時間は進んでいた。私だけが、あの日から動けなかった。
気づけば、何十年もの時間が過ぎていました。
私は、時間が止まった場所にいました。
けれど、時間は止まってくれませんでした。
春が過ぎ、夏が来て、秋が終わり、また冬が訪れる。
人は年を重ね、子どもは大人になり、新しい命が生まれます。
今、私の前には、3歳になる孫がいます。
昨日できなかったことが、今日はできるようになり、小さな手は少しずつ大きくなっていきます。
人は、たった3年でも、こんなにも成長するのだと驚かされます。
けれど、私の中には、あの日のまま動けなくなった場所があります。
苦しみが消えたわけではありません。
悲しみを乗り越えたわけでもありません。
ただ、時間だけが、何事もなかったかのように流れていきました。
私は、わかってほしいとは思っていません。
気づいてほしいとも思っていません。
ただ、ひとつの事実を書き残しておこうと思ったのです。
どれほど苦しくても、時間は流れていきます。
立ち止まった人を待つこともなく、傷が癒えるのを待つこともなく、昨日と同じように朝はやってきます。
そして、振り返ったときに気づくのです。
時間が進んでいたのではありません。
時間に置いていかれていたのは、私のほうだったのだと。
はじまりの地 橿原✨
世界遺産登録㊗️
