メタル君の「今日の精神医学豆知識!」(886)-(890)
皆様、こんにちは。
鹿冶梟介(かやほうすけ)です☺️
受験シーズン到来ですね!
2月は多くの私立大学、そして国公立大学前期試験がありますが、このシーズンにおいて医師同士でちょっとホットになる議論がございます。
以下は先日Xで投稿したアンケートです。
受験シーズンあるあるな医師同士の会話。
— 精神科医・鹿冶梟介(かやほうすけ) (@kayahosuke) January 30, 2026
医師A「理IIIに行ける人が医師になるのは勿体ない。大谷翔平に卓球をさせるようなものだ」
医師B「大谷翔平が卓球やりたいなら、それでいいんじゃない?」
医師C「医師をなめるな💢」
医師D「卓球をなめるな💢」
皆様はどの医師に診てもらう?
要するに、日本の最難関である東京大学理科三類(通称: 理III)に受かるような能力の持ち主が”臨床医”になるのはもったいなく、その能力を他の分野で発揮して世の中の為になってほしい... ...、という考えです。
小生はこの議論を「理IIIオーバースペック問題」と呼んでおりますが、ハッキリいうと医師になるのに理III合格者ほどの学力は不要であることには首肯いたします。
医師に必要な資質は学力(暗記力)も大切ですが、むしろ倫理観、コミュニケーション能力、変化への対応力、忍耐力などの方が重要かも知れません。
事実、そこまで学力の高くない大学出身のドクターでも、臨床医として立派に活躍しておりますし、逆に難関大学出身であっても、「医者としてどうなの?」という疑問符がつくドクターもおります。
それにしてもなぜ「理IIIオーバースペック問題」は生じるのでしょうか?
それは、日本の受験界において理IIIが頂点に君臨しており、「理IIIに合格すること」が個人の学力の証明となっているためです。
すなわち、理IIIを受験するということは「学力天下一武道会」に参加することなのです!
誰しも、何らかの"突出した能力"を持つと自覚がある者なら、その能力を試したいと思うのは必定... ...。
これは野球小僧が甲子園を目指し、ピアノ少女がショパン国際コンクールに憧れることと、何ら変わりはないのです!
おそらく人間が「社会的に共有された最高峰」に憧れ、それを目指すということは本能なのでは... ...そんな風に小生は思います。
さて話をアンケートに戻しますと、今回小生は理IIIオーバースペック問題に対して異なった反応をする4名の医師を登場させ、どの医師に診てもらいたいかという問いを投げかけました。
医師A「理IIIに行ける人が医師になるのは勿体ない。大谷翔平に卓球をさせるようなものだ」
医師B「大谷翔平が卓球やりたいなら、それでいいんじゃない?」
医師C「医師をなめるな💢」
医師D「卓球をなめるな💢」
結果は、医師Bが圧倒的に人気でしたね(もう少し医師Aに票が集まると思っていましたが)。
理屈では医師Aの考えも分かりますが、これは人の才能を「資源」とみなし、それを世の中へ還元すべきという「全体主義」を反映させた考えです。
一方、医師Bは個人の職業選択の自由を尊重した、「自由主義」を反映させた答えと言えましょう。
医師Cは医師という仕事に対するプライドを象徴しており、医師Dは卓球というスポーツ・趣味への愛着を示しております。
いずれの考えも、"なるほど"と思えますが、やはり診てもらうのであれば個人の意見を尊重する医師Bがよさそうですよね。
しかし、状況によっては「こうした方が良い」と上から言ってくれる医師の方が良い場合もあるかも知れません。
あらためて皆様は医師A、B、C、D、どのドクターに診てもらいたいですか?
メタル君の「今日の精神医学豆知識!」は、X(旧: twitter)で毎朝8時にアップしております。
X(旧: twitter)民の皆様も、X(旧: twitter)では語りきれなかった【メタルのおまけ】がございますので、ご興味があれば本記事を是非お読みください!
それから、もしよろしければインスタの方も応援宜しくお願い致します(フォローよろしくお願いします🙏)!
【今日の精神医学豆知識集!(その178)】
886.ビタミンB1不足は認知機能を悪化させるよ。例えばアルコール依存症ではビタミンB1が欠乏するんだけど、その結果コルサコフ症候群(見当識障害、作話、記憶障害)を呈することがあるんだよ。いわゆる「アルコール性認知症」のことだよ。
【メタルのおまけ】
ビタミンB1欠乏によるコルサコフ症候群になる前に、失調性歩行、眼振、意識障害を認めこれをウェルニッケ脳症と呼ぶよ。ただし、ウェルニッケ脳症でこの3つの症状すべそろうのは珍しく、栄養障害を加えた4つのうち2つがあればウェルニッケ脳症と診断しよう...という意見もあるって。ちなみにウェルニッケ脳症の85%がコルサコフ症候群に移行するそうだよ。
↓酒飲みはこれも飲みましょう!
887.ビタミンB6が統合失調症の治療に有用という説があるよ。これは、統合失調症患者さんにおいて終末糖化産物(AGEs)が健常者よりも増えていることに注目して、AGEsを消去するためにビタミンB6を投与する治療法だよ。
【メタルのおまけ】
ビタミンB6は多くの食品に含まれるから欠乏することはめったにないビタミンだよ。でも統合失調症患者さんの35%以上にビタミンB6が基準値以下(男性6ng/ml未満、女性4ng/ml未満)ということが日本の研究で指摘されているよ。マウスの実験ではビタミンB6欠乏がノルアドレナリン神経系を亢進させ、その結果、統合失調症類似症状を起こす...と言う論文が数年前に発表されていたね。
↓ビタミンB6、いかがですか?
888.ビタミンDの血中濃度が低い人は、うつ病や不安障害である割合が高いんだって。でも、2020年に実施されたランダム化比較試験ではビタミンD投与がうつ病を改善しなかったと報告しているから解釈には注意が必要だよ。
【メタルのおまけ】
あえて逆の研究結果も紹介するけど、ブラジルで行われた無作為二重盲検では週50,000IUのビタミン補充を6か月続けると、うつ症状の軽減および自殺リスクの有意な軽減が認められたんだって。でも、50000IUってかなり高容量なので(4000IU/日)有害事象がどの程度あったのか知りたいところだね...(ちょっと危険な実験?)。
↓ビタミンDは過剰摂取すると体調不良になるので注意が必要!
889.水溶性ビタミンB群の一つであるナイアシン(ビタミンB3)は、欠乏すると認知症(Dementia)、皮膚炎(Dermatitis)、下痢(Diarrhea)を引き起こすんだよ。このナイアシン欠乏による症候群をペラグラと呼ぶけど、各症状の頭文字をとって"ペラグラの3D"と略すよ。
【メタルのおまけ】
ナイアシン(ビタミンB3)欠乏は今の日本では珍しいけど、アルコール依存症患者さんで認めることがあるよ。ちなみにペラグラのpelleはイタリア語で「皮膚」、agraは「ざらざらした」という意味なんだって。昔の北イタリアの貧民はトウモロコシしか食べられなかったそうで、その結果ペラグラになったそうだよ(栄養失調)。
↓ナイアシンもネットで購入できますね!
890.ビオチン(ビタミンB7)の欠乏は、皮膚トラブル、脱毛、吐き気などの症状の他に、うつ症状、易疲労、無気力、幻覚、四肢のしびれ感など精神・神経症状が出現することがあるよ。でも普通の食生活をしていればビオチン欠乏ってほとんど無縁だよ。
【メタルのおまけ】
ビオチン(ビタミンB7)は別名ビタミンHともよばれ、牛や豚のレバーに多く含まれるビタミンなんだよ。皮膚や髪の毛の健康を維持し、皮膚のターンオーバーを促進する「美容のビタミン」だってさ。肌荒れ、感想、ニキビ、抜け毛、白髪の予防が期待できるそうだよ。最近の英国のバイオバンク登録者14万人のデータを解析した論文によると、ビオチンの摂取がうつ病や不安症状を軽減する... ...、という結果が出ていたね。メンタルヘルス維持為にもレバーをがっつり食べればいいかも?
↓美のビタミン…、ビオチン!
【メタル君の考察】
今回は「ビタミン」に関係する精神医学ネタをポストしたよ!
ビタミンと不足と精神疾患って、結構関係があるんだね。
でも、アルコール依存症以外でビタミン不足が起こることは日本では滅多にないんだよね。
そもそもフードロスに悩む現代日本では、むしろ栄養過多ともいえる状態なんだよね。
要するにフツーにご飯を食べていたら、上記のようなビタミン不足に陥ることはないよ。
ちなみに鹿冶さんは、毎日ビタミンサプリメントを服用しているけど、マルチビタミンのサプリメントが健康に良いというエビデンスは乏しいらしいね... ...。
知っていても飲み続けるというのは、どこかプラセボを続けている感じがするね。
これからもマニアックな精神医学ネタをバシッと紹介するぞ😆
↓ロトの剣、欲しい(勇者になりたい)!
【X(Twitter)】
X(Twitter)もやっています!宜しけば、絡んでくださいな☺️
私について(自己紹介):鹿冶梟介(かやほうすけ)|鹿冶梟介(かやほうすけ) @kayahosuke #note https://t.co/Jk47SAeCB7
— 精神科医・鹿冶梟介(かやほうすけ) (@kayahosuke) March 22, 2022
noteで私のプロフィールの詳細を書きました。よろしければ、「スキ」してください。#自己紹介 #note #精神科医
【Instagram】
インスタグラムもやっています!宜しければ、フォローをお願い致します!
【こちらもおすすめ】
いいなと思ったら応援しよう!
記事作成のために、書籍や論文を購入しております。
これからもより良い記事を執筆するために、サポート頂ければ幸いです☺️