく、指がタップする。
100ページちょっとの物語に500円。紙の束にインクが乗っただけのもの。電子書籍に至っては、紙すらない。データだ。
存在しない物語だ。
でも、迷わない。
一方で、同じ500円のAI生成小説があったとする。物語としての構造は整っている。起承転結もある。文法の間違いもない。
でも、なぜかほとんどの人は買わない。
同じ「存在しないもの」なのに、片方には躊躇なく500円を払い、もう片方には1円も払いたくない。プロデューサーとして10年以上コンテンツ制作と販売に関わってきた人間として、この不思議について今日は書いてみたいと思います。
先にわたしの結論を言います。
わたしたちは「物語」にお金を払っているのではない。物語を通じて得られる「体験・感情・関係」にお金を払っている。
この構造を、わたしは「物語の入場券構造」と呼んでいます。端的に言えば、コンテンツの値段は中身では決まらない、ということです。
順を追って説明します。
わたしたちは「モノ」を買っていない
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