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子どもと先生、どちらかの我慢で成り立つ学校にしたくない

実は娘の通知表に、毎年引っかかるものがあります。

学校とフリースクールの両方に通っている娘。
通知表がその子のすべてを表すとは思っていませんし、それだけで子どもの価値が決まるはずもありません。

それでも、毎年どこかモヤモヤしたものが残ります。
特に昨年は、フリースクール通学も出席認定されていて、学校でも学習面や生活面でのがんばりを表現してきたなぁと思える姿があったからこそ、今回は少し気になる部分がありました。

もちろん、教員目線に立てば、毎日学校に行っているわけではない子の評価には難しい面があると思います。

それでもやっぱり、学校では何が反映されていて、何が反映されにくいのだろう、と感じたのです。


そんなタイミングで目に入ってきたのが、
文科省が出した保護者向けリーフレットのニュースでした。

不登校の子どもや、学校に通いにくさのある子どもについて、学校外の機関での学びや自宅での学習も、一定の条件のもとで成績評価の対象になりうる、という内容です。

文科省のHPからダウンロードしたリーフレット


さらに調べてみると、令和6年にはすでに文科省からの【通知】が出ていて、学校外の機関や自宅での学習についても、成績評価に反映していく方向自体は示されていました。↓

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422155_00002.htm


今回のリーフレットは、まったく新しい制度が始まったというより、その考え方をわかりやすく届け直したもののようです。


その流れを知って、少しほっとしました。

学校に来られているかどうかだけで、その子の学びを判断しないこと。
学校の外で積み重ねている努力や変化も、学びとして見ていこうとすること。
そうした方向は、ちゃんと必要なものとして示されていたのだと思いました。

この方向性には、私は希望を感じます。

親がどれだけ「大丈夫」と思っていても、公的なものとして認められることには、また別の力があるからです。
「あなたはちゃんと学んでいる」と、学校という場からも示されることは、子どもにとっても、家庭にとっても、小さくない意味を持つと思います。

成績や通知表がすべてではない。
それでも、そこで救われる子どもや家庭があるのも、また確かだと思うのです。


でも、その方向性が大事だと思う一方で、
同じくらい強く思うことがあります。

この方針を、そのまま今の学校現場に下ろして、
「文科省もこう言っています。だからやってください」
と求めるだけでは、現場はかなり苦しいだろう、ということです。

学校外機関との連携は誰が担うのか。
家庭での学習は、何をもって確認するのか。
見ていない学びを、どう評価につなげるのか。
誰が情報を集め、誰が整理し、誰が判断するのか。

こうしたことは、方針が示されれば自然に回り始めるものではありません。
実際には、そこにかなり細かい調整が必要になります。

でも、今の学校現場は、ただでさえ日々の業務でいっぱいです。
目の前にいる子どもたちへの対応だけでも余白をもちづらい中で、
さらに外部との連携や個別の学習把握まで、先生個人の努力で担うとなれば、相当重いものになるはずです。


私は、この方向性そのものは必要だと思っています。

けれど、理想をそのまま現場に渡して終わりにしてしまうと、別の歪みが生まれる。そこは見落としたくありません。

これは、不登校の子の出席や成績のことだけではないと思います。
多様な学びの保障も、教員の働き方改革も、方向性としては大事です。
進んでいったほうがいいことに間違いありません。

でも問題は、それらを実現するための仕事や調整を、ずっと現場の先生たちに委ねてきたことではないかと思うのです。


本当に必要なのは、
人を増やすこと、時間を確保すること、専門職を入れること、
そして連携や評価のための予算をきちんとつけることだと思います。

方針だけ示して、あとは現場で工夫してください、では何の解決にもなりません。
先生の善意や献身で吸収できる範囲を、もうずっと超えているのではないかと思います。


私は、制度の前進には賛成です。
でもそれは、現場を支えることとセットで進められるべきだと思っています。

子どもの学びを支えることと、先生たちが力を発揮できることは、本来同じ方向にあるはずです。

どちらかを我慢させて成り立たせるのではなく、その両立のために何が必要なのかを考えていきたい。

今回のリーフレットを見て、うれしさと同時に、そのことを改めて強く感じました。

制度を前に進めること。
先生たちが本来の力を発揮できること。

その二つを切り離さずに考えること。

そこまで含めて、これからの教育の話をしていきたいと思っています。


参考:
不登校児童生徒が欠席中に行った学習の成果に係る成績評価について
学校、教育委員会向けのさらに詳しいリーフレット
https://www.mext.go.jp/content/20260407-mxt_jidou01-000028870-001.pdf




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