「人を知るということ ― 加害者家族のお話を聞いて考えたこと ―」
5月23日、ひかるワークス主宰のセッション「支援が届かない人には、どうすればいいのか」に参加しました。

ゲストスピーカーは 松本麗華 さん。
オウム真理教による 地下鉄サリン事件 の実行犯とされた松本智津夫氏(麻原彰晃氏)の三女であり、事件当時は小学生でした。
お話の中で印象に残ったひとつは、父親が逮捕された当時のことです。
テレビのない環境で暮らしていたため何が起きているのか分からず、父親は言葉を交わす間もなく連れて行かれ、それから亡くなるまで、名前を呼んでもらえたことはなかったそうです。
就学を拒否され、学校に通うことができなかったとのこと。
「社会と接することができなかった」
という言葉が心に残りました。
また当時を振り返り、
「この頃、ケアが入ってほしかった」
「カウンセリングを受けたかった」
と話されていました。
そして、
「助けを求めることは恥だと思っていた」 「助けてもらうことがなかった」
「支援者の方に伝えたいことは『助けて』と言ってきた人に対しては、しっかり受け止めてほしい」と。
この言葉はとても重く感じました。
助けを求めること自体に大きな勇気が必要な人もいます。
だからこそ、ようやく発せられた「助けて」という声には、丁寧に向き合う必要があるのだと思いました。
また、被害者やご家族への支援については社会の中で語られる機会がありますが、加害者家族について考える機会は、私自身ほとんどありませんでした。
加害者の家族、特に子どもたちを私たちはどう受け止めればよいのだろうか、という問いも残りました。
お話を聞きながら、松本さんもまたケアを必要としていた子どもだったのではないかと思いました。
被害者支援と加害者家族への支援は対立するものではなく、それぞれ大切なものとして考えていく必要があると思いました。
松本さんは大学で心理学を学び、現在はカウンセラーとして活動されています。
「人の本質を正しく観たい」
「苦しんでいる人を助けたい」
そんな思いから学びを深めていったそうです。
「学ぶ中で私自身も救われた」
という話も印象深いです。
私は松本さんのお話を聞いて、報道で伝えられるのは、その人の人生の一面でしかないことを改めて感じました。
偏見なく現状を知ろうとすること。
人を一面的に決めつけないこと。
このような姿勢が支援を必要としている人を見つけたり、「助けてほしい」と声をかけてもらえることにつながるのかもしれないと思います。
私はいつもは自営のパン屋の店先にいます。

相談機関ではないので、先に書いたような姿勢で日々、店に立っていたいと思います。
「助けて」の言葉にならなくても
「あのね、今ちょっとしんどくてさ」とか「モヤモヤしているんだよね」
のような声を発しやすい関係性を築いていきたいです。
また
「あの人は◯◯なのよ」
「あの人の家族はね…」
そんなふうに決めつけて話していないか、
ひとりの人として、その人を知ろうとしているか
そんなことを地域の人たちとも共有していきたいと思いました。
主宰の 勝村宏美 さんが
「支援者は『人を知る』ということが大切だと思っています」
と会の冒頭で話されていました。
その通りだと思います。
当事者の松本さんのお話を直接聴くことができ、とても貴重な機会となりました。
#学びの記録
#パン屋×ソーシャルワーカー
