第6夜 不登校からの、特性理解を共有したとき 選び取る支援シリーズ
その日は、学校での話し合いだった。
担任の先生、特別支援の先生、管理職の先生、相談支援員、親。
私は、本人の特性について、
“できる・できない”ではなく、
学校で実際に起きていることを、行動のレベルで伝えた。
・朝、教室の前まで来て入れなくなること
・人が多いと動けなくなること
・何をしていいかわからないと不安になること
・注意されると、どうしていいかわからなくなってしまうこと
・でも、やることがはっきりしていて、安心できる人がそばにいると動けること
ひとつひとつ、学校で実際に起きている場面で説明した。
最初、先生たちは下を向いてメモを取っていた。
「聞いている」という感じだった。
でも、ある瞬間、
ふっと、先生の頭が上がった。
顔を上げて、こちらを見た。
ああ、今、同じものを見た。そう感じた。
やっと同じ目線に立てた気がした。
それまでは、
学校は「来ること」を目標にしていて、
私は「安心して通えること」を願っていた。
でも、同じものを見た瞬間、空気が変わった。
「では、どうやって来させますか?」ではなく、
「この子が安心して過ごすために、今ここで何ができますか?」
という話し合いに変わった。
そのとき、出てきた“できること”は、特別なことじゃなかった。
・朝は教室ではなく、入れる場所からスタートする
・最初にやることを決めておく
・困ったときに行っていい場所と人を決めてみる
・できたことを先生と共有する
・無理な日は、来られただけでOKにする
・困ったことやうまくいかないことを共有する
この子にとっては、全部必要な支援だった。
そして、少しずつ、子どもが変わっていった。
毎日は無理でも、行ける日が出てきた。
「今日はここまで」と自分で言えるようになった。
そのとき思った。
支援って、
できるようにすることじゃなくて、
できる形に変えることなんだって。
「理解してもらえた日」じゃなくて、
「一緒に考えられるようになった日」だった。
から続けてもいいかもしれない。
特性理解はゴールじゃない。
スタートだった。
同じ目線に立てたその瞬間から、
やっと、この子の支援が動き出したんだと思う。
意見の食い違いがあっても諦めずに、
息子の成長をともに考えてくれる人たちとの
出会いを喜びたい。
