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創造性とケア――こころに触れる思考 第2回:不安と創造――揺らぎの中で生まれるもの


不安になると、私たちは「落ち着きたい」「安定したい」と思いますよね。心が揺れるのは苦しいことですし、それをどうにか鎮めたくなるのは、きっと誰にとっても自然なこと。でも、不安や揺らぎって、ほんとうに「悪いもの」なのでしょうか?

今回は、「不安」と「創造」が実は深くつながっているかもしれない、という視点からお話ししたいと思います。

何かをつくりたくなるときって、必ずしも気分が良いときばかりじゃないはずです。むしろ、もやもやしているとき、未来が見えなくて落ち着かないとき、自分でもよく分からない気持ちを抱えているとき。そんなときこそ、絵を描いたり、言葉を書いたりしたくなる。

不安とは、「今ここにあるもの」がしっくりこないとき、「これからどうなるんだろう?」という問いの中で生まれてくるもの。そして創造は、その問いの中で、自分なりの「答え」ではなく「手触り」を探していくプロセスなのかもしれません。

精神分析の世界では、不安や空白は「創造の土壌」としても語られています。たとえば、精神科医ウィニコットは「人が創造的に生きるには、安心して“揺らげる”空間が必要だ」と言っています(※1)。

不安を消そうとするのではなく、その揺れの中にとどまりながら、そこにほんの少しのかたちを与えていく。言葉にする、描いてみる、音にしてみる。それだけで、気持ちがほんの少し動き出すことがあります。

創るということは、すべてをわかろうとすることではありません。「まだわからないもの」と共にいながら、「それでも、今ここにいる」ことを確かめるための、静かな営みなのだと思います。

次回は、「言葉と回復――語ることで何が起きるのか」というテーマで、語ること、沈黙、言葉の力について考えていきます。どうぞお楽しみに。


※1: Winnicott, D. W. (1971). Playing and Reality. Routledge.

参考文献

  • Winnicott, D. W. (1971). Playing and Reality. Routledge.

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