問題解決のステップ2:問題の分析|システム分析で俯瞰する
解決アイデアを考えるためには、問題の原因を知る必要があります。そのために、問題を分析します。
でも「原因は〇〇だろう」といった思い込みで分析することは禁物です。
問題分析では俯瞰的に分析する、つまり広い視野で全体を把握することが大切です。
問題を「俯瞰的に分析する」ためのシステム分析をご紹介します。
システム分析で俯瞰する
問題の原因は階層になっていて、それぞれが複雑につながっています。
そのことが、問題の要因(主な原因)を見つけることを難しくします。
要因を見つけることは「複雑に絡まった糸をほぐす」ようなものです。
どうすれば、うまくできるでしょうか?
問題の要因を見つけるうえで、俯瞰的に分析することは効果的です。
俯瞰とは「高い所から見下ろすように、広い視野で全体を把握する」ことです。
俯瞰的に分析する方法としてシステム分析があります。
ものごとをシステムとして見ることで、広い視野で全体を把握する分析方法です。
システム分析を行うことで、思い込みにとらわれずに、絡まった糸をほぐすことができます。
システムとは
まず「システムとは何か」を説明します。
ここでは、システムを次のように定義します。
システムとは
複数の要素の集まり
それぞれの要素が働いて、全体で1つの機能を働かせる
全体で働かせる1つの機能を、システムの主要機能と呼びます。
システムを一言で表現すると「主要機能を提供するための集まり」といえます。
自動車を例にして説明します。

自動車をシステムとすると、主要機能は次のように定義できます。
人を移動する
荷物を移動する(運ぶ)
自動車では2種類の主要機能が考えられますが、説明を簡単にするために、上記1だけを取り上げて説明します。
上記1を図で表すと、次のようになります。

このような図をシステム図と呼びます。
図2のシステム図は、次のことを表しています。
「自動車」というシステム全体で、「人を移動する」という主要機能を働かせる
システムの構成要素
システムは「複数の要素」の集まりです。システム内の要素を構成要素と呼びます。
それぞれの構成要素が働いて、全体で1つの機能を働かせます。
自動車には多くの部品があります。つまり多くの構成要素で構成されています。
構成要素(部品)の数はとても多いので、簡単にするために、4つの構成要素に絞って説明します。
車体
内装
エンジン
足回り

自動車システムでは、システムの構成要素である「車体・内装・エンジン・足回り」が協力して「人を移動する」という主要機能を働かせます。

上の図は、システム図に構成要素を加えた図です。このような図にすると「システム全体と構成要素」の関係がよくわかります。
システムとして見ることは、全体を把握する(つまり俯瞰する)うえで効果的な方法といえます。
俯瞰には「高い所から見下ろすように、広い視野で全体を把握する」という意味があります。
次は、さらに視野を広げる方法をご紹介します。
システムの階層を考える
システムには階層があります。
「システムと構成要素」の間には「システムが上位、構成要素が下位」という関係があります。
3つの構成要素を持つシステムについて考えます。
そのシステムを「システムA」とします。また3つの構成要素を「構成要素a・構成要素b・構成要素c」とします。
この場合「システムA」は上位で「構成要素a~c」は下位の階層関係になります。
システムA
構成要素a
構成要素b
構成要素c
さらに視野を広げるために、階層を増やしてみましょう。
「システムA」の上位システムを考えます。上位システムを「システムX」とします。
システムXには、システムA以外に「システムB」「システムC」があるとします。
そうすると、次のような階層関係になります。
システムX
システムA
構成要素a
構成要素b
構成要素c
システムB
システムC
システムには、このような階層があります。
俯瞰する、つまり、広い視野で全体を把握するためには、システムの階層関係を理解することが大切です。
でも、階層関係を文章だけで表すと、少しわかりにくいかもしれません。
その場合は、図で表すとわかりやすくなります。
次は「システムの階層関係を図で表す」ためのシステムの空間図をご紹介します。
システムの空間図
システムの空間図を示します。

システムを中央にして、上側に上位システム、下側に下位システムを配置しています。
上の図では、システムAをシステムとして、次の内容を記入しています。
上位システムの欄:システムX内のシステムを記入
システムの欄:システムAのシステム図を記入
下位システムの欄:システムA内の構成要素を記入
自動車の例を使って、具体的に説明します。
自動車システムの空間図
自動車をシステムとします。システムの欄に、自動車のシステム図を記入します。

次は下位システムです。下位システムの欄に、システム(自動車)の構成要素を記入します。
自動車の構成要素は「車体・内装・エンジン・足回り」です。

次は上位システムを考えます。上位システムの欄には、どのようなシステムが入るでしょうか?
まず、上位システムを何にするかを考えます。
ここでは、道路交通システムにします。
「道路交通システム」内には、どのようなシステムがあるでしょうか?
まず道路があります。
道路上には自分の自動車以外に、他の自動車もいます。さらに交通信号機もあります。
それらを上位システムの欄に記入します。

「自動車(システム)の空間図」を作成しました。
最後に「システムの空間図」を作成することのメリットを考えます。
「システムの空間図」作成のメリット
一般的に「何かを分析する」ときには、そのものだけを見る傾向があります。
例えば、自動車を分析するときには「自動車(そのもの)だけを見てしまう」かもしれません。
そうすると、浅い分析になってしまいます。
浅い分析を避けるために、システム(自動車)だけを見るのではなく、下位システム(構成要素)も合わせて見ることができます。

自動車と構成要素「車体・内装・エンジン・足回り」の相互関係を考えます。
それぞれの構成要素の機能が働くことで「人を移動する」主要機能が働きます。
このような関係を考えることで、深い分析を行うことができます。
次は上位システムとの関係を考えましょう。
自動車と上位システム(道路交通システム)の相互関係を考えます。

自動車は、他のシステム「道路・他の自動車・交通信号機」との関係により「人を移動する」主要機能を働かせます。
自動車を高い所から見下ろす形で、他のシステムとの関係を考えることで、さらに深い分析を行うことができます。
システムの空間図では、空間軸を上方や下方に広げることで、より深く分析することができます。
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Darrell Mann『TRIZ 実践と効用 (1) 体系的技術革新』の「第4章 システム・オペレータ/9画面法」
