クヨクヨする力
たまたま立ち寄った先で、ちょっと面白そうな本を見つけたので、借りて来ました。

中谷彰宏(実業之日本社)
「クヨクヨする人が、いいモノを書ける。」
そんな一節がありましたので、部分的に引用してみます。
モノを書くのに、人づき合いが良いということはあまり関係がありません。
大事なのは、「観察」と「悩むこと」です。
この人は、私のことを嫌っているんじゃないかな、とクヨクヨ考える人でないとダメです。
「みんな、私の悪口を言っている」という強迫神経症のギリギリいっぱいのところまでいくことです。
いってしまうとダメなのです。
異常と正常の間のギリギリのところを、行ったり来たりする状態で書いていくのです。
(中略)
内向的というのは、結局話さない人ではなくて、自分と話す人のことです。
(中略)
モノを書くのは、結局1人でやるわけだから、自分と話す人でないとできないのです。
御意!
僻みっぽく、劣等感が強い。
その癖プライドが高い。
自意識過剰。
あーでもないこーでもないと悩みクヨクヨする。
女々しい男の代表、それはまさに太宰治です。
中学時代には、太宰治に夢中になっていました。
天才だと思いました。
その後たくさんの天才に出会い、今また、ちょっとした空き時間に、青空文庫で太宰治の短編を読んでいます。
「生まれて、すみません。」
「恥の多い生涯を送って来ました。」
こんなところが、鼻につく人もいれば、心を揺さぶられる人もいます。
今改めて、太宰治の文章の巧みさを味わっています。
クヨクヨするのはネガティブに捉えられがちですが、クヨクヨするのもひとつの能力だと思います。
クヨクヨする人は細かいことに気がつく、思慮深い人です。
どうでもいいような些末な言い回しにこだわって、とことん推敲するのも、クヨクヨする人ならではだと思います。
クヨクヨを力ずくで封じ込め、前を向くこともいいでしょう。
わたしはクヨクヨを飼いならし、宥めながら、今日もあーでもないこーでもないと迷っています。
