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スキマ時間に分けたほうが、まとめて勉強するより効率がいいという事実

資格の勉強というと、休日に机へ向かって数時間集中する、というイメージがある。だが記憶の仕組みを踏まえると、その勉強法は必ずしも効率的ではない。むしろ短い時間に分けて何度も学ぶほうが、同じ労力でも定着しやすい。

「まとまった時間が取れないからスキマ時間で妥協する」という話ではない。分けて学ぶこと自体に、まとめて学ぶより優れた点があるという話をしたい。


分散学習という考え方

心理学に「分散学習(distributed practice)」という概念がある。同じ総量を学ぶなら、一度にまとめて詰め込むより、間隔をあけて複数回に分けたほうが記憶に残りやすい、という現象を指す。反対に一気に詰め込む方法は「集中学習」と呼ばれ、短期的には覚えた気になるものの、忘れるのも早い。

古くは1885年、ドイツの心理学者エビングハウスが忘却曲線の研究でこの傾向を示している。以降130年以上にわたって多くの追試が行われ、分散学習の優位性は教育心理学でもっとも再現性の高い知見のひとつとされている。

一夜漬けで覚えた内容が試験の翌日には抜けている、という経験は多くの人が持っているはずだ。あれは記憶が悪いのではなく、集中学習という方法そのものの限界による。逆に言えば、学習を細かく分散させるだけで、記憶の残り方は変わってくる。

つまり5分・10分の勉強を1日に何度か繰り返すやり方は、細切れゆえに非効率なのではない。細切れに分散しているからこそ定着しやすい。スキマ時間の活用は、時間がない人の妥協策ではなく、記憶の原理に沿った合理的な戦略だと言える。


分散学習とスマホの相性

分散学習を実践するうえで障害になるのは、「勉強を始めるまでの手間」である。

短い時間に何度も学ぶということは、それだけ「勉強を始める」という動作の回数が増えるということでもある。ここで紙の参考書は不利になる。カバンから取り出し、該当ページを探し、ペンを用意する——この一連の準備が、5分の勉強に対してはあまりに重い。準備のコストが学習量を上回ってしまえば、そもそも始める気が失せる。

その点でスマートフォンは分散学習と噛み合う。すでに手の中にあり、ロックを解除するだけで学習に入れる。SNSを開くのと変わらない動作で問題演習が始められる。この「始めるまでのコストの低さ」が、1日に何度も学習を繰り返すうえで決定的に効いてくる。

もうひとつ、スマホの問題演習は答え合わせが速い。解答を選んだ瞬間に正誤と解説が表示されるため、紙のように解答冊子を行き来する必要がない。この回転の速さが、短い時間で多くの問題に触れる分散学習と相性がいい。信号待ちの数分で数問を消化する、という使い方が現実的になる。


実際に使うなら

スマホで分散学習を実践するにあたって、筆者が使っているのが「スキマ資格」というWebアプリだ。名前のとおり、スキマ時間の学習を前提に作られている。

特徴を挙げると次のようになる。

  • 完全無料。多くの資格アプリが途中から課金を求めるのに対し、これは基本的にすべての問題を無料で解ける

  • アプリのインストール不要。ブラウザですぐ始められるため、ここでも「始めるまでのコスト」が低い

  • 問題の粒度が分かれている。一問一答・過去問・予想問題があり、5分なら一問一答、時間があるときは過去問、と手持ちの時間に応じて使い分けられる

  • 対応資格が幅広い。簿記・FP・宅建といった定番から、ITパスポート・基本情報・社労士・行政書士・登録販売者・危険物取扱者・電気工事士まで揃っている

分散学習の観点でとくに有用なのが「マイノート」機能だ。間違えた問題を保存し、「なぜ間違えたか」を自分の言葉で記録できる。誤答をただ見返すのではなく、勘違いのポイントを言語化しておくと、次に同じ論点に出会ったときの記憶の残り方が変わる。自分の言葉に置き換えた情報は忘れにくい、という点でも理にかなっている。

会員登録をしなくても問題は解けるので、スキマ資格を一度試してから判断すればいい。


続けるための現実的な設計

分散学習を続けるうえで大切なのは、1回あたりの負荷を上げすぎないことだ。

「今日から毎日1時間」といった計画は、負荷が高いぶん長続きしにくい。それよりも「電車に乗ったら1問だけ解く」程度に基準を下げておくほうがいい。1問のつもりが10問解ける日もあれば、本当に1問で終わる日もある。それでかまわない。1日あたりの量より、学習しない日を作らないことのほうが、分散学習では効いてくる。

まとまった時間を確保できないことに引け目を感じる必要はない。むしろ分散させたほうが記憶には残る。スマートフォンという道具はすでに手元にある。あとは1問解くだけだ。

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