「冬なん春なん」Ep.07 ゴールデンなのに映像チャレンジが凄い、日テレさん流石太っ腹!今泉作品は今回のチャレンジで新しいレベルに昇華“1/fゆらぎドラマ” ?視聴者の感性の逍遥が余白
文菜の部屋に山田と一緒にいるシーンで、差し込む弱い日差しの中で、文菜がベッドに横たわる構図と陰翳は、エドワードホッパーの代表作“Morning Sun” より美しいと思います。ホッパーや谷崎の陰翳の暗さや孤独を超えた優しさを感じます。そして、文菜と山田の続かない会話に、二胡の死を悼む “Silence as kindness”を感じます。
Ep.07は「人間って、なにがなんだかよくわからないが」テーマかな?別々に生れて、偶然出会って、別々に死んでいく、その共有する時間とその関係性とは?という問題を俯瞰して考えてしまう文菜と山田。その象徴が、山田の回想のシネマスコープの3分間(?) 全く関係のない、三組の人間が偶々、自販機の飲み物の入れ替えを待つ時間を共有するだけのシーンをシネマスコープの固定カメラで淡々と描写する、わずか数分の共有時間が三組の心を少しだけ近づける。人間の共有時間と心の近づきに気づかされる山田。
ゴールデンのテレビドラマで、突然登場した動きの少ないシネマスコープはチャレンジングだと思います。今泉さんと、今回の山田卓司監督とカメラマンのナイスコラボでは?そのままの、テレビフレームでは、ほとんど放送事故?OK出してる日テレさんえらい!
今回の作品はストレートな余白ではなく、間合いですかね?画面の縦横比だったり、三組の立ち位置のちょっと間を開けた均等割りなど。そこから視聴者自身の感性の逍遥が余白ですかね。
「二胡の死に触れて、文菜、ゆきお、山田、エンちゃん…“今、生きていること”を実感した登場人物たちのさまざまな感情が動き出す」という7話の予告が、上手く回収されていたと思います。
エンちゃんと古着屋、コタロウとラーメンという揺れる文菜との対照軸がいいですよね。
しかし、杉咲花さんはいい女優になります。【1/fゆらぎ】(歌手のMISIA、美空ひばり、宇多田ヒカルや俳優・ナレーターの森本レオの声)を演じられる貴重な演者。彼女の演技の周波数が脳に響きます。ろうそく女優と呼びたい!
私が、最初にびっくりした【1/fゆらぎ】は、宇多田ヒカルのAutomaticでした。
宇多田ヒカル - Automatic
