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GPTs で生まれる最高のビジネスパートナー!GPTs 作りから生成AI活用の勘所を探ろう!

はじめに

なかにしです。私はナレッジコミュニケーションで Azure OpenAI Service を用いた開発に携わっており、ありがたいことに多くの Data&AI に関連する挑戦的なプロジェクトのお手伝いをさせて頂いています。

ほとんどのお客様の生成 AI に対する期待値は「自社データを投入した業務アシスタントを作りたい」というものです。

しかしながら、生成AI ができることの用途が非常に広範囲かつ業務・システム領域を横断することに起因し、まだまだ「自社データを投入して役に立つなにかを作る」から解像度を上げるのが難しい印象を受けています。

そこでこの記事では非技術者の方も含め GPTs を作成の手順を交えながら生成 AI の活用例と勘所をまとめ、 生成AI が本来得意とする領域を活かしたユースケースの一例として AI マネージャーボットを作りましたので紹介させてもらいます。

みなさまが自分のビジネスで生成 AI を活用するヒントになれば幸いです。

上記が今回紹介する私が所属するナレッジコミュニケーションのコアバリュー(行動規定)を投入したGPTs「ナレコムくん」です。なおナレコムくんは所要時間 30 分弱で作成できました。

この記事が皆さんのさらなる生成 AI 活用の一助になれば幸いです!


GPTs とは?

GPTs は ChatGPT をユーザ自身がカスタマイズする新しい機能です。
自分の用途に合わせてカスマイズし、自身や自社にとって役立つオリジナルな ChatGPT に調整することができ、それらを URL の形式で配布することができます。

GPTs を使うことで出来ること

具体的にはユーザー独自に以下の調整を行った GPT を外部に展開できるのが魅力となっています。

  1. インストラクション (指示)
    プロンプトによって会話スタイルなどを GPT に指示をできます。

  2. 知識の追加 
    PDF や WEB サイトなどの情報を明示的に与えることで、特定分野のトピックに関する理解を向上させます。

  3. スキル
    GPT が実行する処理や発揮する能力を指定します。特定の業務遂行や、特定の形式で情報を出力することを指します。

つまり「独自の情報」をもって「してほしい振る舞い」を行う ChatGPT が出来てしまう訳です。すごい!

ChatGPT だから出来ることを改めておさらい

とは言え上記だけでは「すごそうな ChatGPT」で「なんでも作れる」ようにうなった。くらいの印象の方も多いのではないでしょうか。

ChatGPT が得意としているのは「文章を生成する=言語化」することです。膨大なデータセットを元に妥当性の高い文章を生み出すことに長けています。

ChatGPT が出たから出来るようになったことは、この MS 畠山さんの資料で整理されています。

「文章を生成する=言語化」することが新たに出来るようになったタスクとしてまとめられていますね。

GPTs をビジネスで活用するために

ビジネスの観点でカスタマイズ GPT を活用するために「言語化」のプロセスと GPTs によりカスタマイズされる領域を私なりに整理をしてみました。

筆者が作成したイメージ図

上記の図のように「独自のデータ」は言語化のプロセスの中で大きな影響を与えます。とは言え、独自のデータを与えるだけでは生成 AI が得意とする言語化を活かしきれないと考えています。

そこで「ナレコムくん」という疑似キャラクターを用いて所属組織の文化を理解した最高の同僚作りから、生成 AI の汎用的な活用アプローチを考えていきたいと思います。

「ナレコムくん」において投入したデータとプロンプト

ナレコムくんは私が所属するナレッジコミュニケーションの行動規定である CULTURE DECK を利用しています。

行動規定のドキュメントを採用したのは以下シナリオにも転用できると考えたためです。

  1. 仕様書や法律などの判断基準となるドキュメントを元にした業務

  2. 経理規定や労務規定などの社内文書を用いた総務業務

  3. 採用や昇進など一定基準が設けられている人事業務

  4. 組織文化を定着させるためのマネジメント業務

いずれも言語化された文章を実務担当者が抽象化し、各自のシチュエーションに応じて行動が要求される場面かと思います。

GPTs の設定画面は以下のように設定しています。

ナレコムくんの GPTs 設定画面

Instructions には以下を入れています。


あなたはナレッジコミュニケーションというコアバリュー経営を最重視する会社で最もカルチャーフィットをした優秀な幹部社員です。
第二創業期を迎えた会社のなかで、私の役割はカルチャー醸成のためのコーチングと OKR の活用による個人の目標達成の育成です。
あなたは分かりやすさと親しみやすさを持って中学生が理解できる言葉で個々の置かれる状況に対し、コアバリューと行動指針を照らし合わせ前向きな行動を促すための認知行動療法に基づいたコーチングが必要です。
アイデアを出すだけではなく、アイデアに対するアクション、アクションを遂行するための直近タスクの例示もセットでお願いします。
・・・ (続く)

ナレコムくんプロンプトから抜粋

プロンプトを検討するにあたり以下の論文を参考にしています。

認知行動療法を元にした応対を指定することで「コンサルティング」「カウンセリング」「コーチング」「メンタリング」を使い分けた応答をしている印象です。

オリジナル業務アシスタントAI 「ナレコムくん」

ナレコムくんはカルチャーデッキというドキュメント=データを元に「アイデアの言語化」と「直近ですべきアクションの抽出」というタスクをこなします。

ビジネスシーンにおいて独自データとカスタマイズされた指示によって出来ることは、大まかに4つに分けられるのではないかと考えています。

  1. データに対する問い合わせ
    ex. この文章の「~~」をわかりやすく教えてください
    ex. 「~~」についてはドキュメントのどこを参照すべきか

  2. 一般化された仕組みへの独自情報の適用
    ex. OKR のフレームワークで目標立案をしてほしい
    ex. アジャイルの考え方で振り返りを行いたい

  3. 抽象化されたテーマへの独自情報を用いた方針立案
    ex. 売上を上げる方法を考えたい
    ex. 仕事で困っているので相談したい

  4. 独自情報に対してルール適用を行った際の整合性の担保
    ex. 採用面接で応募者を適切に評価するための質問を考えたい
    ex. 成果物が自分たちの組織が求めるクライテリアに達しているか確認したい

いずれもビジネスにおいて「判断」を実行するための材料提示となると考えています。この 4 テーマの中からビジネス上、最も価値を生むシナリオに対して GPTs でのモックアップ作りを行い、チューニングやシステム開発を考えていくのはリーズナブルなアプローチなのではないかと考えています。

では、ここからナレコムくんの応答を見ていきましょう。

4 テーマに合わせた対応を整理するために以下の Conversation starters を設定しています。

  • コアバリューってなあに?

  • 自分の OKR について考えたい

  • こういうときはどうすればいいの?

  • ナレコムの一次面接を体験したい

各 Conversation starters に対応した応対をするために、Instructions に上述の文章に加えて以下を加えています。


それぞれの Conversation starters には以下のように対処してください。

# コアバリューってなあに?
平易な言葉でわかりやすくかつ親しみやすさを重視してください。
またどうして聞くことになったかを状況確認含め聞き返すことで情報を取得し対話してください。また語尾には「コム」をつけてください。

# こういうときはどうすればいいの?
親しみやすい上司として具体的な業務状況の把握を、背景・期限・自身の期待値を回答できなくてもいいとあくまでコアバリューを元に企画立案するとして伝えながらヒアリングをしてください。同時に回答フォーマットを提示してください。■背景 ■期限 ■自分はこうしたい を箇条書きです。
ヒアリングの上で即座に実行できる具体的なアクションとアクション計画を立案し、それらが行動指針のどれに当てはまるものかを示唆してください。これらは端的かつ可読性の高い出力表現でお願いします。アイデアを出すだけではなく、アイデアに対するアクション、アクションを遂行するための直近タスクの例示もセットでお願いします。

# 自分のOKRについて考えたい
親しみやすい上司としてふるまい、コアバリューを元にOKRのプラニングを行うために必ず ヒアリングを最初にしてください。ヒアリングフォーマットは ■前評価期間振り返り ■チームとして感じる課題 ■自分が達成したいテーマ
このヒアリングを行った上で質問者の OKR と実行すべき直近1ヶ月のアクションとアクション計画を立案し、それらが行動指針のどれに当てはまるものかを示唆してください。これらは端的かつ可読性の高い出力表現でお願いします。アイデアを出すだけではなく、アイデアに対するアクション、アクションを遂行するための直近タスクの例示もセットでお願いします。

# ナレコムの一次面接を体験したい
コアバリュー面接シートの内容を元に質問を開始する。質問例からどのコアバリューに関することを聞きたいことを明確にして質問する。
応答に対して必ず一度は構造型質問を行う。質問に対する回答があった場合はコアバリュー観点でのフィードバックを行った上で次の質問に移行してください。

ナレコムくんプロンプトから抜粋

① データに対する問い合わせ

「コアバリューってなあに?」が該当します。

わかりやすい說明とドキュメントの参考箇所を明示してドキュメント内の情報を說明してくれています。今回は行動規定ですが GPTs では高度な分析機能も提供されているので計算処理などの結果の出力も可能です。実際の対話ログはこちらです。

コアバリューをコムコム教えてくれます。

② 一般化された仕組みへの独自情報の適用

「自分の OKR について考えたい」が該当します。ここから生成 AI の活用のアイデアが拾えていけそうですね。『OKR』という目標達成フレームワークをベースに社内の行動既定をベースに直近アプローチを立案していきます。対話している URL はこちらです。

質疑応答から OKR を設定しています。
一般的なフレームワークと独自データの関連性を提示しています。

このように一般的なフレームワークと独自情報を合わせた言語化を行ってくれます。競合情報と自社情報を加えた SWOT 分析アンケート情報などに対する KPT などの振り返りフレームワークの適用での利用も検討できそうですね。

Conversation starters にないのですが「1on1」の壁打ち相手も当然ながらこなしてくれます。プロンプトで応答の基本スタイルを指示しているので自社の文化を理解した上司のように振る舞ってくれます。画像の元ネタはこちらです。

「コム」を忘れないことがどういうことがわからないが、、1on1 をできる

③ 抽象度が高いタスクのサポート

「こういうときはどうすればいいの?」が該当します。対話を元に問題の特定からプロンプトで指定した認知行動療法に基づいたサポートプランを提示し、独自データである行動規定との関連性を解説してくれています。対話 URL はこちらです。

理想的な上司ムーブを取るナレコムくん

抽象度の高いタスクを生成 AI で実行する場合には背景と解決の方向性を部分的にでも示すことで独自データを照合した回答を生成しています。

どんなときもコアバリューとの整合性を意識する!

④ 独自情報に対してルール適用を行った際の整合性の担保

「ナレコムの一次面接を体験したい」が該当します。このタスクをこなすにあたっては弊社の面接ガイドラインもデータとして加えています。

弊社の一次面接は以下記事を参考にパフォーマンス・ベース・インタビューを取り入れた構造型面接を行っています。対話URLはこちら

唐突に始まるビッグテック水準の面接
「構造型質問」も解説しながら問いかけしてくれる

「カルチャーデッキ」と「面接ガイドライン」をかけ合わせ面接官としてのふるまいをこなしているのが確認できますね。

標準化された情報と特定の業務シチュエーションで利用される情報を活用した業務シナリオにも対応できることが確認できるかと思います。

プロジェクトにおける計画書と議事録の整合性のチェックや自社で標準化された基準と過去の稟議結果との照合などのシナリオで採用できそうですね。

ビジネス活用に向けた考察

ナレコムくんの「出来ること」を通してビジネスで転用を模索してみました。GPTs や Copilot など技術的な刷新は今後も目まぐるしいですがビジネスで活用するための軸はすぐには劇的に変わらないと考えます。

私自身の学びや気づきを書いていきます。

成果を出すにはビジネス上のアウトプットを意識する

生成 AI はあたかも全てをやってくれるように思ってしまいますが「決断」は人が行うタスクとして行い続けます。

ビジネスで必要となる「決断」を行うためにアウトプットが前提になることを考えると、どこまでが人がワークしてアウトプットを作るのか。そのために必要な情報の生成をどこまで AI が出来るのかを見極めるのが大事に思えます。

近い未来、更に多くのことを AI に任せることになるからこそ考えていきたいですね。

生成AIは抽象度が高いモノゴトの言語化が得意

「ナレコムくん」を通じての気づきは、やはり生成 AI の言語化能力の高さです。抽象的な概念である「企業文化」もコンテキストを理解してコーチングやアクションプランの立案を行っていました。

このスキルは管理職で要求されるコンセプチュアルスキル、カッツモデルで分類される各スキルの補助的役割を生成 AI が担っているとも言えます。

コンセプチュアルスキルとは?高め方や構成要素をわかりやすく解説(スマカン) から引用

あらためて我々に求めるのはなにを決めて、実際に行動するかという世界になっていくのかと思うと共に生成 AI と対話するため対話スキルが高いレベルで要求されていくと思います。

Microsoft は Copilot の会社になったようです

また Microsoft もセンセーショナルに生成 AI に注力をしている状況です。現在開催中の年次イベントにおいてあらゆるものが Copilot という名称がつくリブランディングを行っています。

この Copilot が提供する世界観は以下のポストで端的にまとめられていました。「仕事」で出来るタスクはどんどん生成 AI を使うことで代替されていきそうですね!

今後は単なる人のタスクの代替に留まらずシステム同士の生成 AI による対話などで自動化は一気に進んでいきそうですが、どんな指示をして結果を得たいか、どう決断をするのかという人間の役割というのはまだ無くならないと思っています。。!

まとめ

いかがでしたでしょうか。「ナレコムくん」を作ることで、あらためて生成 AI が威力を発揮できる利用方法を模索していきました。

GPTs は数十分もあればオリジナル GPT を作れてしまうので「こういうことが出来たら嬉しいな」をモックアップ作りを通して試せるのがいいですね!

またナレッジコミュニケーションでは「Musubite」というエンジニア同士のカジュアルトークサービスを利用しています!この記事にあるような生成 AI 技術を使った仕事に興味がある方はぜひお声がけください。

今後も生成 AI やクラウドサービス、エンジニア組織についての気づきを発信していきたいと思います。お楽しみに!

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