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【TV】シュリンキング:悩めるセラピスト season 3

シーズン2終了時点で感想を上げましたが、その後シーズン3が配信され、こちらも終了しました。
3つのシーズンを振り返ると、非常に見事に構成されたシリーズだと思います。
ただ、シーズン4が予定されているらしく、ここで終わった方がいいんじゃない? と思ったりするという点では微妙な気持ちです。
そういう感覚をくつがえすほどのシーズン4を作ってくれるのだと思いますが……

シーズン3が始まって早い段階で、前回登場して強い印象を残した、ジミーの妻を死なせた飲酒運転事故の加害者であるルイスが、ドラマから退場しました。
寂しくもポジティブな退場で、人が去っていったりして人生に区切りがつく、そういった出来事がテーマとして強く意識されました。
ルイスを演じるブレット・ゴールドスタインはドラマのプロデューサーの一人でもあるので、そういう意味ではドラマに出てなくても大丈夫(何が?)なんですけど。

この、人生の区切り、節目といった、人間ドラマとしてはいささか臭い、しかし重要なテーマに多くのメインキャラクターが直面するのがシーズン3の見どころになっています。
ジミーとそのガールフレンド、上司のポール、同僚のギャビー、元患者のショーン、友人のブライアン、隣人のデレクとリズ、そして娘のアリス、それぞれが大きな節目を迎えます。
その中でそれぞれが、今までの自分を捨てて、新しい自分を見つけるところを目撃するのが感動的です。
親との関係などの問題を、必ずしも克服するとはかぎらない、けれども一人ひとりはなんらかの行き場を見つけるといった視野の広さもあり、その点もセラピー的な意義のあるドラマです。

すべてのキャラクターに対して、観ているこちらが家族や友人のように愛情を感じ、彼らの今後を祝福できるのは、シーズン2までに培った蓄積ゆえだなと思います。
どのキャラクターにも、いい面と悪い面があって、「またこいつはこんなことやって!」と、悪い面を見ては笑いながらも呆れる。
でも必ず、いい面も描かれるので、次第に愛情が深まっていきます。
ひとことでいうと、みんなが可愛くて仕方ないという感覚です。

それぞれの人間関係も興味深いですが、特にシーズン1から全体を通じてのテーマとなっているのが、主人公ジミーと上司のポールの関係でした。
シーズン3では、パーキンソン病にかかったポールが、病院で同じ病気を持つ男性に出逢います。
あれ、この人? と思ったら、なんとマイケル・J・フォックスでした。
Apple TVには、パーキンソン病にかかったマイケルを扱った単発のドキュメンタリー『STILL:マイケル・J・フォックス ストーリー』があり、以前観たのですが素晴らしい作品でした。

ハリソン・フォード演じるポールもまた、高い能力で活躍し、大きな業績も残していますが、老いと病に自己イメージの変革を余儀なくされ、それによってジミーとの関係に気づきを得ていくことが描かれていきます。
そんなポールの「パーキンソン仲間」としてのマイケルの姿はとても活き活きして魅力があり、わずかな出番ながら、ドラマ全体に大きな説得力と力強さを与えていました。

ネタバレ回避のためもあってやや抽象的な美辞麗句を並べてしまいましたが、こうした美しい物語を、非常にフランクでユーモラスな語り口で描けるドラマの制作陣、演技陣には驚かされます。

キャラクターの課題が描かれたシーズン1では、彼らは私にとってまだそこまで親しくなっていない新しい友達でした。
シーズン2で彼らへの理解が深まり、愛情が深まり、シーズン3では彼らが新たなステージに進む姿を祝福できる。
なんと見事な三部構成……
と思っていたのですが、シーズン4があるときいて、複雑な気持ちになりました。
とはいえ、物語には結末はあっても人生の結末はそう簡単に訪れないものですので、彼らにまだ付き合える余地があるなら、その方が幸せでもあります。

などと思い入れができるドラマシリーズです。
だいたい1話40分以内で短いのが良いところで、キャラクターが多彩なので最初はのみこみづらいですが、シットコム的な作りのためその把握はあまり苦労しませんので、観やすい作品としてもおすすめです

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