名前のないデパート
眠くてたまらなくてなって眠った日には、
何故かもう会えなくなった家族の夢を見る。
昨日の夢では父と河川敷の夏祭りに行った。
屋台が並んでいてもお祭りに来る人はほとんどいなかった。
盛り上がりに欠けていてつまらなく思えたので、
これからあのデパートに行きたいと父に話してから
腕時計を見ると時計の針が午後二時半を指している。
これから出かけても帰りが遅くなるから、このまま帰ろう
ということになったところで目が覚めた。
夢で思い浮かんだデパートのことはよく知っているけれど、
実在するデパートではない。
夢の中では何度もそこに行ったことがある。
家からそのデパートまでは遠いのか近いのか曖昧で
どこの街にある何というデパートなのかわからないのに
ギャラリーショップに似た雰囲気の、中の様子は思い出せる。
私の夢の世界にだけ在るデパート・・そんなものがあるだろうか。
そもそもそれについて文にするのはとても難しくて
書いて説明しようとすると、するりと手から抜けてしまうような
かたちの無い不確かなものなのだ。
