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諏訪の真澄

朝から思いがけない出会いがあった。
快活CLUB諏訪赤沼店を朝出ると、スポーティな服装の青年が声を掛けてきた。日本一周中の幟が目を引いたらしく、同じく自分も自転車で日本一周をしているのだという。昨晩入店した時に、荷物を沢山積んだ自転車が止まっているなと思っていたが彼のものだったらしい。聞けば途中でアルバイトもしながら、もう一年半も自転車でずっと全国を回っている。我々はまだ20日くらいのものなので、とんでもない大先輩だ。団子やカロリーメイト、エナジーゼリー等、いかにもエネルギー吸収に効率の良さそうなものたち、自転車に積まれた荷物、立ち居振る舞いから旅慣れの感が強く伝わってくる。また山梨県あたりで会おうと握手をして颯爽と去っていく。自分たちが現在進行形でやっている事を同じようにやっている人と初めて遭遇し、その異質さをはたから見てやや感じてしまったのも事実である。

さて、少しして発った我々は諏訪湖の眺望がいいと評判の立石公園に向かった。かなりの勾配の坂の脇には家々が続いており、諏訪の土地の使い方を感じさせる。とてもじゃないが軟弱文化部野郎が自転車で来るところではなく、ほとんどを押して登った。この旅を始めて今のところ、山間の道を進むことが多く、車の重要性を認識させられる。東京に住んでいた頃は坂も少ない土地に暮らしていたし、電車やバスはありとあらゆる所を走り回っていた。地方に行けばそうもいくまい。全く違う生活のスタイルがあるのだ。

立石公園からの眺めは絶品だった。
標高にして200メートル程登ったであろう山からの景色は湖を一望でき、その周りに所狭しと佇む街がハッキリとわかる。


立石公園のさらにその数段上に、さくら広場というものがあり、そこからの眺めもまたさらに良かった。相方は1人そこに残り曲を作るという。
自分はそこにいても何もすることはないので、立石公園を少しぶらついてから坂を降りた。長い長い坂をずっと降った先、どんつきにあったのがCella MASUMIだった。
長野県に来てからというもの、初めから最後まで景色はずっと良くてシャッターを押す手が止まらず、さらに蕎麦や野沢菜、おやきから山賊焼まで食べ物もたっぷり堪能していた。しかし唯一お酒を味わっていなかった。自転車旅ということでアルコールを飲めるタイミングが限られているというのもあるが、長野に来た以上呑まないわけにもいかないだろう。
ちょうどいいやと思い店内に入り、グラス付きのいかにもなお土産セットを買った。



諏訪からその日の最終目的地であった、山梨県北杜市に入りゲストハウスへと辿り着けば、17時過ぎであったがあたりは真っ暗になっていた。それでも手元におつまみがない。これではなんだかと思いコンビニへと買い出しに向かう。片道4キロのアップダウンありと長距離走ってきた身体にはなかなか酷な道であったが、それよりもおつまみが何も無いというのは許せない。なんとか億劫な体に鞭を打ち駆け出す。荷物は全て下ろしているので本体はとても軽やかだ。往復30分ほどで宿に帰り着きまずはビールと思ったのだが、ここで私はとんでも無い失態を犯した。なんとビールを買い忘れていたのだ。おつまみのセレクトに夢中になるあまりだ。
だがそれに気づいた時はそこまで深刻に捉えていなかった。このゲストハウスにはお酒の自販機があるのだ。本当はサッポロの黒ラベルが飲みたかったが、まぁ仕方ない、どの銘柄のビールがあるのだろうと自販機へ向かうと古い自販機は不揃いに準備中という赤いランプを付けていた。
生ビールが飲みたい。そんな衝動がずっと渦巻いている。そんな中発泡酒や第3のビールを飲んだら、かえってガッカリしてより後悔してしまうのでは無いか?
結果妥協して選んだのはこれだった。

背景がごちゃごちゃしていてすいません

久しぶりに飲む氷結レモンサワー。
なんだかお酒飲み始めた頃を思い出すような、懐かしさすらある味。クールな飲み口と、後味に残るレモン。これもまたなかなか美味しい。レモンサワーも良いなと改めて思った瞬間だった。


というわけでいよいよ本題の真澄。

相変わらず背景が汚い

このセットに入っているのは真澄 辛口ゴールドだそう。

まずは冷やで。
キリッとした味わいでとても飲みやすい。口当たりもサラッとしていて、まさに澄み通ってる感じだ。料理と合わせるのも楽しいだろうが、貧乏旅を続けている我々にはそこまでの余力はなく、最初のおつまみは少し前にもらった安曇野わさび味のチップスター。

背後にわたなべ

いつものチップスターにツンとワサビ味。脳内で頑張って変換すればちょっとした料理を食してる気にはなれる。さらにさもしいおつまみは、ちくわに醤油。これもしかし結構いける。
この2つで半分ほど呑んで、残りは燗にしてみることにした。

日本酒を普段呑まないもので、実は熱燗の経験がほとんどなかった。これもまた美味しいものだと初めて知る。
温めたことで辛口のガツンと来る感じが増して、とろっとした口当たりにもなる。香りがより立ってきて、あまり感じなかった木っぽい風味が感じられた。
邪道なのかもしれないが、最後のおつまみはクランキーチョコレート。甘さが口の中で溶けて酒と交わるとただそこには幸福感があるのみだ。酔いが回ってきて繊細な味などはよくわからないが、良い組み合わせだと私は思った。

これからもビールだけでなく日本酒を色々と味わっていきたいと思える経験であった。

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