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品質管理検定(QC検定) 1級 ~印象に残った内容の振り返り~

品質管理 / 品質保証の分野で1つのチームのマネジメントを担う身として、昨年(2024年)より品質管理検定にチャレンジしている。日頃の品質管理に関する実務で扱う機会が多い内容が中心となる2級はスムーズに取得できたものの1級についてはまだ取得できずにおり、今回改めて1級のリベンジ受験を行う中での勉強を振り返りつつ、改めて印象に残っている点を整理する。


1.品質管理検定(QC検定)とは?

品質管理を日本の様々な組織・地域へ普及すると共に、品質管理そのものの向上・発展を目的に2005年に創設された検定である。品質管理に関する実務推進の上で押さえるべき観点が網羅されており、品質管理を担う上では2級、最低でも3級レベルは取得しておくことが望ましいと感じる。

QC検定1級の位置づけは後述するが、品質管理の「実務」を行うための十分な知見があることを示す場合は2級まで取得しておけば良い様と考える。

筆者が勉強にあたって主に参照しているテキストは以下である。約450ページで構成されており "各分野における解説" は詳細で分かりやすい様に思う。ただ、掲載されている演習問題は比較的簡易な内容であるため、別途過去問題集などを合わせて購入して勉強に励むことが望ましい様に思う。
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2.QC検定「1級」の位置づけ

1級のレベルと人物像は以下の様に定義される。例えば、2級と比べると 文章題では「トップマネジメント」「経営判断」に繋がる内容が多くなると自分は捉えている。全体を通して、日頃的な実務と比較すると必ずしも頻回に扱う様な内容ばかりではなく "特異的な状況" の様に感じる内容も少なくないが、日常業務では扱わない観点まで広く押さえているからこそ、全体の品質管理の舵取りをより適切な判断の元で推進できるのだと受け止めている。

《QC検定 1級》
●認定する知識と能力のレベル
組織内で発生する様々な問題に対して、品質管理の側面からどのようにすれば解決や改善できるかを把握しており、それらを自分で主導していくことが期待されるレベル。また、自分自身で解決できないようなかなり専門的な問題については、少なくともどのような手法を使えば良いのかという解決に向けた筋道を立てることができる力を有している 様なレベルです。

●対象となる人物像
①部門横断の品質問題解決をリードできるスタッフ
②品質問題解決の指導的立場の品質技術者

過去問題で学ぶQC検定1級 2024・2025年版 (日本規格協会) P8

3.特に印象に残った内容 (筆者目線)

ここでは2級でも出題される範囲は除き、1級特有 (と筆者認識) の内容の内、筆者が日頃担う品質管理の更なる向上を図る観点で特に印象に残った内容について記載する。
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① 有限母集団からのサンプリング (参考テキスト:P117~)
② 多変量解析にあたっての具体手法 (参考テキスト:P373~)
③ 品質経営に関する各例題 (参照:過去問題集 ※別冊)
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① 有限母集団からのサンプリング (参考テキスト:P117~)

実務としてサンプリングを行う際に扱う母集団は基本的に「有限母集団」であるが、有限母集団からのサンプリングである場合、ランダムに抜き取ったn個の平均値の分散に対して有限修正(有限母集団修正)を行う必要がある。

( ランダムサンプリングの場合 / 本キャプチャーは後述リンク先より参照 )

ここで "標本の大きさ" と "母集団の大きさ" の比を n/N と表し、抜取比と呼ぶ。有限修正が特に効いてくるのは抜取比が 0.5 よりも大きい場合であり、抜取比が 0.1 より小さい場合は無限母集団と見なしても良いとされる。

上記はランダムサンプリングの場合であるが、参考テキスト中では他にも3つのサンプリング方法が紹介されているため以下で明記する。

(1) 2段サンプリング
母集団が1次単位に分かれている時に、1次単位をランダムサンプリングし、次に得られた1次単位のそれぞれから2次単位をランダムサンプリングし調査する方法。

(2) 層別サンプリング
母集団が1次単位に分かれている時に、全ての分かれている1次単位から2次単位をランダムサンプリングし調査する方法。層内が均一になる様にすれば、精度が良くなる傾向。

(3) 集落サンプリング
母集団が1次単位に分かれているときに、1次単位をランダムサンプリングし、選ばれた1次単位に含まれる2次単位を全て調査する方法。いくつかの集落を代表して調査するため、集落が互いに似ているほど精度が良くなる。

なお、数式的には (2)層別サンプリング と (3)集落サンプリング の算出式を合わせたものが (1)2段サンプリング の算出式となる。各サンプリングの具体的な数式等は以下リンクが分かりやすかったので合わせて紹介する。


② 多変量解析にあたっての具体手法 (参考テキスト:P373~)

実務として改善取り組みを行う場合には、単項目で評価することは少なく多項目において測定を行っての検証になることが多い。検証の中で得られた "多次元" のデータに対して分析を行う手法の総評を ”多変量解析” という。大きく以下5つの手法に分けられる。
(1) 回帰分析 (2) 主成分分析 (3) 判別分析 (4) クラスター分析 (5) 数量化理論

(1) 回帰分析 (目的変数:量的変数、説明変数:量的変数)
例えば、収率(※)製品強度などを目的変数とし、原材料の成分比率や種々の製造条件などが説明変数となる。目的変数を残りの変数によって説明しようとする分析である。※ある物質を得るための化学プロセスにおいて、理論上得ることが可能なその物質の最大量に対する実際に得られた物質の量の比率

(2) 主成分分析 (目的変数:質的変数、説明変数:量的変数)
例えば、5教科(英数国理社)の学力試験結果をまとめると、5次元のデータが総合的な学力を表す第1種成分と、文系・理系の違いを表す第2主成分の2つに集約される。特に目的変数がない場合にて、多数の変数の一次式で合成変数を作成したり、変数間の相関関係を調査しようとする分析である。

(3) 判別分析 (目的変数:なし、説明変数:量的変数)
例えば、患者であると分かっているデータと健康であると分かっている人のデータを用いて、新たなに診断を受ける人のデータを正しく判定する。最初から2群のデータに分類されている場合に、追加データを正しく判定することを目的とする分析である。

(4) クラスター分析 (目的変数:なし、説明変数:量的変数、質的変数)
例えば、新車の諸元表として、エンジン排気量、車長、車高、ホイールベース長などのデータがある場合に、「現在販売されている車にはどのような特徴(大型車、中型車、小型車など)があるのかを分類したい場合に適用できる。多数の項目について、変数の分類を行うことを目的とする分析である。

(5) 数量化理論
扱う変量が分類値(カテゴリカルデータ)の場合の対応方法の総称で、ダミー変数を用いて回帰分析や判別分析、主成分分析などを行うことに相当する分析手法である。筆者としては対応関係は以下の様に認識している。
▶ 数量化Ⅰ類・・・回帰分析
▶ 数量化Ⅱ類・・・判別分析
▶ 数量化Ⅲ類・・・主成分分析
※目的変数は対応する各分析と同様で、説明変数が質的変数となるイメージ


③ 品質経営に関する各例題 (参照:過去問題集 ※別冊)

QC検定の問題の約半数は具体的な品質テーマによる文章題であるが、これはテキストだけで学べるものではない。例えば、ここで紹介する参考テキスト(※)で言うところの以下の章を一読した上で、実際の問題を解き進めることにより簡易ながらも品質経営における判断力を磨くことができると感じる。
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〇品質経営の要素 (第3章:P45~)
〇倫理・社会的責任 (第4章:P67~)
〇品質管理周辺の実践活動 (第5章:P77~)
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※【新レベル表対応版】QC検定受検テキスト1級 品質管理検定集中講座

勉強の中で自分参照している過去問題集は以下である。掲載されている問題自体は掲載年度のQC検定で実際に出された問題であるが、日本規格協会が発行している過去問題集だけあって、各問題への解説が非常に丁寧で分かりやすい。文章題に関する解説については読み物としても面白味を感じる。

4.全体を通して

今のところ筆者としては、品質管理検定(QC検定)1級は「事業に大きな影響を及ぼす経営判断に対して品質管理の立場でどの様に臨んでいくか?」という観点を文章題を中心としてジワジワと学んでいくことが出来る点に受験する魅力を見出している。

1発で合格するのが理想の姿ではあったが、(1級の合格率は実態として5%程度ということもあり)  実務から一歩離れた中間管理職的な筆者の立ち位置では、①実際に数値算出を行う問題(前半50問) ②各具体例に沿っての文章題(後半50問) 共に片手間の勉強ではなかなか苦戦する難易度であると感じる。筆者としては、1級範囲の内容を日々の品質管理の実務中に取り込みながら徐々に血肉とすることで、2025年度中(~41回)まででの合格を目指したい。

【参考リンク】


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