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「いざ関東1部へ」 サッカークラブのつくりかた #12

祝!昇格!

SHIBUYA CITY FCは2024年・2025年と2シーズン連続での昇格を決め、2026年から関東1部リーグへと戦いの舞台を移すことになりました。

兎にも角にもリーグ終了から2ヶ月経った中での吉報に心底安心しました。

苦しんだ3シーズンを経て、設立10周年となった2024年から2年連続昇格の快挙。
ここからは、この2年間を振り返っていきたいと思います!


2024シーズンのこと

「大願成就」

結果的に4シーズンかかった東京都1部リーグ。

苦しめられ続けた関東昇格の壁を遂に突破し、悲願の関東2部リーグ昇格を果たすことができました。

このシーズンの出来事や振り返りは、みんなが思い思いにnoteに記しているので詳細はそちらに譲りますが、私の目線から勝因をひとつだけ挙げるとしたら、それは間違いなく「クラブの総合力の勝利」でした。

2014年にクラブを立ち上げ、2015年に東京都リーグへ参入。

2019年に法人化をし、2021年にSHIBUYA CITY FCへと名称変更。

2024年に関東リーグ昇格を果たしたわけですが、この10年の間にクラブは悲喜交々本当に様々な経験を重ねてきました。

(詳細はこちらのnoteシリーズから👇)

時は移ろい、2024年の関東社会人サッカー大会(関東リーグ昇格プレーオフ)決勝。

対戦相手はEDO ALL UNITED。

試合終了のホイッスルと同時に、会場となった日産フィールド小机では歓喜の輪が広がり、自分自身もその中でみんなと涙を流し抱き合って、祝福し、それはもう特別なハレの記憶だったわけですが、一方で俯瞰しながらこの光景を見ていた自分もいました。

その時に見えていた俯瞰した景色こそが、昇格の原動力になったと思っているわけですが、その景色というものが「みんなで分かち合うことの尊さ」を強く実感する姿でした。

だって、「初めましての人」が試合を見て涙を流しながら抱き合って喜んでいるんですよ。そんなシーンを見せつけられたら創業者冥利につきます。

準決勝・決勝の2試合と、あえてスタンド観戦ではなくトラック側に集まってもらい、みんなで一丸となってクラブを代表して戦う選手たちを鼓舞し、ピッチ内で戦う選手たちの姿が応援するみんなのボルテージを更に高める。

そんな熱量の循環が、クラブに昇格というプレゼントをもたらしてくれました。

また、関東の各都県リーグで戦うクラブの中で、クラブとしての総合力はウチが一番だったいう譲れない自負もそこにはありました。

選手たちの力もそう、チームスタッフ・フロントスタッフの力も。

ファン・サポーターのみんなの存在、パートナー・スポンサー企業の存在。

地域の方との結びつきと後押し。

SHIBUYA CITY FC が10年かけて培ってきた、クラブとしての総合力こそが昇格を勝ち取った最大の原動力でした。

こんな景色を見ていると、自分の心もこれまで感じたことのない感情で満たされ始めてくる。なんだか不思議な感情の経験をした一日でした。

自分の仕事は、スポーツを通して人々を幸せにするためにやっている。この日小机で見た景色こそが自分が作り上げたい世界へと誘う強烈な原体験となりました。

シーズンの過程は本稿では省いてしまいましたが、もちろんこの2024シーズンも大小様々な課題やトラブルがあり、簡単な年ではなかったです。

それでも代々木公園で初めてのホームゲームを開催できたり、千駄ヶ谷コミュニティセンターの指定管理が始まったりと、ピッチ内外ともに大きな成果を残せたことも間違いありません。

この年つかんだ自信はクラブにとって貴重な財産となりました。

また同時に、私個人の仕事人生においても、一番大切にしたいことに改めて気が付くことができた、大きな大きな1年間となりました。

小机からの帰り道、新横浜の焼肉屋で飲んだビールの味は今までで1番美味しかった。2杯目のビールでさえ人生で2番目に美味しかった。


2025シーズンのこと

悲願の昇格から約2ヶ月。

チームはクラブ史上初めてとなる関東2部リーグでの戦いに向けて始動しました。

ちょうど同時期に決算も締まり、2024年は3期ぶりに営業黒字で着地をすることができました。

営業黒字といっても、アニュアルレポートをご覧頂ければお分かりになるよう微々たるものであり、2022年から累積損失に転じてしまったものを補填できるほどの規模では到底ありませんでした。

しかしながら、関係各所からクラブの将来性等を評価していただき資金を調達することができ、ピッチ内外での拡充を図るべく攻めの投資をすることができました。

2024シーズンは、クラブの全体予算が1億2千万円ほどで、そのうちの約6,000万円を強化費としてチームの強化に充てていました。

2024シーズンアニュアルレポートより抜粋

2025シーズンは、(本稿執筆時点で期中ではありますが)クラブの全体予算は約1億7千万円ほどとなり、チーム強化費も約8,000万円(前期比約133%)まで積み上げることができました

チーム強化費と順位には正の相関関係があることがJリーグ(SHC)の分析で証明されており、クラブとしてはチーム強化にどれだけの投資をするのかが、ある意味ではそのシーズンの経営方針ともいえます。

(尤もJリーグではJ2・J3とカテゴリーが下がるにつれ相関係数が低くなっており、地域リーグになると恐らくそれがより顕著になる気はしていますが)

クラブ史上最大の投資を基に望んだ2025シーズン。

開幕前にTOKYO FOOTBALLのインタビューで目標を問われた時、「降格の可能性もゼロではないと思っているが、チーム編成と完成度を考えると昇格争いに絡むのはマスト」と強気の発言をさせて貰いましたが、蓋を開けてみると関東2部で長年戦っているクラブの底力は想像以上に高く、特にシーズン序盤は勝点1こそ取れども、勝点3を積み上げられず非常に苦しみました。

序盤戦の苦しみを経ながらも、在籍歴の長い選手たちがリーダーシップを取りながら、新加入選手のフィットも進んだことで、チームとしての最適解を見出し、ピンポイント補強も実って、チームは逆襲の夏を迎えます。


また、今シーズンは不慮の怪我にも泣かされ、長期離脱をする選手が複数人出てしまったことは本人にとってもクラブにとっても痛い出来事でした。

ですが、選手本人はもちろんメディカルメンバーの支えもあり、シーズン最後の試合となった市原カップでは伊藤雄教が7ヶ月ぶりにピッチに戻ってくることができました。

苦しい時間も多かったシーズンでしたが、選手や監督をはじめとしたチームスタッフの不断の努力により後半戦は連勝を重ね、迎えた首位EDOとの大一番。

負けたらEDOの優勝が目の前で確定し、自分たちも昇格圏内確保に暗雲が漂いかねない状況の中で、今シーズン期待された中でなかなかゴールを量産できずに苦しんでいたエースの政森が大仕事をやってのけます。

そうしてリーグ全18試合が終了し、最終成績は11勝5分2敗の勝点38。

シーズン開幕前に試算していた昇格ラインの勝点が試合数×2の36だったことを考えると、上出来の結果だったと思います。

昇格内定でリーグ戦を終えつつ、ここからは昇格確定までは上位リーグの動向を見守るという、むずむず期間に入ります。


今季はピッチ外に目を移しても、西が丘サッカー場やAGFフィールドといった都内のスタジアムでホームゲームを開催することができました。

灼熱の西が丘
アウェイ夢の島


今年は校舎建て替えによる渋谷区スポーツセンター工事や、世界陸上開催による代々木公園工事の影響等もあり、渋谷区内でのホームゲームが開催できなかったことは痛恨でしたが、それでもスタジアムでのホームゲーム運営経験を詰めたことは来シーズン以降の「興行」へ向けた収穫でした。

これまでのクラブの売上は、基本的にパートナーさん・スポンサーさんからいただくスポンサー売上や指定管理者料といったBtoB売上比率が90%以上で(大変有難いことではありますが!)、直接ファン・サポーターの皆様から対価をいただくBtoC売上の向上は、中長期的なクラブの発展のために必要不可欠でありました。

関東1部という舞台での「興行」は、マッチデイ収入を改善できる大きな伸び代と捉えています。

また興行という面だけでなく、そもそもスタジアムで醸し出される空気感は、やはりスタジアムという非日常な特別な場所だからこそ生まれるということを強く感じました。

(アウェイではありましたが)皆んなのパワーが乗り移ったEDO戦のエース政森による大逆転ゴールからは、目には見えないけれど確実に存在するパワーを感じました。

今年からゼミを担当しているリゾスポの学生もホームゲーム運営をサポートしてくれました

スタジアム開催のみならず様々な施策でチームの魅力を伝え、仲間を増やし、クラブの価値を高める仕事をし続けたクラブスタッフを誇りに思います。
戦うリーグという器が変わると、クラブの器もそれに見合うように自然と大きくなっていくことを肌で実感できたシーズンでした。

ホーム戦だけでなく、遠方のアウェイにも多くのファン・サポーターが詰めかけてくれ、クラブを取り巻く輪がこれまでと比にならないくらい広がっていることを感じます。
時間はかかりましたが、良いサイクルに入ってきたなという確かな自信を持てるようになりました。

引退する千真さんも笑顔で送り出せました


そして迎えた、2025年11月23日。

他会場の結果をもって、SHIBUYA CITY FCの関東1部昇格が決まりました。

翌日には代々木公園・渋谷区サッカー協会とともに、代々木公園サッカーイベント「YOYOGI PARK FOOTBALL DAY」を開催し、渋谷サッカーに関わるみんなと喜びを分かち合うことができました



これからのこと

「サッカークラブのつくりかた」シリーズの最後の更新(#11)は2024年2月末でした。

この時公開したnoteの文末にはこう記されてありました。

「挑戦」は自分の意思だけでは成り立ちません。周囲の支えがあってはじめて挑戦出来るということをこのクラブを通して学びました。

SHIBUYA CITY FC は常に挑戦者でありたいし、挑戦者の集まる集団でありたいと思っています。

このクラブの10年間をともに作り上げてくださった全ての方々に感謝をするとともに、これからもSHIBUYA CITY FCの挑戦は続いていきます。

かっこよくて、ワクワクする、そんなクラブを目指して。

SHIBUYA CITY FCでは10月より入社したメンバーも含めフロントスタッフが9人となりました(この9人以外にも多くのインターンメンバーやプロボノスタッフもクラブを支えてくれています)

9人で行なったクラブの中長期戦略をブレストする全社会議

その会議で改めて「どんなクラブを目指そうか」という問いに対して、異口同音にみんなから「挑戦」というキーワードが。

着実にクラブに「挑戦」の文化が根付いていることに嬉しくなったし、それがいつしかアイデンティティといえる存在になってきました。


これはあくまで私個人の「挑戦像」に過ぎませんが、

挑戦というものは、楽しくワクワクする前向きで明るいエネルギーとともに語られる言葉でありたいなと思っています。

あらゆるものを犠牲にして、悲壮感ともいえる覚悟をもった挑戦があることもよく理解していますが、何方かと言うと私は前者の挑戦のイメージが好きです。

多様なエネルギーが混じり合う「渋谷」という街を背負うクラブだからこそ、私たちは明るく、軽やかに、ワクワクする未来を切り拓いていきたい。そう強く思っています。

このあたりのワーディングやクラブが中長期的に目指す姿の言語化。

そして練習場やスタジアムをどうするのかといったインフラの課題や、最速2年に迫ったJリーグ加入へ向けた法人としてのあらゆる準備。

未来を追いながらも、関東1部で目の前の1勝を積み上げるための来シーズンへ向けた動き。

ありとあらゆることが同時に進んでいく目まぐるしいオフに突入ですが、勝って忙しくなるほど嬉しいことはありませんね。


今シーズンは海外からのサポーターが試合を見に来てくれました。

インバウンドと思われる方々がグッズを買いにきてくれるということもありました。

渋谷の名前を冠する唯一無二のクラブとして、SHIBUYA CITY FCというIPをグローバルIPに育てていけば、これまでと違った勝ち筋も見えてきています。


そんな未来にワクワクしながら、挑戦できる喜びを全身で感じながら、
これからも一歩ずつ着実に成長を続けていきたいと思っています。

今年1年を一緒に戦い抜いた選手・スタッフ、この関東1部という舞台までクラブを連れて来てくれたOBOG、そしてそれを支え続けてくれたファン・サポーターの皆様、パートナー・スポンサー企業の皆様、地元渋谷の皆様を始めとするクラブに関わるすべての人に、改めて感謝の気持ちと祝福の気持ちで一杯です。

みんな本当におめでとう!みんな本当にありがとう!


挑戦できる環境に感謝を忘れずに、これからもSHIBUYA CITY FCの挑戦を続けていきます。

かっこよくて、ワクワクする、そんなクラブを目指して。

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