【自信のない人】本当は「NO」と言いたいのに、なぜ笑顔で「YES」と言ってしまうのか
金曜日の17時55分。
あと5分でPCを閉じて、解放されるはずのゴールデンタイム。
そこで、チャットの通知音が鳴る。
「お疲れ様です。すみません、なんか管理画面が動かなくなっちゃって。これ今日中に申請しなきゃいけないやつなんですけど、ちょっと見てもらってもいいですか?」
同僚からの雑なSOS。
内容は、僕が開発したわけでもないツールの不具合調査。
原因なんて見当もつかないし、下手をすれば解決まで何時間かかるかも分からない、一番厄介なやつです。
喉元まで出かかった「いや、管轄外だし……」という言葉を飲み込みます。だけど、指が勝手にタイプしちゃう。
「分かりました、確認します」
送信ボタンを押した瞬間、ドッと疲れが押し寄せます。
またやっちゃった。
なんで断れないんでしょう。
なんでいい顔をしてしまうんでしょうか。
今日は、昔からの悪癖「断れない病」とその正体について書いてみますね。
優しさではなく、ただの「防衛本能」
頼みごとを断れないのは、「自分は優しいからだ」と思い込んでた時期がありました。
相手を助けたい、役に立ちたい。立派な精神からきているんだって。
でも、違うんです。
心の奥底を覗き込んでみると、「優しさ」なんかじゃありません。
あるのは「恐怖」なんです。
断ったら、嫌われるかもしれない。
断ったら、評価が下がるかもしれない。
断ったら、居場所がなくなるかもしれない。
相手のためを思っているわけじゃないんです。
自分が傷つくのが怖いから、先に「YES」という盾を構えて防御しているだけなんですよね。
「いい人」を演じていれば、攻撃されませんから。
自分を守るための生存戦略として「YES」を安売りしているだけなんです。
腰に巻かれた「強力なバネ」の正体
自信がある人と、自信がない人。
その違いを、最近ふとイメージすることがあります。
人生というフィールドで、スタート位置からゴールに向かってダッシュするとしますよね。
自信がある人は、風が吹こうが、小石につまずこうが、多少時間はかかってもゴールに向かって走り続けられます。
基本的に体は自由なんです。
逆に、自信がない人はどうでしょう。
ようは、つい「YES」と言ってしまう僕たちです。
腰に、めちゃくちゃ強力なバネが巻き付けられているんです。
バネの端っこは、スタート地点(過去やトラウマ)にガッチリ固定されています。
「変わりたい」「断りたい」と思って、勇気を出して走り出そうとします。でも、数メートル進んだところで、ビヨーンとバネが伸びきって、凄い力でスタート地点まで引き戻されちゃうんです。
「やっぱりダメだ」「断ったら大変なことになる」という思考に、強制的に戻されます。
風が吹いただけで、足元をすくわれる。
他人の不機嫌な態度を見ただけで、バネが作動して、元の「いい人」の位置まで吹っ飛ばされちゃうんです。
気質であり、過去の未解決な心の傷の影響なんですよね。
バネを取り付けたのは誰か
最初からバネが付いていたわけじゃありません。
多くの場合、幼少期や過去の強烈な体験によって「取り付けられた」ものだと思ってます。
親の顔色をうかがわないと生きていけなかった環境。
突然ハシゴを外された経験。
「ありのままの自分」を出したら、拒絶された記憶。
「期待に応えないと、居場所がない」
「役に立たないと、捨てられる」
そうやって学んできた結果、無意識のうちに強力なバネを腰に巻き付け、安全地帯から出ないように自分を縛り付けてしまったんです。
「NO」と言うことは、安全地帯から飛び出すことと同じですから、バネが全力で引き戻しにかかります。
だから、意志が弱いわけじゃないんです。
ただ、バネの力が強すぎるだけなんです。
バネの存在に気づくことから
じゃあ、どうすればいいのか。
ハサミでバネをバチンと切ればいい?
簡単に切れたら苦労はしませんよね。
まずは、「あ、今バネに引き戻されたな」と気づくことなんです。
愛想笑いで仕事を引き受けた瞬間。
「本当は嫌だったんだな」
「今、嫌われるのが怖くてYESと言ったんだな」
「バネが作動したな」
自分の体の反応を実況中継してみるんです。
自分を責める必要はありません。「またやっちゃった、ダメなやつだ」と自分を攻撃するのは、バネをさらに太くするだけですから。
「生き延びるために、必死でバネをつけてきた」
そう認めてあげるだけで、少しだけバネの張力が緩む気がします。
本当の自信とは、バネを無理やり引きちぎって走ることじゃないと思うんです。
バネがついている自分を認め、範囲内で、少しずつ、自分の行きたい方向へ足を向けてみることかもしれません。
小さな「NO」と「YES」の積み重ねが、いつかバネから解放させてくれると信じて。
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