見出し画像

【詩のようなもの】 missing 《3つのお題に空想のひらめきを第38回》



ある小ぢんまりとした

幻想的で楽しい

夜を売る屋台のような

平和な村に

いつからか

ドラゴンが現れ

荒らすようになった

蜥蜴の頭に

獅子の胴体

馬の脚

鷲の羽根と

三日月の鍵爪

竜と言うよりは

合成獣のような

姿だったらしい

ドラゴンは

正しい名前を呼べば

大人しくなると

言われていたが

村人たちが

どんな名で呼んでも

ドラゴンは

静まらない

そこに

一人の浮浪児が

やってきた

彼にはすぐに

目の前にいるのが

名前を忘れたドラゴン

ではなく

名前を付けられなかった

ドラゴンだとわかった

その子にも

名前がなかったから

竜は少年を背に乗せて

飛び立っていき

それ以来

姿を見た者は

いないそうだ

これが

実話に近い話だとしたら

おそらく

ミッシングリンクの

ことだろう

旧時代から新時代への

移行期に

二つの時代の

特徴を併せ持った

進化途上の

生物個体

サンプルが少なく

分類も難しいため

名付けられないまま

見つけられないまま

埋もれてしまう

環境の変化に

どのような

適応や

対抗策を

試みたのかを知る

重要なピースであるにも

関わらず

ゆえに

失われた鎖の輪

ミッシングリンクと

呼ばれる

この物語にも結局

名前は記されていない

ドラゴンの

名も

少年の

名もね







*こちらに参加させていただきました🙇‍♂️
 お題:
 夜を売る屋台
 三日月の鍵
 名前を忘れたドラゴン
 トップのイラスト


#3つのお題に空想のひらめきを第38回 #詩のようなもの #現代詩 #自由詩 #詩 #創作

いいなと思ったら応援しよう!