🔰税理士に聞く メルカリもゴルフ会員権も?譲渡所得とは何ですか
「売ったら儲かった!」の裏で税法は何を見ているのか
【登場人物】
ミカ:不用品を売ると税金がかかるのか心配になる人。
教授:古い掛け軸を見ると、値段より先に税金を考えてしまう税理士。
譲渡所得って何ですか?
ミカ:教授、物を売って利益が出たら全部税金がかかるんですか?
教授:いいえ。資産を譲渡して得た利益を「譲渡所得」といいますが、全部が課税されるわけではありません。
ミカ:譲渡って売ることですか?
教授:売るだけではありません。交換、競売、財産分与、現物出資など、資産を移転させる行為全般が含まれます。
ミカ:税法の世界では「さようなら」をしたら譲渡なんですね。
教授:そうです。別れ方はいろいろあっても、税法は見ています。
どんなものが譲渡所得になる?
ミカ:土地や株くらいですか?
教授:もっと広いですよ。
土地、建物、株式、ゴルフ会員権、金地金、宝石、骨董品、船舶、著作権、特許権など、かなり幅広く含まれます。
ミカ:骨董品まで?
教授:はい。税法は古伊万里にも興味があります。
ただし、貸付金や売掛金などの金銭債権は譲渡所得にはなりません。
メルカリで売った服に税金は?
ミカ:洋服や家具をメルカリで売るのは?
教授:そこは安心してください。
家具、家電、通勤用自動車、衣服など、生活に通常必要な動産を売っても原則として課税されません。
ミカ:全国の断捨離好きが安心しました。
教授:ただし例外があります。
宝石、貴金属、書画、骨董品などで、一個または一組30万円を超えるものは課税対象になり得ます。
ミカ:祖父の壺が500万円だったら?
教授:その壺は急に税務署と仲良くなる可能性があります。
株と土地は別計算
ミカ:株や土地も同じですか?
教授:違います。
土地や建物、株式などは分離課税です。
給与所得や事業所得とは別に税額を計算します。
一方、ゴルフ会員権や金地金などの多くは総合課税です。
ミカ:同じ譲渡所得でも仲間が違うんですね。
教授:税法のクラス分けは複雑なのです。
ゴルフ会員権も譲渡所得
ミカ:ゴルフ会員権も?
教授:はい。
購入時より高く売れれば譲渡所得になります。
ミカ:ナイスショットだけでなくナイスタックスですね。
教授:税務署はスコアより利益を見ています。
会社にタダであげても譲渡?
ミカ:自分の土地を会社にタダであげたら?
教授:そこが怖いところです。
法人に贈与した場合でも、時価で譲渡したものとみなされることがあります。
ミカ:タダであげたのに?
教授:税法は「実際の値段」より「本来の価値」を見ることがあるのです。
ミカ:親切心が課税されることもあるんですね。
教授:税法は善意を否定しませんが、時価も忘れません。
継続的に売買すると事業所得?
ミカ:最近、ネットで大量に転売している人もいますよね。
教授:そこも重要です。
継続的に売買している場合は、譲渡所得ではなく事業所得や雑所得になることがあります。
ミカ:趣味で売るのと商売で売るのは違う。
教授:毎日メルカリに出品していると、税法も「これは事業ですね」と考えることがあります。
実例① 自家用車を売った
ミカ:300万円で買った車を100万円で売りました。
教授:生活用動産ですから、通常は課税されません。
ミカ:ほっとしました。
実例② 金地金を売った
ミカ:金を買って値上がりしたので売りました。
教授:これは譲渡所得の対象です。
給与所得などと合算して総合課税になります。
ミカ:最近、金価格が高いから注意ですね。
実例③ 土地を売った
ミカ:昔買った土地を売って利益が出ました。
教授:土地建物の譲渡は分離課税です。
他の所得とは別計算になります。
ミカ:土地だけ特別扱いなんですね。
教授:税法も土地には一目置いているのです。
まとめ
ミカ:結局どう覚えればいいですか?
教授:こうです。
「資産を売って得た利益は譲渡所得になることが多い。」
「生活用品の売却は原則非課税。」
「土地や株は別計算、継続的な売買は事業所得になることもある。」
この三つです。
ミカ:最後に一言お願いします。
教授:税法は「何を売ったか」「どれくらい継続しているか」「何のための資産か」を見ています。
ミカ:つまり、古い服を売るのと、毎日ネットショップを開くのでは話が違うんですね。
教授:その通りです。
税法は「不用品整理」と「商売」をちゃんと見分けているのです。
