赤黒を背負う水上のアスリート
水上でコンマ何秒と戦うアスリートたち 〜ボートレーサーという職業の凄さ〜
今日は少しサッカーから離れた話を書いてみたい。
北海道コンサドーレ札幌には「パートナーアスリート」という取り組みがある。その中にはボートレーサーの茅原悠紀選手と孫崎百世選手がいる。
サッカーサポーターの中には、ボートレースにあまり馴染みがない人もいるかもしれない。だからこそ今日は、ボートレーサーという職業の凄さについて書いてみたいと思う。
現在、茅原選手はボートレースオールスターに出場している。
オールスターは誰でも出場できる大会ではない。ファン投票によって選ばれた選手だけが出場できる、まさにボートレース界の祭典だ。
そして昨日は、孫崎百世選手が優勝戦に進出していた。
初優勝も期待される大切なレースだった。
しかし優勝戦前の展示航走で落水してしまった。
展示航走とは、分かりやすく言えばレース前のリハーサルのようなものだ。ファンはそこでボートの状態や選手の調子を確認する。
その大事な展示で起きた落水。
見ていた側としても非常に悲しかった。
だが一番悔しいのは間違いなく本人だろう。
改めてボートレースの世界の厳しさを感じた瞬間だった。
そもそもボートレーサーになること自体が簡単ではない。
まず難関の試験を突破しなければならない。
狭き門をくぐり抜けた先には養成所での生活が待っている。
そこで約1年間、ボートレーサーとしての基礎を徹底的に叩き込まれる。
携帯電話も持てない。
自由な生活とは程遠い環境の中で、ひたすら技術と精神力を磨いていく。
そして卒業して初めてプロのボートレーサーとしてデビューできる。
しかしデビューしたからといってすぐに活躍できるわけではない。
新人選手は外側のコースから出走することが多い。
ボートレースでは内側のコースが有利なため、外側から勝負するのは簡単ではない。
私が見てきた中でも、デビュー直後は5着や6着が続く選手が少なくない。
それでも少しずつ経験を積み、成績を上げ、信頼を勝ち取りながら内側のコースで走れるようになっていく。
その道のりもまた険しい。
そしてボートレースの最大の魅力の一つがスタートだ。
ボートレースはコンマ何秒の世界で戦っている。
スタート前、選手たちは助走を取りながらスタートラインへ向かう。
時計が0になる瞬間に合わせて飛び込む。
しかし早すぎればフライング。
遅すぎれば他の選手に先手を取られる。
ほんのわずかな誤差が勝敗を左右する。
さらにフライングには重い代償がある。
フライングをすると一定期間レースに出場できなくなる。
30日間の休みを課されることもある。
レースに出られなければ賞金を得ることもできない。
さらに期間中に再びフライングをすれば、より長い休みが科される。
だから選手たちは攻めながらも攻めすぎない絶妙な感覚を研ぎ澄ませている。
この繊細さもボートレースの魅力だと思う。
もちろんレース中も激しい。
ボート同士が接触することもある。
時には大きな事故につながることもある。
水上で体勢を崩されながらも順位を譲らず戦う姿は本当にかっこいい。
ボートレースが「水上の格闘技」と呼ばれる理由がよく分かる。
そして私が特に好きなのは第1ターンマークだ。
ボートレースは第1ターンで勝負が決まることも多い。
どのコースを選ぶのか。
どこにスペースが生まれるのか。
どのタイミングで攻めるのか。
一瞬の判断が結果を左右する。
茅原選手が3号艇や4号艇からスタートし、わずかな隙を見つけて一気に先頭へ立つ姿を見た時は思わず声が出る。
「すごい」
その一言しか出てこない。
また、外側から豪快にまくって先頭に立つ選手もいる。
選手ごとに勝ち方が違うのも面白い。
さらにボートレースは自然との戦いでもある。
海水か淡水か。
水面の広さはどうか。
風は追い風なのか向かい風なのか。
波はどうか。
選手たちは常に状況を分析しながら走っている。
ただ速く走ればいいわけではない。
考え続けながら戦うスポーツなのだ。
だから私はボートレースが好きだ。
もちろん世間的にはギャンブルという印象が強い。
それは間違いではない。
だが私は舟券を買えない。
アスリートたちの技術や駆け引きを見る
その凄さを見てかっこいいなと思いながら
レースを見ている。
そこには努力があり、挑戦があり、勝負がある。
スポーツとして見ても非常に魅力的な世界だと思う。
北海道コンサドーレ札幌のパートナーアスリートである孫崎選手と茅原選手。
これからもコンサドーレのユニフォームを背負い、それぞれの舞台で活躍してほしい。
サポーターの一人として、これからも応援していきたいと思う。
※本記事はギャンブルを推奨するものではありません。ボートレーサーという職業、そしてボートレースというスポーツの魅力について書いたものです。
