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歴史と文化が薫る 摂津国霊場巡礼記56 不動寺

第八番 大聖山 不動寺――丘の上の聖地、豊中の住宅街に往時の霊気を感じました

阪急箕面線・桜井駅で降り、南へ歩きます。あるいは宝塚線・石橋阪大前駅から東へ。ふたつの駅に挟まれたその先に、丘陵の上へと続く道があります。第八番・不動寺は、その高みにありました。



丘の上の聖地
現在の寺院の周囲は住宅街です。区画整理された道路、並ぶ一戸建て、近くには学校や商業施設。どこにでもある北摂の住宅地の風景です。しかし不動寺の境内に立ち、少し想像力を働かせてみると、ここがかつてどんな場所だったかが見えてくる気がします。

丘陵の上という立地は、古代から「聖地」の条件のひとつでした。見晴らしがよく、風が通り、周囲を見渡せる高所に、人々は霊的な力を感じ、祈りの場所を設けてきました。現在は住宅開発によって眺望こそ遮られていますが、かつてここからは大阪平野を広く見渡せたはずです。豊中・箕面の丘陵が連なるこの一帯は、そういう地形的な霊性を持つ場所なのでしょう。

不動寺という寺名が示すように、御本尊は不動明王です。山岳信仰や修験道と深く結びついた不動明王を、丘の上に祀るというのも、この場所の来歴をよく物語っています。寺伝によれば、平安時代に弘法大師によって創建されたと伝わります。


本堂 大師堂
大師堂
護摩堂


境内にて
境内に入ると、住宅街の中にいることを一瞬忘れさせる静けさがありました。大阪市内の札所とは明らかに空気が違います。都市の密度が薄れ、緑の気配が増し、足元の土の感触も変わってくる。北摂エリアに入った実感が、ここで初めてはっきりしました。

本堂入口
不動明王像


本堂はコンクリート造りで再建されたものですが、本尊の不動明王は緑青色の壁板に線刻されており、独特の雰囲気があります。本堂横の木造護摩堂もまた、境内の静けさに深みを添えていました。

朱印
境内にて

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