【詩のようなもの】 a speech to you 《3つのお題に空想のひらめきを第36回》

夜の湖で星を釣る漁師がいた
魚がかかり水面が震え星は消える
光と闇と
雨と風に
名前をつける少女は
眠れない龍のための子守唄を
今日も歌う
こんな古い唄が残っています
この唄はある農村地帯が発祥で
眠れない龍とは
夜に眠りたくとも
眠ることができずに
龍とならざるを
得なかった者のことを指します
つまりこれは
天候不順などの影響で
作物が実らず
生計を立てることが
できなかった農家が
やむを得ず
娘らを遊郭などに
売らねばならなかった
厳しい現実を表しているのです
日本においては
20世紀初頭
夜の仕事に従事する女性の
およそ四分の一は
東北地方の出身者で
占められていたという
警視庁の公式統計データが
存在します
唄には
娘を手放した
親の無念や懺悔
離れていった
姉や妹たちを想う気持ちが
込められています
話を現代に移すと
人類は今
宇宙開発や
火星への有人飛行を目指しています
仮に
それが成功したとして
人間が火星に到達した歴史を
壁画などに残すとする
それは
何十万年か後に
どのような物語や唄として伝わるか
想像できるでしょうか
私たちは
人として伝えられるのか
龍として伝えられるのか
あるいは
別の何かか
残念ながら
私には想像もつきません
ですが
想像できなくとも
伝わる可能性はあります
私の想像できない
歴史の中に消えていった
多くの幼い娘たちが
事実として
いたように
どうかこれだけは
忘れないで下さい
想像がつかないことと
可能性の有無は
全く別なのです
可能性は時に
自分の想像が及ばない次元で
知らぬうちに芽生えたり
知らぬうちに潰えたりを
しています
it's a small world
有名な歌ですね
世界は小さい
そのとおりです
ですが
生命とは
想像力とは
可能性とは
それほどまでに
儚く
それでいて
深い
ものなのです
皆さんの
生命と
想像力と
可能性に
祝福を
ご卒業
おめでとうございます
*こちらに参加させていただきました🙇♂️
お題:
星を釣る漁師
風に名前をつける少女
眠れない龍のための子守唄
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