柔らか発想法、思い込みを取り除いて大胆に考える方法
「頭が固い!」
「柔軟な発想ができない」
アイデア会議などで、よく聞かれる言葉ですね。
そんな時に役立つ「柔らか発想法」をご紹介します。頭を柔らかくして、柔軟な発想を行う方法です。
ここで、ちょっと記事のタイトルを見てください。
タイトルは『柔らか発想法、思い込みを取り除いて大胆に考える方法』です。
そこには「柔らか」と「大胆」というワードが入っています。
「大胆」には強いイメージがありますよね。それで「柔らか(発想法)」とは逆のように思われるかもしれません。
実はそこに、この発想法の強みがあります。「柔らか発想法」を使えば「柔軟かつ大胆」に考えることができます。
また「柔らか発想法」には、想像力を働かせる効果もあります。想像力は創造力を高めるカギになります。
そんな「柔らか発想法」を具体例を使って解説します。
柔らか発想法
柔らか発想法は「柔軟かつ大胆」な思考を行う発想法です。
その手順は、次のようになります。
思い込みを取り除く
思い込みを取り除くことで、頭を柔らかくする
頭を柔らかくした状態で、大胆に考える
「大胆に考える」とは、次のように考えることです。
・ものごとを恐れずに考える
・普段と違う思い切ったことを考える
「大胆に考える」ことで、ありきたりのアイデアを避けることができます。
さらに「頭を柔らかくした状態で、大胆に考える」ことで、それまでになかったアイデア、画期的なアイデアを生み出せる可能性が高くなります。
柔らか発想法の手順1は「思い込みを取り除く」です。
思い込みは「頭が固くなる」「柔軟な発想ができなくなる」ことの原因になります。そのため、柔らか発想法では「思い込みを取り除く」ことからスタートします。
この「思い込み」は、正確には心理的惰性と呼ばれています。(参考文献1)
心理的惰性が「頭が固くなる」「柔軟な発想ができなくなる」ことの根本原因といえます。
心理的惰性
心理的惰性には、いくつかの種類がありますが、ここでは次のように定義します。
心理的惰性とは:今までの習慣による思い込み
そのように定義する理由を説明します。
まず心理的とは「心の働き、心の状態」といった意味です。次に惰性とは「 今までの習慣、勢い」といった意味です。
それで「心理的惰性」の意味は、次のようになります。
今までの習慣に支配された心の働き、状態
この記事では、思考に焦点を当てていますので「思考における心理的惰性」という観点で、次のように定義しました。
(思考における)心理的惰性とは:今までの習慣による思い込み
次は、思考において心理的惰性が生じる理由を考えます。
心理的惰性が生じる理由
道を歩くときには、普通は歩きやすいところを歩きます。また、安全に歩ける道を選ぶときには、歩きなれた道を選ぶでしょう。
このようにものごとを行うときには、なるべく抵抗が少なくて、安全で楽な方法で行うのが普通です。
思考においても、同様の傾向があります。
何かを考えるときにも、心理的な抵抗が少なくて、安心で楽に考えられる方法で考えてしまう傾向があります。
また、ものごとを考えるときには、今までの知識や経験、他の人の意見の影響を大きく受けます。
例えば
「今まで、そうやってきた」
「みんな、そうしている」
→「だから、そうしよう」
といった安心で楽な考え方をしてしまいます。
やがて、その考え方が思考と行動の型、つまり習慣となります。(参考文献1)
その習慣が、思考における心理的惰性(今までの習慣による思い込み)を生み出します。
このようにして、思考において「安心で楽な考え方→習慣→心理的惰性」という流れが生まれることになります。
でも、この習慣(思考と行動の型)は、必ずしも悪いものではありません。
日常で行う「簡単なこと」「決まったこと」などについては、習慣に従って行うと効率的です。
問題解決においても「普通の(簡単な)問題を解決する」場合には、今までの知識や経験を使って、習慣的な方法で行う方が効率的です。
しかし「今までにない新しいものを考える」「画期的なアイデアを考える」といった場合には、心理的惰性は大きな障害となります。
その代表的な例をご紹介します。
心理的惰性により大発明が遅れた
人は「今までなかったもの/経験したことがないこと」を目の前にすると、心理的惰性が強く働きます。
その結果、頭が固くなり、柔軟な発想ができなくなってしまいます。
過去の歴史を見ても「心理的惰性が働いたと考えられる例」がいくつもあります。心理的惰性は、過去の大発明にも影響を与えています。(参考文献2)
心理的惰性により、ニーズに対して発明が遅れたと考えられる例を2つご紹介します。
1.望遠鏡の発明
望遠鏡の発明は、そのニーズに対して約300年遅れたそうです。
メガネの発明は1300年ごろ、望遠鏡の発明は1600年ごろといわれています。メガネの発明と、望遠鏡の発明は、同じころでも不思議ではないと考えられます。
ではなぜ、このような遅れが生じたのでしょうか?
TRIZ(発明問題の解決理論)では、次のように分析されています。
「2つのレンズを前後に並べて見ると、2重のひずみが生じるに違いない」という思い込みが、望遠鏡の発明にブレーキをかけた。(参考文献3)
2.鉄道の発明
ドラッカーの書籍『ネクスト・ソサエティ』(参考文献4)では、「鉄道の発明がなぜあれほど遅れたのか不思議である」と述べられています。
当時に、発明が行われる条件は、次のように整っていました。
・炭鉱では長い間レールが使われていた
・人や馬より蒸気機関を使う方が良いことは明らかだった
それでも鉄道は炭鉱からは生まれませんでした。そこには、次のような心理的惰性が働いたと考えられます。(参考文献4)
炭鉱で使われていたものは物を運ぶものであり、鉄道は人を運ぶものである
さらには次のような心理的惰性も働いたようです。
「鉄の車輪」が「鉄のレール」の上で滑ってしまい、車両は動かないだろう(参考文献2)
上記2つの心理的惰性が、鉄道の発明の遅れに影響したと考えられます。
(シリーズ記事の「前の記事」での「不可能との思い込み」も影響したと考えられます)
心理的惰性は、望遠鏡、鉄道といった大発明にも影響を与えてきました。
心理的惰性を取り除くことで、頭を柔らかくすることができ、その結果大胆に考えることができるようになります。
「問題解決」や「アイデアづくり」では、心理的惰性を取り除くことが成功のカギになります。
取り除くべき2種類の心理的惰性
「問題解決」や「アイデアづくり」を成功させ、今までにないアイデア、画期的なアイデアを考え出すためには、次の2種類の心理的惰性を取り除く必要があります。(参考文献1)
専門用語の惰性
イメージ惰性
「2つの心理的惰性」の特徴と、それぞれを取り除く方法を解説します。
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