【組織論】日本vsブラジル戦。なぜ本田圭佑の「戦犯を出さない解説」が、超一流の経営者マインドそのものなのか。
◼︎ 1. 日本中が「戦犯」を探す中で、本田圭佑が放った一言
ワールドカップ、ブラジル戦。 紙一重の激闘の末、日本は惜しくも敗戦を喫してしまいました。
試合直後のSNSやメディアには、どうしても特定の「致命的なミス」を犯した選手を責め、敗因をそこに押し付けようとする空気感が漂います。インパクトの大きいミスほど、人々の目には「それだけが敗因」であるかのように映ってしまうからです。
しかし、解説席にいた本田圭佑氏の視点は、全く異なる次元にありました。 世間が田中碧選手のミスに目を奪われる中、彼はこう言い切ったのです。
「結果論なんでね。ミスして失点につながったからそういう話になりますけど、他の選手も違う場面でたくさんミスしてましたし。失点につながらなければミスしてもいいのかっていうわけでもないし。だから誰も田中さんを責めることはできないし、むしろそれ以外のプレーに関しては称賛するところばっかりだったので。田中さんに関しても切り替えてほしいですね」
この言葉を聞いた瞬間、私は激しく同意すると同時に、「だからこそ、この人はビジネスの世界(投資家・経営者)でも成功するのだ」と、その本質的なマインドに深く震えました。
◼︎ 2. 「見失われたプロセス」と、ブーメランとしての戦犯扱い
スポーツでもビジネスでも全く同じですが、あらゆる「結果」の前には、無数の「プロセス」が存在します。 そして、そのプロセスの中では、ピッチに立つ全員(あるいはプロジェクトに関わる全員)が多かれ少なかれ、何かしらのミスを犯しているものです。
「失点(赤字)に直結しなかったから、見逃されているミス」 「たまたま運よく、誰かがカバーしてくれたから事なきを得たミス」
それらが無数に積み重なった最後に、たまたま最後のピースとして「失点(目に見える大赤字)」に繋がるエラーが起きたに過ぎません。
それにもかかわらず、最後の引き金を引く形になってしまった人間だけを切り取って「戦犯」として叩く行為は、あまりにも短絡的であり、組織を崩壊へと導く最も危険なトリガーになります。
これがもし、医療現場のように「人命」に関わるクリティカルな領域であれば、一瞬のミスも許されない過酷な追及が必要でしょう。しかし、スポーツやビジネスの世界においては、挑戦に伴うリスクとエラーは表裏一体です。結果が出なかった時、特定の個人にすべての責任を背負わせる組織に、次の打席で思い切った挑戦ができる人材など育つはずがありません。
◼︎ 3. 全てのリーダーがインストールすべき「本田マインド」
本田氏のこのマインドは、組織を率いる全てのスポーツマン、そしてビジネスパーソンが目指すべき究極の指針です。
致命的なミスのインパクトに惑わされず、試合全体、プロジェクト全体の「構造」を冷徹に見つめる。 そして、エラーを責めるのではなく、それ以外のプロセスにおける膨大な「称賛すべき貢献」を正当に評価し、即座に次の戦いへと切り替えさせる。
誰しもがミスをする前提で、システムとしてどうリカバリーするかを考えることこそが、本当のマネジメントです。
敗戦の悔しさの裏側で、本田圭佑というひとりのゲームチェンジャーが示した「真のリーダーシップのあり方」から、私たちは今こそ多くを学ぶべきではないでしょうか。
