レヴリフレンズ『悩実林』82話|努力は能力①|努力はできない
サル
「悩実林に着いたぜ」
アリ
「遠そうに見えて
意外と近かったな」
パンダ
「ちょっと懐かしいね」
リス
「おかえり!」
「ちょうどいいところに
来てくれたわ!」
サル
「何かあったのか?」
⸻
リス
「あなたたちが帰った後も,
共鳴酔いをする動物たちが
ちらほらいて」
小鳥
「それは大変ね」
クモ
「なぜだ?」
「私たちが去れば,
外的共鳴現象は
起こらなくなるはずじゃ」
リス
「そのはずなんだけど」
「ひょっとしたら,
私も感化されてしまったのかな?」
パンダ
「感化?」
⸻
リス
「あなたたちのように
共鳴させる力を
持ってしまったのかも」
アリ
「まぁ,
理屈は考えても
分かりそうにないし」
「まずは,
共鳴酔いした連中を
何とかするんが
先決なんとちゃうか?」
リス
「そうね!」
「たしか,その辺りに
共鳴酔いしてる
子羊さんがいるはず」
アリ
「あの子羊やな」
⸻
子羊
「…」
「努力…」
クモ
「努力!?」
アリ
「努力は能力」
「何や偶然にしては
でき過ぎてるんとちゃうか?」
クモ
「そうだな…」
「偶然と言うには,
タイミングが
良すぎる気がする」
リス
「何のことか
よく分からないけど,
子羊さん置いてけぼりよ」
子羊
「…」
サル
「悪りぃ悪りぃ」
⸻
子羊
「努力できるようになるには,
どうしたらいいんだろう?」
サル
「そんなの,気…」
「…」
「あれだ…」
「えっと…」
子羊
「?」
サル
「だから…」
「気合いでは,
何ともならねぇよな」
子羊
「…」
⸻
カマキリ
「努力するとは?」
サル
「全てを捧げて,
気合いで頑張り続ける
ってもんよ」
パンダ
「僕も,
ずっと考えてたんだけど,
"努力する"って
どういうことだろう?」
クモ
「目的達成のための
意識的かつ継続的な行動」
「ただの頑張りと違い,
的確な創意工夫も
ニュアンスとして
含まれているな」
⸻
アリ
「やれやれ…」
「お前らもう忘れたんか?」
サル
「何をだよ?」
アリ
「努力は能力」
「変火山で,
そう聞こえたやろ?」
サル
「そうだったぜ!」
クモ
「たしかに」
「努力は能力…」
「行動ではない,
ということか?」
「だとしたら,
"努力する"という
言葉のイメージが
できないのも頷ける」
子羊
「努力は…」
「能力…?」
⸻
アリ
「努"力"
なんやろ?」
「"力"言うくらいやし」
「何かしらの力
なんとちゃうんか?」
クモ
「何かしらの力…」
「思考力」
「理解力」
サル
「筋力,腕力,脚力」
パンダ
「共感力,指導力」
小鳥
「色んな"力"があるけど,
そのどれもが
"〜力する"と言い換えたら
意味がよく
分からなくなるわね」
⸻
クモ
「思考力する」
「理解力する」
「たしかに…」
サル
「腕力するって,
たしかに
意味分かんねぇな」
パンダ
「ほんと,
どれも意味が分かんないね」
アリ
「だんだんと
おかしなとこ
見えてきたやろ?」
⸻
サル
「なんで
"努力する"だけ
意味が分かるんだ?」
アリ
「本質とかけ離れた
全然ちゃう言葉
なんかもしれへんな」
クモ
「つまり,
努力"する"
と言った時点で,
能力という意味において
努力"できない"
ということか」
⸻
子羊
「努力は…」
「できない…?」
⸻
フクロウ
「努力しようとすると」
「努力できない」
「興味深いパラドックスじゃのう」

